高専入試とは?国立高専入試制度を
徹底解説!

「高専受験をはじめたいけど、何からすればいいの?」 「高専は入試形態が特殊とよく聞くけど、
実際どんな入試なの?」 というお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

それもそのはず。
高専に進学する中学生の割合は全体の1%程度。 なかなか入試情報が得にくいのが現状です。
この記事では、高専入試を熟知した高専のプロが、 「高専入試制度の特徴」「高専入試の対策方法」について
徹底解説していきます。さらに、高専入試対策を始めるべきタイミングについても、詳しく解説します。

たった5分で読める内容となっていますので、これから高専受験を 検討している方は是非参考にしてください。

そもそも高専入試とは何か?

そもそも高専入試とは、国立の5年制の学校高等専門学校に入学するための試験のことを言います。
高専は実践的な知識を持つ技術者を養成することを 目的としている学校で、1年生の頃から専門科目の授業や実験、
実習を積極的に行っている学校です。

高専の入試制度は主に二つ

国立高専の入試には、推薦入試と学力入試(一般入試)の主に2つが あります。推薦入試を受験するには、
学校長の推薦書と、 中学の平均評定4.0以上を必要とする高専が多いです。 学力入試は、全国統一の問題で、
難易度は, 公立高校の問題よりは難しいレベルのものが出題されます。

ここからは、それぞれの特徴と対策方法について、 お話ししていきます。
これから高専受験をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

高専推薦入試の特徴

高専推薦入試の基本情報

⚫︎受験資格  

学校長の推薦  
・中学の平均評定4.0以上  
    を必要とする高専が多い

⚫︎入試時期

・基本的に、普通高校より早い1月前半〜中旬  
    各高専によって日程は異なります。

⚫︎試験内容

・面接 / 小論文 / 口頭試問 / 適性検査 / グループワーク (高専によって異なる)

⚫︎推薦入試の傾向

高専推薦入試は「評定4.0以上あるから、受かる!」というものでもありません。倍率は毎年2倍近くあり
(令和4年度の平均倍率は1.86倍)、一般的に評定ギリギリでの合格は難しい傾向にあります。
そのため、推薦に全賭けはせず、受かったらラッキーぐらいの気持ちで、
学力入試の対策も進めることが大切です。

高専推薦入試を受験するメリット

⚫︎高専に入学できるチャンスが1回増える

推薦入試で募集定員の半分以上をとる高専が多いため、この1回はとても大きいですね。
学力入試のみの出願だと、残り半分以下の枠を他の高専受験生と争うことになるので、
推薦入試と学力入試両方を受験できるようにしておくと良いかもしれません。

⚫︎高専学力入試に比べて、合否が決まる時期が早い

一般的に
・学力入試は2月中旬
・推薦入試は1月前半〜中旬

推薦で合格の場合はかなり早い段階から、受験競争の荷を下ろすことがでます。もし不合格の場合も、
本番の試験の雰囲気を掴んでから、 その後の学力入試に挑むことができます。
これは精神的にかなりのメリットではないでしょうか? ただ、デメリットとして考えられるのが、
不合格の場合、気持ちの切り替えができず、その後の学力入試対策が十分にできない可能性があるということです。
推薦入試の合否はほぼ評定で決まります。 そのため、面接や小論文でなんとかできる範囲には
限界があるのです。
もし出願を考えている方は、推薦は受かったらラッキーぐらいのマインドで挑みましょう!

高専推薦入試の対策方法

⚫︎面接

面接では、以下のような資質が求められます

面接はどの高専の推薦入試でも実施されます。
また、集団面接ではなく、個人面接の場合が多いです。

よくある実施形式
・受験者1人に対して、面接官が3〜4人
・面接時間はおよそ10〜15分程度

面接当日は緊張で、頭が真っ白になってしまうかもしれません。
そうならないように、何人かの先生と面接練習をするのが良いでしょう。

⚫︎作文(小論文)

作文が試験に含まれている高専は多くあります。
作文の内容は年ごとに変わるので、試験の時に対応できるように時事問題、 社会変化などの知識を身につけておくと良いでしょう。

実際に出題された問題
『現在使用されている技術で今後、発展・普及すべきと考える
技術とそれが社会・人々に与える影響について、あなたの考えを述べなさい(400字)』
『これからの社会において、人間とロボットとの共生はどの
ような形で行われるべきか、あなたの考えを述べなさい。(600字)』

練習方法
01.過去問の内容を自分で書いてみる
02.学校の国語の先生や塾の先生に内容や書き方などを確認してもらう
03.修正・練習 を繰り返す

⚫︎その他

・資格、検定の取得
・課外活動への参加
・自由研究 ・部活、生徒会
・高専が主催している体験活動への参加

これらは、面接時に中学校時代に頑張ったこととして、 高専へアピールすることができます!
実際に、面接ではこれらの体験を深ぼって聞かれるため、もし評定が低い人は、
これらを参考に取得、参加してみましょう!

高専推薦入試は評定が一番配点が高い

推薦入試で一番配点が高いのは評定。 中学3年間の評定が低い場合、合格は難しい可能性が高いです。
しかし、推薦入試に評定ギリギリで受かった人も少なからずいます。
→【高専受験体験談】推薦評定ギリギリだった高専生が教える推薦入試の乗り越え方!

いずれにせよ、推薦入試を受験する場合は、全賭けはせずに、
学力入試の勉強も同時に進めておきましょう!

高専学力入試の特徴

高専学力入試の基本情報

⚫︎受験資格

誰でも受験可能です。推薦入試で不合格になった人も再度受験することができます。

⚫︎入試時期

・普通高校より早い2月中旬頃。(2025年の学力入試の本試験日は令和7年2月9日)

⚫︎試験内容

マークシート方式  
国立高専と一部の公立高校で共通の問題が出題される。
 →異なる高専(産技高専・近代高専・国際高専・神山まるごと高専・サレジオ高専)  
採点方式が高専によって異なる (傾斜配点、社会を課さないなど)

⚫︎高専学力入試の傾向

高専の学力入試は普通高校と比べると、やや難易度が高い傾向があり、  
特に、数学と理科は難易度が高く、応用的な問題を中心に出題されます。
ここで気になるのが、「何点とれば高専に合格できるの?」という所だと思いますが、
その年の倍率によって変動するため、「この点数をとれば合格!」という正確な合格基準点は
その年にならないとわかりません

 
しかし、ナレッジスターでは、これまで多くの高専受験を指導してきました。  
その中で合格してきた学生を見ていると、だいたい5教科合計375点くらいあれば合格の  
可能性がかなり高いということがわかっています。
 
ただ、高専によって配点方法や、対象科目が変わってきますので、
必ずしもこの点だけをとればいいということではないので、注意してください。
→高専学力入試の合格点と平均点はズバリ?

高専学力入試対策方法

高専入試対策は、過去問を3年分解いてみることがおすすめです。
その理由は2つあります!

①本番の方式に慣れることができる

高専学力入試の特徴として、解答がマークシート方式という点が挙げられます。
本番同様の問題、本番同様のマークシート形式で受験をするという経験が全くない人と、
何度も経験している人では圧倒的な差がつきます。
過去問を解くことで、本番の解答方法に実践的に慣れることができます。

②苦手を理解、克服できる

過去問を解いてみることで、自分の解けない、わからない、苦手分野が浮き上がってきます。
そこで分からなかった問題の解き方を、問題の解説や教科書を使い理解していきましょう。
そうすることで、着実に苦手を克服することができます。 克服することができたら、
また、過去問を解き直し、そこで100点をとれると、 だいたい試験の傾向と対策はできています。

高専入試過去問のNGな使い方

繰り返し解きすぎるのはNG

過去問はあくまで苦手を探すために使用してください。
すでに過去問で100点をとれた人は、初見の問題も解ける応用力を身につけるために、
他の参考書を解くことをおすすめします。

3年より遡ると、傾向が違ってくる可能性がある

高専学力入試の傾向は年々少しずつですが変わっています。
ですので、3年以上遡ってしまうと、今後の学力入試とは傾向が大きくずれる
恐れがあるため、優先度は少し低いかもしれません。
→より詳しい過去問活用法はこちら!

高専入試過去問入手方法

高専の過去問3年分は、国立高等専門学校機構(高専機構)が公開している
入試過去問のウェブページから 無料でダウンロードすることができるため、ぜひ活用してみてください!
高専機構HPはこちら!

もし、過去問だけでは不安な方は、ナレッジスターの高専模試に挑戦することをおすすめします!
高専受験生対象の模試ですので、全国の高専受験生と比較し、自分が今どの立ち位置にいるのか
知ることができます!もちろんマーク式の試験となっているので、これで高専入試対策もバッチリです。
高専模試の詳細はこちら!

高専学力入試の高専対策を始めるタイミング

始めるタイミングとしては、早ければ早いに越したことはないですが、
まだ高専を志望しようか迷っている方もいるかと思います。
そんな方は、遅くとも9月ぐらいには、本格的な高専対策を始めなければいけません
一般的に、高専学力入試対策を始める人は、高専のオープンキャンパス参加後の 7,8月から徐々に増えていきます。
そのライバルたちに遅れを取らないためにも、夏休み中に中3範囲を終わらせ、
9月から、本格的に学力入試対策を始められるように準備しておきましょう!

ナレッジスターが推奨する中学3年生の勉強スケジュール

しかし、高専入試対策を進めるにも、 「周りに高専受験生がいない…」「先生も高専を詳しくない…」
などの理由で、一人では高専対策に不安がある人は少なくないはずです。
そんな方は、ぜひナレッジスターの高専学力入試対策コースの受講を検討してみてください。

高専が向いている人の特徴

ここまで高専入試制度の特徴と対策を解説してきましたが、高専は少し特殊な学校です。
そもそも「自分が高専に向いているのか分からない…」という方もいるかと思います。

高専塾ナレッジスターでは、現役高専生の指導も行なっています。
その経験から、 「高専がおすすめの人の特徴」をご紹介していきます。
現在高専を志望することを迷っている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

高専はこんな人におすすめ!

●専門分野に興味がある人

高専では1年生から専門分野を勉強します。
そのため、早くから専門分野を学びたい人にはとてもおすすめです。  

●学生時代にチャレンジしたいことがある人

高専は自主性を重んじる校風があるため、学生が自由に使える時間が多いです。  
そのため、興味のあることや趣味が明確な人におすすめです!  

●何もやりたいことがない人

前述のことと矛盾するように感じるかもしれませんが、  
やりたいことがなくとも5年間の学生生活で、やりたいことを見つける学生が多いです。
ロボコンやデザコンなど、さまざまな経験ができる環境が整っているため、  
自分のやりたいことを探したい!という人におすすめです。

●癖が強い人

高専は癖の強い人でも受け入れられやすい特徴があります。  
そのため、「こだわりが強い」や「個性的」などの特徴がある人に  
おすすめできます!

●おしゃれしたい人

ほとんどの高専は私服登校になります。そのため、毎日着る服を考えるのが楽しい!
という方に高専はおすすめです。

⚫︎高専情報はYouTube、instagramでも発信中!
 興味のある人は画像をタップ!

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高専入試に関するよくある質問

Q1.高専学力入試の問題は全国共通ですか?

A.
国立高専の入試問題は共通テストのように全国共通となっています。
それにより試験日、 試験時刻も全国共通です。
但し、学校によっては特定科目を実施しないなど、独自性を持たせているところもあります。

Q2.私立高専の入試制度は国立高専とは違いますか?

A.
私立高専は国立入試とは違い、独自の入試形態を持っています。
学校によって大幅に違うため一度確認しておきましょう。
また、学力入試も国立入試のものと違い記述問題も出題されます。

Q3.帰国生特別選抜とはなんですか?

A.
「日本国籍、又は永住許可を得ている者で中学校に相当する課程において計2年間以上であり、
帰国から2年以内の人」が対象の試験です。
学校によって試験内容が違いますが、社会を除いた4教科の試験を行う所や、理科・数学・英語の3科目と作文(小論文)を行う学校もあります。

まとめ

今回は「高専入試制度の特徴」「高専入試の対策方法」について解説しました。

高専入試は普通高校の入試とは違い、マークシート方式や、傾斜配点などの特徴があるため、
高専入試対策に特化した勉強をする必要があります。
ナレッジスターでは無料勉強相談も行なっています。
無料勉強相談では高専入試のプロ講師が、正確な情報を提供してくれるので、
高専入試対策でお悩みの方はぜひご利用してみてください。

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