高専入学前に買うべきものと買わなくてよいものとは!?

はじめに

この春から高専に入学する中学生の皆さん、入学の準備は順調ですか?入学の際に必要なものはたくさんありますよね。。。本記事では、「何を買っておけばいいのか分からない…」「無駄なものを買って後悔したくない…」といった皆さんの悩みを解決するために、この春高専生になる中学生に向けて、高専生になる際に「買うべきもの」と「あると便利なもの」、「買わなくてもよいもの」について、詳しく解説させていただきます。
この記事を読んで、無駄のない準備を整え、快適な高専ライフを迎えましょう。

また、入学前に高専側から、「これから入学するにあたって、これを買ってください」という一覧表が渡されることがあります。基本的にまずは、その記載内容を優先していただきたいと思います。しかし、一覧表の中には、ぶっちゃけこれは買わなくても良いのではないか、というものもございます。コストカットできるものについても、出来る限り解説させていただきます!

最低限、買うべきもの

・関数電卓

 高専に入って一番の必須アイテムといっても過言ではないでしょう。こちらについては、学校で買うことをお勧めいたします。理由としては、結論から申し上げますと、関数電卓によってスペックが大きく異なるためです。同じ高専でも、学科毎に購入する関数電卓が異なります。これは、学科毎に関数電卓に求める機能が異なるためです。関数電卓は、定期テストなどの際に持ち込める場合も多く、ここで周りと関数電卓の機能面のスペック差がついてしまわないためにも、学科で最初に購入する関数電卓を使用しましょう。学科指定のものを買うことを推奨させていただきます。

・教科書

 続いて、教科書です。こちらは、言わずとも重要です。こちら、実は、安く買おうと思えば、メルカリなどで手に入る可能性も大いにあります。しかし、1年生の教科書購入は、学校で行うことをお勧めいたします。基本的に各高専では、入学手続きの際に併せて、教科書をまとめて購入できる機会があると思われます。新1年生は、購入すべき教科書が大量にあります。個々にメルカリなどで購入することで、これが無い、あれが無い、、となってしまい、後々の確認が面倒となることが予想されるため、1年時は学校でまとめて購入されることをお勧めいたします。

 2年生以降となれば、新たに購入する教材は、多くないため、学校の生協、あるいはメルカリ等で購入することも視野に入れるとよいでしょう。また、上級生とつながっていれば、上級生から教科書をもらえるかもしれません。

・体操着

 こちらも、学校指定のものがある高専の場合、マストアイテムなので、購入するようにしましょう。

・電子辞書(学校指定でなくていい!安いもので良い!)

 学校生協等でスペックの良い電子辞書を購入することを促されるものの、実は何でも大丈夫、、、それが、電子辞書です。基本的な使用用途としては、主に英語の授業において、予習としてや授業中に英単語を調べる際に用います。稀に、国語辞典として使うこともあります。しかしながら、基本的に携帯端末を持っている学生がほとんどの時代。授業中では勿論電子辞書を使用するかもしれませんが、授業の予習等、授業外の時間で単語を調べる際は、基本的にスマホで検索することができてしまいます。現在の電子辞書は、英語のアニメが見れる機能があるなど、様々な追加スペックがあり、優れているものも多くございますが、、、そこまで高スペックの電子辞書は一切必要ありません。筆者も、高専入学時に親から非常にスペックの高い電子辞書を購入していただきましたが、結局追加スペックをほぼ利用することなく、現在まで来ております。したがって、電子辞書は、最低限必要な機能(英和辞典、和英辞典、国語辞典機能)等がついている、安いものを購入しましょう!ただし、付与された高いスペックを使いこなす自信のある方は、高い電子辞書の購入もありかもしれません。

・学科毎に必要な服(基本的に学校指定)

 高専入学時の購入物で、「あ、遂に高専生になるんだ、、」と思うものランキング第一位がコレ。学科毎に様々な服がございますが、機械・電気系の学科であれば実習用作業着、化学系の学科であれば実験用白衣等を購入する必要があります。基本的には、学校で採寸を行い、購入することができるため、この形をとるのがベストです。

 入学前に購入する場合もございますが、基本的には入学後、実験や実習が始まる前の期間に、学内で採寸を行う機会が設けられ、全員まとめて同じものを購入します。

・学科毎に必要なもの(基本的に学校指定)

 こちらも上の項目と同様です。各学科によって、そろえるべき備品が異なります。製図用具や実験ゴーグル、安全靴等、こちらについても、基本的に学校指定のもので皆同時に購入されることをお勧めいたします。

あると便利なもの

・PC(学校推奨・生協のものでなくとも良い)

 高専生になったら欲しいもの、、それがPCですよね。結論から述べますと、PCは、高学年となれば必需品です。高専によっては、低学年の段階で購入が強制されているところもございます。もしその場合は、高専から提示される購入品一覧表に記載されているはずであるため、項目にPCの記載があるかどうかはしっかりと確認しておきましょう。

 また、必需品となってなくとも、欲しいと思う場合、ありますよね。買うなら、「自分の勉強したいことに合わせたPCを買うように」です。プログラミングの勉強や、学科によってはCADの使用等、これらの学習を行いたい際は、PCはむしろ必需品です。自分のしたい勉強に合わせて、低学年からの必要有無を判断しましょう。学校によっては貸し出し用PCがある場合もありますが、 個人のPCがあると圧倒的に便利です!
 コロナ禍をきっかけに、国立高等専門学校機構が、Microsoft社のOffice365アカウントを、全国の国立高専の全学生、全教員一人一人に付与しています。今もなおOffice365のTeams等のアプリを用いて映像授業が行われたり、授業資料のアップロードや、課題の提出等がなされることも多々ございます。こうした作業は、スマホやタブレット端末等でも可能ですが、PCの方が円滑に行えると思います。ただ、急ぐ必要はないので、入学後、自らの置かれた環境を踏まえて、やはり必要だと思うか、なくても普通にやっていけるか考えてから購入を判断しても良いと思います。
 あくまで、購入が強制されていない以上、低学年のうちのPCは、”あると便利”なものです。ただ、高学年となり、レポート数が多くPC作業でないとやっていられなくなる時期がいずれ来ます。必要になった時に、購入するように。「とりあえず使うかもだから、購入しておこう」、というのは非常に勿体の無いことなので、しないように気を付けましょう!

実際に購入されるとなった際は、以下のスペックは最低限あると良いでしょう。

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CPU:Core i5 以上 / Ryzen 5 以上

メモリ:16GB 以上(最低でも8GB)

ストレージ:SSD 512GB 以上

OS:Windows(Macはソフトの対応状況を確認)

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ちなみに、学生生協等で販売されているPCは、定価よりも高い場合がございます。ただ、物によります。安くなっている製品もございます。生協でとりあえず買おう、ではなく、最も安く買える方法を模索されることをお勧めいたします。

・リュック

 高専では A4サイズのノートやファイル を多く使います。両手が自由になる リュック が便利です。

購入の際の選び方のポイントは以下の通りです。

【選び方のポイント】

✅ 15インチのPCが入るサイズ

✅ 雨でも使える撥水加工

✅ 長時間背負っても疲れにくいもの

買わなくてもよいもの

・ハイスペックの電子辞書

 こちらは前項でお伝えしたとおりです。ほとんどの学生は、ハイスペックの電子辞書は必要ありません。英語検定の勉強ソフト等が入っているものもございますが、基本紙媒体で勉強する場合がほとんどです。

・20万円以上の高いPC

 高いPC、沢山ありますよね、、。基本的には、先ほど示したスペックのPCであれば、保証が付いていても20万円以内に収まります(筆者の学校用PC、最近買い換えましたが、CPU:Ryzen 7、メモリ:16GB、ストレージ:SSD 512GB、OS:Windows のスペックで、故障時の3年間の無償修理の保証代(2万円ほど)も併せて計13万円~14万円ほどでした(少し値切らせていただきました💦)。基本的に、高価なPCは今の段階では必要ありません。

・永続版Office付きのPC

 こちらも先ほど述べたように、特に国立高専では全学生に高専機構のOffice365のアカウントが作成され、Office365が利用できます。したがって、Officeアプリ(Word、Powerpoint、Excel、Teams、Outlook等)の使用目的が、高専5年間在籍中の、学校の課題やレポート作成等に限るのであれば、基本的には永続版Office付きのPCを買う必要はございません。ただし、オフラインで効果的に作業等が行いたい場合や、学校と関係の無いタスクでOfficeのアプリを用いる際は、永続版Office付きのPCがあると便利です。基本的には、先ほど示したスペックのPC(Windows)の場合、ほとんどが永続版Officeがついている場合が多いです。永続版Officeが必要であると判断した場合は、購入時に、永続版Officeがついているのかチェックしておきましょう。

・タブレット(ノートPCがあれば不要)

 「授業でタブレットが必要なのでは?」と考えるかもしれませんが、 タブレットよりもPCの方が圧倒的に使用頻度が高いです。レポート作成やプログラミングは PCでしかできない作業が多い ので、 まずはPCを優先的に準備 しましょう。

・スーツ(低学年のうちはほぼ不要)

 高専生でも 就活やインターンでスーツを着る機会はありますが、1年生のうちはほとんど使いません。学会発表や面接の機会が出てきた 3、4年生以降に買えばOK です。

・寮に持っていく過剰な生活用品(寮生向け)

 寮生活をする人は「いろいろ持っていかなきゃ!」と思うかもしれませんが、 寮には備え付けのものが多い です。以下は、持ち込み不要な物の例です。

【持ち込み不要なものの例】

❌ 大型の棚 → 収納スペースが決まっている

❌ たくさんの食器 → ほとんど食堂で食べる

❌ アイロン → 必要なら共同で使える場合も

まずは 最低限の荷物で入寮し、不足分を買い足すのがおすすめです!

各高専の寮によっても、大きく環境は異なると思われますので、詳しい設備・備品の有無は進学先の高専の寮の説明会を通じて、何があるか、何が無いかを明確にされたうえで、必需品をご購入いただきますよう、お願いいたします。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。今回は、高専生になる際に「買うべきもの」と「あると便利なもの」、「買わなくてもよいもの」について、解説させていただきました。お伝えしたかった事、それは、「とりあえず欲しいから」「なんとなく使いそうだから」買う、ではなく、「必要だと実際に感じてから」買うべし!
ということです。春からの夢の高専ライフに備えて、無駄のない準備を進めていきましょう!

執筆者情報

[出身高専 学科] 奈良工業高専 本科 物質化学工学科 卒業、専攻科 物質創成工学専攻 修了
[氏名]   甲元蓮羽
[自己紹介] ナレッジスター塾講師。出身の奈良工業高専での専門分野は化学工学。現在は大阪大学大学院博士前期課程在学中で、工学と経営学のダブルディグリーで修士号取得のため、日々勉強中。趣味はラグビー観戦、特技は炭酸の一気飲み。

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