【実体験】高専ってやめたらどうなるの?「中退=終わり」じゃない!|現役高専生が解説

はじめに

私は地方の高等専門学校(以下、高専)に通う現役高専生で、2025年4月から5年生になります。私自身はこれまでに高専で留年や中退を経験したことはありませんが、身近には、実際に高専を留年した友人と中退した友人がいます。

最近、「高専 やめとけ」「高専 やばい」「高専 不登校」といった言葉が検索されるのをよく見かけます。そして、実際に中退や留年を経験した人たちのリアルな声って、あまり表に出てこないと感じています。

この記事では、「高専を中退したらどうなるのか」「留年しても進む道はあるのか」といった疑問に対して、私の友人たちのリアルな実体験を紹介しながら、少しでも参考になるような情報をお届けできればと思っています。

高専に通っている人はもちろん、これから高専に進学しようとしている中学生やその保護者の方も、ぜひ参考にしてください。

高専は中退率が高いって本当?

よく「高専は中退が多い!」と言われていますが、私の学校では多くても、1クラス(大体40名ほど)に2名ほどだと思います。学科にもよりますが、高くても中退率は5%程度というところでしょうか。

中退の理由は人それぞれです。成績不良、体調不良、将来への不安など、多様な背景があります。

やはり高専は一般的な高校とは異なるため、専門科目が早い段階から始まるほか、進級判定が非常にシビアな学校です。

そのため、一定数の学生が途中で進級できずに留年したり、最終的に中退するケースもあります。故に普通の高校や大学と比べ、中退率が高くみえてしまうのは仕方のないことなのかな、とも思います。

ただし、ここで大事なのは「中退=人生終了」ではないということです。

高専で留年した友人の話

それでも高専を「やめない」という選択

ここで私の友人、Kくん(仮名)を紹介させてください。
Kくんは、私と同じ学科で一緒に授業を受けていた友人です。
彼は3年生のときに進級できず、留年しました。原因は成績不良です。
決して不真面目だったわけではなく、毎日授業に出席して課題にも取り組んでいましたが、専門的な内容についていくのが難しかったとのことです。

「やめようとは思わなかったの?」と聞いたところ、Kくんはこう話してくれました。

「3年生まで来てやめるのはもったいないと思った。あと少しで進級できたし、クラスには他にも留年した仲間がいたから、孤立することもなかった」

私とKくんの所属している学科は、たまたまその代で留年をした学生が多く、「ひとりじゃない」と感じられる環境があったのかもしれません。
そうした支えが、彼にとって大きな力になったのだと思います。

高専を留年しても得られるものがある

Kくんはその後、無事に再履修をこなして進級し、2025年4月からは4年生になります。

彼いわく、「留年するのもアリだった」そうです。

「留年しても普通に高専ライフは送れる。年下の後輩たちともすぐなじめたし、むしろ余裕を持って接することができた。高専では留年する人も珍しくないから、周りも自然に受け入れてくれる」

年齢が違うことで孤立するのではないか、と心配になる人も多いかもしれませんが、少なくとも私の周囲ではそうした壁はあまり感じません。彼の話からも、「留年は失敗ではなく、ひとつの経験である」ということが伝わってきました。

僕の友人が高専を中退するまで

ここからは、中退という決断をした別の友人、Uくん(仮名)の話を紹介します。

高専の入学当初

Uくんは、なんとなく高専に進学したタイプの学生でした。特別に興味があった分野ではなかったけれど、「推薦で行けるから」「入ってから慣れるかも」という気持ちで進学を決めたそうです。

最初のうちはそれなりに順応しているように見えましたが、話を聞くと「勉強が好きってわけでもなかったし、専門が楽しいとも思えなかった」とのこと。

高専を「やめたい」日々

1年生のころはまだ一般教科がほとんどで、なんとか頑張れていたそうですが、2年生になって専門分野の授業が本格化してくると、一気に気持ちが重くなったそうです。

「授業を受けていても、これが将来の仕事になるとは思えなかった。とにかく楽しくないし、モチベーションも湧かない」

そう話してくれたUくん。毎日がつらくて、「このまま3年生になるのか…」と悩む日々が続いていたようです。

高専以外のもう1つの夢

そんなUくんには、もう1つ夢がありました。それは、海上保安官になること。

もともと子どものころから憧れていた職業で、高専に入ったあとも心のどこかにその気持ちは残っていたそうです。

「高専が自分に合っていない」と感じ始めたとき、ふと思い出したのがその夢だったとのこと。
そこから少しずつ、公務員という道を意識するようになっていったそうです。

高専中退で、公務員を目指すという決断

そして、2年生の終わり。
Uくんは「このまま無理して進級するより、自分のやりたい道を目指そう」と決意し、高専を中退しました。

その後、通信制高校に編入。
卒業までの1年間はバイトをしたり、趣味を楽しんだりしながら、心の整理をする時間を持ちつつ、通信制高校を卒業し、高卒の資格を取りました。

最初は海上保安大学校を目指して勉強して、実際に合格もしたそうです。
でも、そこからまた自分の気持ちに向き合い、「やっぱり、別の形で人の役に立ちたい」と思うようになり、最終的には税関職員として働く道を選んだとのことです。

高専の中退で学歴はどうなるの?
大学・通信制・高認の選択肢

高専を中退すると「最終学歴はどうなるの?」と不安になる方も多いと思います。
実は中退したあとの学歴は、「3年までに必要な単位を取得しているかどうか」で大きく変わります。

まず、3年生を修了している場合は「高等専門学校3年次修了(以下、3年次修了)」という扱いになります。
これは「高卒」ではありませんが、「高校卒業と同等」として扱われる場面もあります。
卒業証書は発行されませんが、修了証明書が発行されることがあり、進学や公務員試験の受験などに使うことができます。

一方、3年生を修了していない場合は「中卒」扱いになります。
この場合、大学受験の資格を持っていないため、進学を希望するなら高等学校卒業程度認定試験(いわゆる高認)を受ける必要があります。

ただし、合格しても学歴としては「中卒」のままで、高認はあくまで資格という位置づけです。
履歴書にも「高専中退」や「高認取得」と記載することになります。

進学だけでなく、通信制高校や定時制高校へ編入して「高卒」資格を取得する道もあります。
時間はかかるかもしれませんが、学歴をしっかり積み直すことも十分可能です。

Uくんの場合は、3年生を修了する前に中退したので、通信制高校に編入して高卒資格を取得しました。その後は、自分の目標に合わせて受験勉強や公務員試験対策を進めていました。

中退=学歴的に終わり、というわけではありません。
選択肢を知っておくことで、その後の道をしっかり描けるようになるはずです。

高専を中退も留年も「終わり」じゃない!
むしろ「始まり」になることも

「留年、中退=失敗」はもう古い!
持っていたポテンシャルは消えない

KくんもUくんも、それぞれの選択をしたあと、自分の進む道をしっかり歩いています。
たしかに、留年や中退は周囲から見れば「つまずき」と思われることもあるかもしれません。

でも、それがすべてではありません。頑張って高専に合格したこと、高専という環境で学んだ経験、それらは決して無駄にならないし、次の挑戦にもつながっています。

高専中退しても夢を叶える進路はある

Uくんのように、就職して働いている人もいれば、中退後に大学へ進学してスキルを磨く人もいます。

大事なのは「自分に合った道を選ぶこと」。

周りと比べたり、既存のルートにとらわれたりする必要はありません。
自分が納得できる選択をすることが、いちばん大切だと私は感じます。

悩んでいるあなたへ、現役高専生からのメッセージ

高専で今、立ち止まりそうになっている君へ。
高専に不安を抱えている中学生や、その保護者の方へ。

その悩みや不安は、決して特別なものではありません。
私のまわりにも、迷いながら進んできた人がたくさんいます。

中退や留年は、たしかに想定外の出来事かもしれません。
でも、それは「道を外れた」ことではなく、「新しい道を見つけた」ということ。
遠回りに見える選択が、あとから振り返れば一番自分らしい一歩だったと思えることもあります。

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
この記事が、少しでもあなたの不安を和らげるきっかけになればうれしいです。

ライター情報

茨城高専機械制御系に在学。
ニックネーム:せきとも
茨城の田舎な場所に住んでいます。
成績はあまり良くありませんが、高専生活を全力で楽しんでいます!

\新中3生向け!/