
はじめに
「高専ってなんか特殊そうで、実際どうなんだろう……?」
そんなふうに感じている中学生や保護者の方へ。
この記事では、茨城工業高等専門学校(以下、茨城高専)の現役学生である筆者が、茨城高専のリアルな学生生活や制度の特徴をまるごと解説します。
実際の時間割・部活・進路・寮生活など、「気になるけど調べても出てこないリアルな情報」を、現役高専生目線で正直に紹介していきます。
進路を考えている中学生やそのご家族の方は、ぜひ最後まで読んで、学校選びの参考にしてみてください。
そもそも茨城高専ってどんな学校?
他の高専とココが違う!
茨城高専の「主専攻+副専攻」制度とは?
多彩な人材が育つカラクリ
茨城高専の最大の特徴の一つが、「主専攻と副専攻」の両方を学べるシステムにあります。
高専で、本科のうちに主専攻と副専攻の両方を学ぶことができるのは、全国で茨城高専と長野高専しかありません。
茨城高専では「主専攻で基礎を固めながら、副専攻で別の分野の視点も得る」ことができます。
筆者は、主専攻が機械・制御系、副専攻が情報系です。
そのため、主専攻の知識と副専攻の知識を組み合わせて、機械系の仕組みをプログラム側面から見られるという役立ちかたもします。
一つの分野にしぼらず、いろいろな専門分野を学べるのは、茨城高専ならではの特徴といえるでしょう。
茨城高専は1年次に専門配属されないって本当?
2年進級時に系を選べる柔軟さ
高専というと、入学直後から専門の系に配属されると思われがちですが、茨城高専は異なります。これも茨城高専ならではの特色です。
入学後の1年間は、全員が同じカリキュラムで基礎を学び、2年進級の段階で「系配属」が行われます。この配属は、原則によって「成績順」で決まります。
4つの系に対して定員が超えることもあり、成績によっては第1希望に入れないこともあります。
実は筆者は、当初、主専攻情報系を第1希望としていましたが、成績が少し足りず、結果的に機械・制御系に配属されました。
しかし、先ほど解説した副専攻制度を利用することで、主専攻は機械・制御系でありながら、情報系の内容も学ぶことができています。
これは「枠に囲われない学び方」として、個人的にとても満足しています。
茨城高専の系の種類と特徴まとめ|進路に合わせた専門選択が可能
系は大きく分けて下記の4つ。これらはすべて「国際創造工学科」に統合されています。
- 機械・制御系 ※
- 電気・電子系
- 情報系
- 化学・生物・環境系
- ※3年進級時に「機械コース」「制御コース」に分かれる
筆者が専攻している機械・制御系は、なんと2年生のうちから実習が本格化し、フライス盤や旋盤、溶接や鍛造など、工場で実際に体験しながら技術を磨きます。
他の「電気・電子系」「情報系」「化学・生物・環境系」についてはぜひ茨城高専公式HPを参考にしてください。
どの系でも共通して言えるのは、茨城高専は実験・実習が非常に充実していること。教室で学んだことを、そのまま手を動かして体現できるので、知識と技術の両方がしっかり身につくのです。
茨城高専の実際の忙しさと自由のバランスは?
茨城高専の春・夏・冬の休みは長い?
高専の魅力の一つとしてよく挙げられるのが、長期休暇の長さです。
茨城高専でも、春休み・夏休み・冬休みがしっかりと確保されており、一般的な高校よりもかなり長めです。
筆者もこの長期休暇を活用して、毎回のように高専の友人たちと少し遠くへ旅行に出かけています。
友人のなかには、アルバイトに打ち込んだり、趣味に没頭したりする人も多く、それぞれが自由な時間を有意義に過ごしている印象です。
このように、しっかり勉強しつつもリフレッシュする時間が確保されているのが、茨城高専の特徴の一つといえるでしょう。
茨城高専の時間割・年間スケジュールは?行事も盛りだくさん
茨城高専の年間予定には、普通高校と同様に体育祭や文化祭(※文化祭は2年に1度)があり、さらに芸術鑑賞会などの行事も盛り込まれています。
学びだけでなく、仲間と一緒に何かを作り上げる体験や、芸術や表現に触れるチャンスがあるのは大きな魅力です。
また、時間割も高学年になるにつれて専門科目がどんどん増えていきます。
1年生のうちは「数学」「物理」「国語」などの共通科目が中心ですが、2年・3年と進むごとに「計測工学」「制御プログラム演習」など専門的な講義や実習が多くなり、将来に直結する知識を学べるようになります。
ただし、茨城高専では、副専攻科目は学年が上がっても週2コマに固定されているので、学年が上がるごとに主専攻の内容がより色濃くなっていく印象です。
また、時間割制度にも注目すべき点があります。
以前はすべての授業が1コマ60分でしたが、2025年度からは時間割が改訂され、同じ科目が2コマ連続で行われる場合には90分授業、1コマのみの授業は従来通り60分となりました。
これにより、1日の授業が早く終わる日が増え、放課後の自由時間が長くなっています。
この変化によって、放課後を活用して部活動に参加したり、自習に集中したり、アルバイトや趣味に時間を使ったりすることがよりしやすくなりました。
このように、茨城高専の学生生活は「自由」と「実践的な学び」がバランスよく配置されているといえるでしょう。
茨城高専の課題・テストはキツい?留年事情も正直に解説
授業の難易度や課題量については、系によって多少の差はあるものの、基本的には「授業をきちんと受けて、試験対策をしていれば大丈夫」というのが実感です。
テストは年に4回あり、赤点の基準は60点です。
ただし、茨城高専には「仮進級制度」があります。
これは、赤点が3科目以内であれば、ひとまず進級が認められ、翌年度にその科目を再履修できるという制度です。
この制度のおかげで、「うっかり1〜2科目落としてしまった……」という場合でも、進級できるチャンスが残されているのは心強いです。
実際、留年してしまう人もゼロではありませんが、「真面目に取り組んでいれば避けられる」程度の難易度だと思います。
気になる方は、茨城高専の留年、中退の実態を語った記事も読んでみてください。
茨城高専の文化祭は2年に1度の大イベント!2024年の熱狂も紹介
茨城高専の「茨香祭」って?
出店・発表・イベントの盛り上がりは桁違い!
茨城高専の文化祭「茨香祭(しこうさい)」は、2年に1度のペースで、2日間にわたって開催されます。
2024年度はその開催年にあたり、コロナ禍以来久しぶりの一般公開イベントとして実施されました。
模擬店や展示発表、ステージライブに至るまで、規模や内容の多彩さは圧巻です。
クラスやサークルによる模擬店では、たこ焼き・縁日・メイドカフェなど、高専生とは思えないほど本格的な出店が並びます。
また、ステージでは、バンド演奏やダンスパフォーマンスなども行われ、学生のエネルギーを直に感じられます。
茨城高専の文化祭フィナーレには打ち上げ花火も!他高専にはないスケール感
茨城高専の文化祭が「すごい」と言われる最大の理由が、このフィナーレです。
なんと、2日目の夜になると打ち上げ花火が行われるのです。
その規模は、まさに「文化祭の域を超えている」と言えるほどで、一般来場者のなかには、花火を見るためだけに訪れる人もいます。
中にはレジャーシートを持参し、花火だけを鑑賞して帰るご家族もいるほどです。
他の高専や高校の文化祭ではなかなか見られない、茨城高専ならではのダイナミックな演出。学生自身も「2年に1度の特別な2日間」として、全力で準備し、楽しんでいます。
2024年度の茨香祭の様子は高専塾ナレッジスターの「みんなの高専ちゃんねる」でも公開しています。ぜひご覧ください!
茨城高専の部活事情|文武両道のリアル
茨城高専は運動系・文化系ともに盛ん!
「高専って部活やってないイメージ……」と思われがちですが、茨城高専に関していえば、それはまったくの誤解です。
運動系・文化系ともに活発に活動しており、ガンガン外部の大会に出場する部活もあれば、校内で自由に楽しむサークル的な部活もあります。
特に文化部は高専ならではの“尖った”活動が多く、たとえば「ボーカロイドをCGで躍らせる部活」や、「DTM(デスクトップミュージック)で音楽を作る同好会」など、個性豊かな活動が魅力です。
茨城高専は部活動以外にも活動の幅が広い?学生生活の自由度
茨城高専の魅力は、部活の枠にとらわれない活動の自由度にもあります。
「やりたいことがないなら、自分で作ってしまえばいい」…そんな文化が根づいており、実際に自分で新しい同好会や団体を立ち上げる学生も多いです。
自由な校風のなかで、自分の好きな分野をとことん追求できる環境が整っているので、興味と情熱さえあれば、誰でも「主役」になれる場があります。
茨城高専公式HP にて他にも個性あふれる部・同好会を紹介していますので、ぜひ参考にしてください!
高専は優秀じゃない!って誰が言った?誤解されがちな真実
茨城高専は就職・進学先が超豊富!1人に求人40件超えって本当?
茨城高専では、進学も就職も非常に有利です。
とくに就職については、毎年就職希望者1人あたり約40件の求人が届くと言われており、まさに“選び放題”の状況。
企業からは「高専卒=即戦力」として非常に高く評価されており、現場で必要な知識・技能が身についているという点で、大学新卒よりも即戦力として歓迎されることもあります。
進学希望者は、大学3年次編入を目指すケースが多く、難関大学への進学実績も豊富です。「高専だからこそ広がる進路の選択肢」があると実感します。
「失敗談」もあるけど、そこから這い上がれるのが高専生
もちろん、高専に入学したからといってすべてが順調というわけではなく、なかには留年や中退を経験する人もいます。
しかし、それでも高専生は強いです。筆者のまわりにも、留年を経験しながらも努力して進級を果たした仲間や、専門が合わず中退して別の道で成功している友人がいます。
高専で培った基礎力や“くじけない精神力”は、どんな道に進んでも役立つ武器になります。「一度つまずいたら終わり」ではなく、「そこから這い上がれる環境と文化」が高専にはあります。
リアルな茨城高専生活|立地・食・遊びの魅力
茨城高専は「山の中」じゃない!駅チカ&便利
「高専って山奥にあるんでしょ?」というイメージを持たれがちですが、茨城高専は違います。最寄りの駅からも近く、大通りに面していてアクセスは抜群。
さらに、近くにはコンビニや飲食店、ドラッグストアが立ち並び、日常の買い物にも困りません。
茨城高専の学生にとっては、近所のドラッグストアが行きつけです。
茨城高専生はエナジードリンクを好んで飲むので、そのドラックストアにはエナジードリンクが大量に並んでいます。そんな光景はちょっとした“名物”です。
茨城高専生に人気の飲食店&娯楽スポット
高専生活では、授業が終わったあとの放課後も大切な時間です。
茨城高専周辺には、友達と立ち寄れるラーメン屋やカラオケ、ボウリング場など、ちょっとした娯楽スポットもそろっています。
筆者はよく、放課後に友達とカラオケで盛り上がってから、駅前のラーメンを食べて帰るというルートを楽しんでいます。茨城高専生にとっては定番コースです。
茨城高専の寮の生活は?国際色豊かで快適な環境
茨城高専には5つも学寮があり、希望して認められれば入寮し、学生同士で共同生活を送ることができます。
寮生活では、自炊や掃除などの生活スキルが自然と身につくだけでなく、先輩・後輩との交流や寮祭など、人間関係を深める機会も多くあります。
また、留学生も多く在籍しており、寮のなかで異文化交流ができるのも魅力のひとつです。国際色豊かな環境のなかで多様な価値観に触れる経験は、将来にも大きく役立つはずです。
まとめ|茨城高専で得られるのは“技術”と“選択肢”
こんな人にこそ茨城高専はおすすめ!
「将来、技術を活かした仕事に就きたい」
「専門的なことを早くから学びたい」
「自由な雰囲気の中で、自分らしく学びたい」
こうした思いを持つ人には、茨城高専はぴったりの環境です。
早い段階で専門性に触れつつ、多様な人と関わりながら学びを深められるのは、ほかの高校や大学にはない魅力です。
文化祭や説明会で茨城高専の“リアル”を見に行こう!
もし少しでも興味を持ったなら、まずは学校説明会や文化祭に足を運んでみてください。
パンフレットやネットの情報だけでは伝わらない“空気感”や“リアルな学生の雰囲気”がきっと伝わってくるはずです。
筆者自身、実際に説明会に参加したことで「ここなら楽しそう!」と思えたことが、入学の決め手になりました。ぜひ、あなたも自分の目で茨城高専を確かめてみてください。
茨城高専には、普通の高校とは一味違う体験とチャンスが詰まっています。
「高専って特殊そう」「自分に向いてるかわからない」と感じている人こそ、一度足を踏み入れてみてほしいと思います。
ライター情報
茨城高専機械制御系に在学。
ニックネーム:せきとも
茨城の田舎な場所に住んでいます。
成績はあまり良くありませんが、高専生活を全力で楽しんでいます!