高専はすぐに留年する、難しくてついていけないなどとあまりよい噂を聞かないですが、高専ではどのような勉強をしているか、定期試験対策や赤点を取ったらどうなるかなどを、現役仙台高専生が丁寧に解説します!
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高専の授業とテストの仕組み
多くの高専の授業では、1年生のときから授業一コマ90分と、大学と同様の授業時間になっています。中学校までは50分間の授業がほとんどであるため、90分の授業に慣れるには少し時間がかかるかもしれません。また、高校・高専に進学すると赤点という一定の点数を取らないと不合格となり進級できなくなります。中学校までは、どんなに低い点数をとっても進級はできてたのに…
高専の場合、赤点が60点未満と高めです。普通高校の場合、赤点が30〜40点がほとんどなので高専の合格ラインが高いと分かります。
60点以上取れなかった場合、すぐ進級できないと決まってしまうのでしょうか。
結論からいうとそんなことはありません。
ここでは、定期試験の乗り越え方などを詳しく説明します。
一般科目と専門科目
高専の場合、1・2年生の間は専門科目に加えて国語や英語、歴史など一般科目も多く学びます。しかし、3年生から徐々に自分が所属している学科の専門科目の割合が増えてきて4年生以上の高学年になると一般科目がかなり少なくなります。
また、専門科目は低学年時に勉強した基礎が土台となっていることが多くあるので、数学などの基礎ができてないと高学年になって躓いてしまう可能性があります。特に1年生のときは、基礎をしっかり身につけましょう。
高専の授業スピードは速い?
高専は低学年のうちから大学の内容を勉強します。
特に数学に関しては、2年生が終わるころには高校数学は学び終えていて大学数学を学び始めます。
17歳から大学の内容を勉強すると知って驚く方もいると思います。
そして18歳の高校3年生の年には、微分・積分に加えて微分方程式や偏微分などの内容も勉強します。偏微分や微分方程式などは大学1年生の時に勉強するので、高専生は1年先に勉強することになります。そうなるとどうしても、授業スピードは速くなってしまいます。割と浅く広く勉強するといった感じです。ですのでその都度復習は大事になってきます。
復習を怠らなければ、授業についていけないというのは滅多にありませんので安心して勉強しましょう!
高学年になっても必要となる大事な科目とは?
高専は理系の学校ですので、3年生以降の高学年になると数学の知識を使う専門科目が多くなってきます。例えば、電磁気学や材料物性、材料力学などの専門科目では2年生で学ぶ微分・積分の知識がかなり重要で、この知識が身についてないとかなり苦戦してしまいます。
また、数学に加えて、高専で大事になってくる科目は物理です。
学科にもよりますが物理は、2年生以降で学ぶ電気回路、電磁気学、物理化学、力学分野など多くの場面で登場します。また、物理は数学ともかなり密接な関係で、物理の問題を解く上で数学の知識も必要になることがよくあります。公式を覚えるのではなく、何度も問題を解いて、解き方を理解しましょう。公式の導き方を理解したらかなり強いですよ!数学、物理は何度も問題を解いて数をこなすにこしたことはありません。
数学と物理さえできてしまえば、様々な教科に応用がきくのでこの2教科の勉強を低学年のうちに頑張りましょう!
高専のテストはどれも難しい!?
ここまでの内容を読んだら、高専のテストは難しそうだと感じた方も多いと思います。
しかし、実際のところそこまで難しいというわけではありません。
だいたい、基礎知識が8〜9割問われて、残りの1〜2割が応用問題になっていることが多いです。
先生方は学生の敵ではなく進級してもらいたいと思っているので、およそ平均点が70〜80点になるように問題を作っています。ですのでコツコツ復習をして、知識が身についた状態で試験を受ければ赤点を取ることは滅多にないです。
高専での勉強は、日々の積み重ねの復習がかなり重要なポイントになるので抑えておいてください。ここは試験に出ないなとやまをはったり、テスト直前だけ勉強しても、あまり良い結果にならないことがあるので注意してください。赤点が60点未満だからと言ってそんなに恐れなくて大丈夫です。
高専は赤点取ったら即留年確定?
とはいっても、テストの問題が難しすぎてしまい、赤点を取ってしまうことはあります。僕もありました。その場合、単位を落とすことが確定してしまうのでしょうか…?
実際のところそんなことはなく、何らかの赤点救済処置を行ってくれるのがほとんどです。
どういう救済処置があるか見てみましょう!
① 課題点でカバーできる
1つ目は提出物や小テスト、発表などで何点かの課題点が得られている場合です。
担当の先生にもよりますが、試験だけで成績を付ける先生は少なく、大体課題点やレポート点、出欠点を設けている先生がいます。
成績を試験80%、課題点20%で成績をつけている先生の場合。
この成績のつけ方の場合、試験での点数×0.8+課題点ということになります。課題を全て完璧に提出していればその時点で20点もっていることになります。
例えば、課題をすべて提出していたけど試験の素点が50点だったとします。素点だけみれば赤点ですね…
しかし、この状態で成績をつけると
50点×0.8+20点となり、最終的な成績は60点で合格点になります!
このように課題点をしっかり取っていれば、万が一試験の出来が悪かったとしてもカバーすることができるので試験勉強だけでなく、課題にも力をいれて取り組みましょう!
大体、成績のつけ方は最初の授業で説明されると思いますが、webシラバスなどにも記載されているので試験前には確認しておくと良いです。 素点で60点以上取らなければダメという先生もいるのでそこも確認しておくと良いです。
僕の高専には、試験40%、課題・小テスト60%で評価をつける先生もいました。(笑)
② 再試験
赤点を取ると大体すぐに再試験が行われます。試験範囲は本試験とほぼ同じ範囲になっています。
再試験で60点以上取れば合格にするという仕組みです。再試験なので100点 取っても成績は60点です。低学年、特に1年生のときは何度も再試験を行ってくれる印象でした。
先生によっては、再試験は1回だけ、再試験は行わないという先生もいるのでその教科だけは絶対に落とさないようにしっかり勉強しましょう!
③ 1年間の試験の平均点で60点以上を超えれば合格
高専では、前期中間・期末試験、後期中間・期末試験の計4回の試験が行われます。中には前期末、後期末試験の2回で試験を実施する先生もいます。
例えば、前期中間試験で50点、前期期末試験で70点、後期中間試験で30点、後期期末試験で90点取ったとします。部分的にみれば赤点も含まれてますが、4回の試験の合計は240点であり、この時の平均点は60点となります。よって、この場合は最終成績は合格となり進級できるということになります。4回の試験の平均点が60点以上であれば合格ということです。
ただ、中には全ての試験で60点以上取らなければ合格にしないという先生もいるので事前に確認しましょう。
赤点を取った際には、勉強を頑張る意欲を先生方にアピールすることが大事です。
高専でのおススメ勉強方法3選!
① 高専の過去問を利用する
高専の定期試験で重要になってくるのが、過去問です。必ず数年分入手しましょう!
過去問の問題をそっくりそのまま出題してくる先生もいるくらいです。
過去問を解くと、出題傾向がよめることがあるので効率よく試験勉強を行うことができるため高得点が狙えます。しかし、過去問だけやっておけば高得点が取れるわけではありません。過去問と違う内容で問われたら、試験中、太刀打ちできなくなるので過去問は参考程度にし、自分でも教科書や問題集の問題で演習を行うとさらに高い点数を取ることに繋がります。
② 分からないことは先生に質問する!
分からない問題があったらとにかく先生に質問すると良いです。試験問題をつくる先生に直接聞くことで試験に関する情報を得ることができます。どの部分を重点的に勉強したらよいかを教えてくれるため、試験勉強はしやすくなります。
また、大体の先生は学生からの質問が大歓迎で、分からない問題などは分かるまで教えてくれます。ひとりで悩んでいて解決しないときに先生に聞くと一発で解決できるので先生に質問するのは本当におススメできます。はじめは、先生の教官室などに行くのに抵抗があると思いますがすぐ抵抗はなくなりますし、仲良くなると意外と楽しいものですよ。
③ 友達と一緒に勉強する!
何人かの友達と一緒に勉強するのもおススメです。
分からない問題などをお互いに教え合ったり、問題を出し合ったりして勉強するのは反復学習にもなるので非常に効果的です。
高専の勉強で困ったことがあったら
それでも高専に通っていると、学校での授業、定期試験のことで悩みが出てくると思います。
そんな時は、ひとりで悩まず一度高専卒の講師に相談してみてください。
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また、学校の勉強についていけない、定期試験のことで悩むことがあったら、定期試験コースがおススメです。
まとめ
本記事では高専の授業形態と赤点の仕組みについてご紹介しました。
- 高専数学は、普通高校に比べて授業スピードが速い。
- 赤点をとってもすぐ留年するというわけではない。
- 赤点をとっても、救済措置を取ってくれることがある。
- 赤点を取らないためにも過去問をうまく利用し、分からないことは先生に質問する。
ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースに在学。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしています。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。