高専入試に向けた新中3向け春からのスケジュール

はじめに

今回は、高専合格を目指す新中3生に向けて、中学3年生になる前に今必ず知っておくべきことについてと、春からどのようなスケジュールで勉強していけばよいのかということについて詳しく解説させていただきます。高専を目指す新中3生の皆さんが、合格をつかみ取るためには、情報をとにかく早く得ることが必須です!この記事を読んで、是非、この春やるべきことを明確化し、合格に向けた準備をいち早く始めていきましょう!

中3生になる前に今必ず知っておくべきこと

高専入試の概要(大まかなスケジュール)を知る!

そのために、募集要項を見る!

 高専合格のためにまず初めに行うべきことは、高専入試を”知る”ことにあります。そのためにまず初めに行うべきこと、それは、志望高専の募集要項を見ることです。募集要項といっても、新中3生の皆様に向けた募集要項はまだ公開されていないので、現在出ている最新の募集要項を確認していただきたいと思います。

 ここでは、募集要項を見ることで何を把握しないといけないのかを解説させていただきます。

①推薦入試と学力入試の存在の把握、推薦入試の受験条件の把握

 高専入試の選抜方法は、推薦入試と学力入試があります。高専へ何としても行きたいそこのあなた、推薦受験は、高専に2回チャレンジできるチャンスです!

基本的に高専入試は、推薦入試→学力入試という流れで実施されます。推薦入試の受験条件を満たすことができれば、推薦受験が可能となるのは勿論のことですが、もし思うような結果とならなかった場合でも、次に行われる学力入試への挑戦権を得ることができます。志望校に2度もチャレンジできるのです。推薦入試を受けることには、メリットしかありません!
推薦入試を受けるためには、基本的に中学校での成績評定や、課外活動での功績などが一定の基準を満たしている必要があります。全国の高専によってこちらの基準は大きく異なるため、自らの志望高専の推薦入試出願条件について詳しく認識する必要があります。
 ここで認識していただきたいことが、推薦入試出願条件については、”あくまで受験するために最低限必要な条件”であるということです。提示されている推薦条件のうちの1つの条件(成績評定等)を目標にしてしまわないようにしていただきたいと思います。

➁推薦入試と学力入試の日程の把握

 推薦入試では、早い高専で12月ごろから、1月にかけて入試が行われます(神山まるごと高専等の一部の高専はもっと早いです)。また学力入試については、主に2月上旬〜中旬に行われます。他の併願校等についても考えている場合は、スケジュール管理をきっちりと行う必要があります。

③推薦入試の受験方式の把握

 ①、➁を行うことができれば、次は推薦入試の受験方式の把握を行いましょう。こちらについても全国の高専によって様々ではありますが、面接のみの高専もあれば、小論文を作成する必要がある高専、また、学力入試のようにテスト形式で各科目への理解度を図る高専もあり、これらが複合されているケースも多くあります。自分の志望高専において、推薦入試の受験方式がどのような内容なのかをきっちりと把握して、この春からできる対策を行っていきましょう。

④学力入試の受験科目の把握、傾斜配点の把握

 全国の高専の学力入試は、ほとんどの高専では国語・数学・理科・英語・社会の5科目が受験科目となっていますが、一部の高専では社会を除いた4科目、また理科・社会を除いた3科目が受験科目となっている高専もございます。 
 また、高専は主に理系科目(数学、理科、英語)を重要視する傾向にあります。5科目の試験であったとしても、理系科目の点数に、×1.5倍、あるいは×2.0倍がなされて、成績などを加味した調査書と併せた総合点で判断される場合が多くあります。入試本番で、理系科目を十分に得点できないと、たとえ文系科目(国語、社会)で高得点が出ていても、不利になる場合が大いにあります。

自らの立ち位置を知る!

成績評定の立ち位置を知る

 高専入試の概要を知ることができれば、次に行うべきことは自らの立ち位置を知ることです。

先ほどまでの内容の中で、推薦入試を受験するためには一定基準の評定以上でなければならないと述べましたが、その基準評定に対して今の自分の評定がどの立ち位置にいるのか(推薦条件を満たしているのか、そうでないのか)を把握しましょう。足りていないそこのあなた、諦めるのはまだ早いです。2年生の学年末テストや、3年生の1、2学期で挽回するチャンスが残っているため、残された期間で必要な評定を考え、より一層、高い成績をとれるようにするための努力をしましょう。

過去問を一度解いてみる

 高専入試への準備として、成績の立ち位置を知るだけにとどまらず、学力の立ち位置を知ることも大切です。良い点数を取ろうとしなくて構わないので、一度高専入試過去問を解き、このくらい難しいんだと把握し、頑張らなければならない、というモチベーションを駆り立てましょう!直近の志望高専の合格者最低点等を見て、今の自分との距離を把握してみるのも良いでしょう。

春からの勉強スケジュール

2年冬~春(2月~3月)

前項の「中3生になる前に今必ず知っておくべきこと」を必ず実行する

 とにかく、必ず前項の内容を実施するようにしてください。高専合格へ向けて、入試の情報と、自らの立ち位置をいち早く知ることは必須条件です。

学年末の成績がまだ出ていない人は、高い評定を取るための最大限の努力をする

 これまでの内容で分かる通り、成績は高ければ高いほど良いです(推薦入試の出願だけでなく、学力入試においても有利)。身近にある学年末テストで必ず良い点数を取り、普段の授業態度や課題提出をきっちりと行いましょう。実は、入試はもう既に始まっているのです。

とにかく、中3生の内容を先取って予習を進めていく。なるべく早く中3生の内容を網羅しきる

 高専入試の過去問題を解くと実感が湧くと思いますが、高専入試問題(特に数学)は、中3生の最後に学ぶ内容(相似、円周角、三平方の定理)が多く出題されます。とにかく、早めに中3生の内容を理解することが非常に重要なのです!とにかく、これまで学んできた内容の総復習と、中3生の予習を早急に行っていきましょう!

 塾生は、ナレッジスターのテキストを有効利用し、塾生以外の方も、3月末にある春期講習(中2生までの復習と、中3生の予習が短期間で行えます)の受講をお勧めいたします!

1学期期間(4月~7月)

1学期の評定平均を高くとれるよう、必死で取り組む。

 中3生の1学期は特に、成績が落ちる中学生が多くなる時期として知られています。特に数学については、因数分解や2次方程式など、これまでよりも一気に内容が難しくなる傾向にあり、高い評定が取りにくくなっております。そこで負けずに高い成績をとれるかがカギです。また、全国どの高専も推薦受験条件に中3生の成績がダイレクトに考慮されるため、頑張らない理由はありません!再度言いますが、受験は始まっていると思って1学期を過ごすべし!

とにかく予習を進めていく

 言葉の通りです。とにかく早く中3生の内容を網羅し、夏以降に応用問題にじっくり時間をかけていくためにも、この時期に予習をどんどん進めていきましょう!

夏(8月)までに

中3生で習う範囲全てを終わらせる。

 必ず、夏休みの期間中に、中3生で習う範囲を一通り網羅出来ている状態にしましょう!塾生は、勿論、普段の授業やカリキュラムの中で予習を進めていきますが、塾生でない方も、ナレッジスターの夏期講習を受講することで、夏休み中に中3生の内容の網羅ができるようになっています!しかし、早く対策できるに越したことはないので、夏期講習で、とは言わず、早期に中3生の内容の網羅を行いましょう!

これまでの内容の復習の徹底

 中3生の内容の網羅、すなわち予習を先々進めていくことも勿論重要ですが、これまで1、2年生で学んできた内容の復習を行うことも同様に非常に重要です。夏の段階では、教科を絞りすぎず、まんべんなくきっちりと復習を行うようにしましょう。特に、暗記系科目については、1、2年生の内容で暫く手を付けていない分野については、ほとんど忘れてしまっている、、、等という方も多くいると思います。とにかく教科書を開いてみて、忘れている単元は無いか、見直しましょう!きっと沢山見つかるはず、、

秋(9月~11月)

実践練習を重ねる

 夏までに中3生の内容の網羅を行うことができれば、9月以降にすべきことは、実践練習を重ねることです!過去問や模試を繰り返し行い、入試本番を意識した学習を進めていくことが大切です!

このフェイズ以降、応用問題についても積極的に演習し、解き方が難しい応用問題への耐性をつけていきましょう。

自らの立ち位置を知る

 模試などを通して、自らの立ち位置を知り、更に対策を進めていきましょう。気を付けてほしいことは、ここで志望高専に対して良い判定となったからといって気を抜くことの無いように、ということです。勿論、判定が思うようにいかなかった人も、判定が低かったからといってやる気をなくしている場合ではありません。模試は、自己分析をするための絶好のツールです。模試の結果に単に一喜一憂するのではなく、結果を分析し、自らの間違えが多い分野、忘れている分野等を明確に把握し、知識の補填に繋げていきましょう。

冬(12月~2月)

過去問演習を通じた本番対策と総仕上げ

 秋の期間で、模試や応用問題の演習を通じて力をつけた後は、過去問演習と総仕上げのフェーズに入ります。本番を意識した時間制限のある演習を行うとともに、全教科をまんべんなく復習し、直前に不安を残さないようにしましょう。

体調管理

勉強だけでなく、体調管理にも気を配りましょう。十分な睡眠やバランスの良い食事を心がけることで、本番での集中力を維持できます。

推薦入試対策(推薦受験者について)

 推薦入試の出願条件を満たすことができた人は、推薦入試の1~2か月前から、対策を入念に行いましょう。具体的には、面接対策や小論文、筆記試験対策です。こちらについては、高専毎に出題傾向が異なるため、高専のHPや、過去の推薦入試受験者から助言をもらうことがベストであると思います。またそれと同時に、ナレッジスターでは、推薦の面接対策講座等も開講しているので、そちらを受講することもお勧めです。

年間を通して

常に自己分析し続けることが重要

 これまで年間を通したやるべきことの流れについて解説しましたが、1番大切なことは常に自己分析をし続けることです。ここでいう自己分析とは、自分の苦手分野、得意分野の把握と、今何がわかっていて、何がわかっていないかを常に明確にするということです。与えられた塾の課題をやり、与えられたままに中3生の予習をして、模試を解いて、過去問を解いて、試験に臨む、、、それで合格出来るなら、みんなが合格できます。現実はそう甘くありません。大切なのは、与えられたもの+αの演習を行うこと。では、+αの演習はどのように行うのか。それが、自己分析を行う理由になります。自己分析をし、何が苦手か、何がわかっていないかを把握できていれば、+αの演習でやるべきことは明確になります。常に自分を見つめ、自己分析し続ける癖をつけるようにしましょう。

高専入試を成功するための心構え

計画的な学習の継続

 当たり前ですが、勉強は一日二日で結果が出るものではありません。毎日の積み重ね、そう、”継続”を大切にしましょう。1日やらない日ができると、その後はやらなくなってしまいがちです。明日やろうは馬鹿野郎、いつやるの?今でしょ!です!

自分を信じること

 受験勉強が辛い時期もありますが、「自分はやればできる」という気持ちを忘れずに。周囲のサポートを受けながら前向きに取り組むことが成功へのカギです。

「慢心は成長を妨げ、失敗を招く」

 この言葉は、特に、9月以降の高専模試で良い判定を取る人に送る言葉となるかもしれません。9月以降に送りたくないので、今のうちに新中3生には伝えておきます。慢心はいけません、絶対に、、。筆者も、高専時代沢山の学生を見てきましたが、慢心している人は皆、最後に痛い目を喰らっているように感じます💦

 仮に、勉強をしっかり頑張ったことで、今から約半年後、本記事で述べている春からのスケジュールよりも早く諸々の勉強を進められている、あるいは高専模試でS判定であったとしましょう。すると、自分は計画的にできているから大丈夫だと、たぶん受かるわ、、と、慢心してしまうかもしれません。ただし、油断は禁物!受かる人は、最後まで自分に厳しく、継続を続けます。合格発表で、自分の番号を確認するその時まで、一瞬たりとも油断をしないようにしましょう!ではずっとカリカリやれと、?そうとも言いません、勿論、適度な息抜きは重要です👍絶対(受かること)を確信するのではなく、絶対(受かること)を信じて最後まで頑張りましょう。

まとめ

 いかがだったでしょうか。この記事では、高専合格を目指す新中3生に向けて、中学3年生になる前に今必ず知っておくべきことについてと、春からどのようなスケジュールで勉強していけばよいのかということについて詳しく解説させていただきました。本記事には、新中3生が今すぐから取り組めることに関する情報についても多く記載したため、これを読んだそこのあなたは、今自分が何をすべきかが明確になっているはずです!ということで、この記事を閉じてすぐに、高専合格のためのはじめの第一歩を踏み出しましょう!

執筆者情報

[出身高専 学科] 奈良工業高専 本科 物質化学工学科 卒業、専攻科 物質創成工学専攻 修了
[氏名]   甲元蓮羽
[自己紹介] ナレッジスター塾講師。出身の奈良工業高専での専門分野は化学工学。現在は大阪大学大学院博士前期課程在学中で、工学と経営学のダブルディグリーで修士号取得のため、日々勉強中。趣味はラグビー観戦、特技は炭酸の一気飲み。

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