高専と一般高校の推薦入試の違いとは!?

「高専に興味があるけど、推薦入試って普通の高校とどう違うの?」
「高専の推薦入試って、何だか難しそう…」
そんな風に思っている中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか?
高専の推薦入試は、確かに一般の高校とは少し違う、ユニークな入学試験です。その違いをしっかり理解し、ポイントを押さえて対策すれば、合格への大きな近道になります。この記事では、高専と一般高校の推薦入試の違いを分かりやすく解説し、高専ならではの入試を突破するためのポイントをご紹介していきます!

高専と一般高校の推薦入試の概要

まずは、高専と一般高校、それぞれの推薦入試がどのようなものか、基本的なところから見ていきましょう。

高専の推薦入試

高専の推薦入試は、一般入試よりも早い、1月中旬ごろに実施されるのが一般的です。選抜方法は、調査書(内申点)に加えて、面接や小論文、そして高専ならではの「口頭試問(こうとうしもん)」や適性検査などが課されます。

学力だけでなく、専門分野への適性や学習意欲、人間性などを多角的に評価するのが大きな特徴です。「この人が高専へ入学したらどれだけ活躍してくれるだろうか」という観点から合否の判断がなされます!

一般高校の推薦入試

一方、一般高校の推薦入試は、中学校長の推薦に基づき出願します。一般高校の推薦入試では、調査書、面接、作文・小論文などが課されます。学力試験だけでは測れない、生徒一人ひとりの個性や中学校での活動実績を評価する「人物重視」の入試になります。

私立高校では、合格したら必ず入学する「単願」や、他の高校との併願が可能な「併願」など、様々な形態があります。

制度上の違い(出願資格、選抜方法など)

高専と一般高校の推薦入試の最も大きな違いは、専門性を問われる点にあります。

 出願資格: 一般高校が中学校での成績全般を評価するのに対し、一部の高専では「数学と理科の評定が5段階評価で4以上」といったように、特定の専門分野に関連する科目の成績が重視される傾向があります。

 選抜方法: 高専の推薦入試では、基本的に中学生の間の経験や学力などについてを問う面接試験と、後述する「口頭試問」で数学や理科に関する専門的な知識や英語の基礎的な能力を問われ、総合的に合否が決定されることが多いです。これは、5年間という早期から専門教育を行い、ハイレベルなエンジニアを育成する高専ならではの選抜方法です。

これらの違いから、高専の推薦入試はとてもユニークで、一般高校とは違ったアプローチで試験対策を行わなければならないことがわかります。

高専の推薦入試がユニークな理由

では、なぜ高専の推薦入試はこれほどユニークなのでしょうか?その理由を探ってみましょう。

専門分野への適性や学習意欲を重視

高専は、5年間一貫して高度な専門技術者を育成する学校です。そのため、単に勉強ができるだけでなく、「この分野を学びたい!」という強い情熱や、専門的な知識を吸収していくための素質(適性)を持った学生を求めています。

いかに成績がよくとも専門分野に対する情熱がなければ、高専の5年間のカリキュラムをこなすことはとても大変です。中学校では常に成績トップだった人が高専では大量の赤点を抱えるなんてことも…….

推薦入試は、そうした高専へ入学したら活躍できそうな学生を見出すための重要な機会として位置づけられているのです!

「口頭試問」で専門的な問題

高専の推薦入試でもっとも特徴的な試験内容といえば「口頭試問」です。これは、面接官からの質問に口頭で答える形式の試験で、多くの場合、数学や理科の基本的な原理・原則に関する問題や英語の基礎力を推し量るための問題が出題されます。

例えば、以下のような問題が出題されます。

 「(図を見せられて)この図形に囲まれた部分の面積を求めてください」

 「(イラストを見せられて)このイラストに描かれている物事を英語で説明してください」

そして、口頭試問では答えが導出できるだけでは不十分で、なぜその答えに行き着いたのかという思考の過程を、試験官に論理的に説明しなければなりません。

日常的に本質的な理解をしながら学習ができているかが問われる、高専の推薦入試一番のウィークポイントになります!

中学校での活動実績を評価

高専では、学業成績だけでなく、中学校での様々な活動も評価の対象となります。

 生徒会活動や部活動: リーダーシップや協調性、継続する力などが評価されます。

 資格取得: 英検や漢検、数学検定などの資格は、学習意欲の高さを示すアピールポイントになります。

コンテストや自由研究: 科学系のコンテストでの入賞経験や、興味のあるテーマを深く掘り下げた自由研究などは、専門分野への関心の高さを具体的に示すことができます。

上記のような中学での活動を通じて、「私は高専でこんな風に活躍できる!」ということをアピールすることが合格への一歩になります!

推薦入試で合格を勝ち取るためのポイント

ここからは、高専の推薦入試で合格を勝ち取るための具体的な対策について解説します。

自己推薦書で熱意と将来性をアピール

自己推薦書や志望理由書は、自分という人間をアピールするための大切な書類です。

・ なぜ高専なのか、なぜこの学科なのかを具体的に考えましょう。「ものづくりが好きだから」だけでなく、「〇〇という技術に興味があり、貴校の△△というカリキュラムで深く学びたい」というように、自分の経験と結びつけて書くことが重要です。

 ・将来の夢や目標を語りましょう。「高専で学んだ知識を活かして、将来は〇〇のようなエンジニアになりたい」というビジョンを示すことで、あなたの将来性をアピールできます。

熱意のこもった文章や語りにはだれしも引き込まれるものです!あなたの高専への熱意をぶつけていきましょう!

面接対策で論理的な説明能力を鍛える

面接では、コミュニケーション能力や人柄が見られます。

・志望動機や自己PRなど、よく聞かれる質問への回答は必ず準備しておきましょう。

・さらに、高専の推薦入試では論理的思考力が問われています。「なぜそう思うのですか?」という深掘りの質問を想定し、自分の考えを論理的に説明する練習を重ねましょう。

・高専のアドミッション・ポリシー(求める学生像)を必ずチェックし、それに合致する自分の強みをアピールすることが大切です。

面接はとにかく練習あるのみです!学校や塾の先生など、協力してくれる方とたくさん面接練習をして場慣れしていくことが重要です。

口頭試問の過去問を解いて傾向を掴む

口頭試問は、多くの受験生が不安に思う点でしょう。対策の第一歩は、過去問を手に入れて傾向を掴むことです。志望する高専のウェブサイトで公開されている場合もありますし、塾や中学校の先生に相談してみるのも良いでしょう。
過去問を解くことで、出題形式や難易度を把握し、重点的に対策すべき分野が見えてきます。
多くの場合、基礎的な問題が出ることが多いので、自分の苦手な範囲を補強していきましょう!

中学校の先生や塾の先生に相談する

自分一人で対策を進めるのには限界があります。作成した自己推薦書を添削してもらったり、面接や口頭試問の練習に付き合ってもらったりと、中学校や塾の先生の力を積極的に借りましょう。

客観的な視点からのアドバイスは、自分では気づかなかった弱点を克服する大きな助けとなります。

高専の推薦入試に関するよくある質問

最後に、高専の推薦入試に関してよく寄せられる質問にお答えします。

内申点はどのくらい必要ですか?

高専や学科によって基準は異なりますが、多くの高専では**9教科の評定平均が5段階評価で4.0以上(合計36以上)**が一つの目安とされています。特に、数学・理科・英語の成績が重視される傾向にあります。ただし、これはあくまで目安であり、当日の試験結果や面接、活動実績などで総合的に判断されます。

口頭試問ではどのようなことが聞かれますか?

前述の通り、中学校で習う数学や理科、英語の基本的な知識を問う問題が中心です。公式を丸暗記するだけでなく、「なぜそうなるのか」を自分の言葉で説明できるように、普段から物事の本質を考える学習を心がけましょう。

部活動や資格はどのくらい評価されますか?

学業成績が重視されることは間違いありませんが、部活動での活躍や資格の取得は、あなたの人間性や学習意欲をアピールする上で間違いなくプラスに働きます。特に、生徒会長や部長などの経験は、リーダーシップの証明として高く評価されることがあります。

活動本体というよりは、その活動や資格取得によって得られた経験や能力が高専生活へどう生かせるかをアピールすることがとても重要です。

一般入試との違いは何ですか?推薦入試と一緒に受けることができますか?

推薦入試は、学力試験だけでなく面接や調査書などで総合的に評価される点が一般入試との大きな違いです。そして、多くの高専では、推薦入試で不合格だった場合に、そのまま一般入試を受験できる制度になっています。推薦入試は、合格のチャンスが一度増える、絶好の機会と捉えましょう。

学校によっては、総合型選抜や2次選抜など、特殊な入試形態が用意されていることがあるので、一度どんな入試形態があるのか、出願できそうなのかを調べてみることをおすすめします。

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まとめ:高専の推薦入試を理解して、未来への一歩を踏み出そう!

高専の推薦入試は、一般の高校とは異なり、あなたの専門分野への熱意と適性を強く問う、挑戦しがいのある試験です。
そのユニークな特徴を正しく理解し、自己推薦書や面接、口頭試問といった一つひとつの選考にしっかりと対策をして臨めば、高専への合格はあと一歩です!

この記事が、あなたの高専合格への一助となれば幸いです。

ライター情報

ニックネーム:やまり
出身高専:佐世保高専 電気電子工学科
自己紹介:佐世保高専では電気電子工学を学習していて、現在は筑波大学 情報学群 知識情報・図書館学類で「情報」のより良い扱い方について学んでいます!趣味はVRとイラストとダーツです!

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