
はじめに
2026年度を見据えて、高専の学科選びは考え方が変わります。入学時に学科を固定しないくくり募集が広がり、1年次は基礎を横断します。さらにAIや半導体を軸にしたデジタル×専門の学びが当たり前になります。留学や国際交流、起業家教育も強化されます。受験生は最初から一択にしぼらず、体験と情報で見極めましょう。保護者は学科名でなく、中身と支援体制を比べるのが近道です。
高専の「くくり募集」で学科は後から選ぶ
1年次は基礎を横断、2年次以降に配属する流れ
最近は入学時に学科を固定せず、1年次に数学・理科・情報などを横断で学ぶ学校が増えています。2年次(学校により3年次)からコース配属を行い、段階的に専門へ進みます。中学段階で無理に決めず、授業や実験で手ざわりを持って選べます。たとえば創造工学科の1学科制で、2年の後期に6コースへ配属する学校の例もあります(詳細は各校の募集要項を確認)。早押しの決断より、納得の配属を狙えるのが大きな利点です。
ただし、2年次以降にコース配属される場合、成績順でコースが決まっていくので自分が行きたいコースに行くためには日々の勉強の努力が必要となります。
ミスマッチを減らすためには?
入学後は、複数分野の実験・演習に積極参加し、レポートで得意と苦手を見分けましょう。配属の評価基準(成績・面談)を早めに確認しましょう。公開シラバスで必修と選択の比率、情報科目の位置づけも確認し、気になる分野はコース紹介などを聞きに行ったり先生と直接話したりすることがおススメです。迷いが残るなら、短期プロジェクトや学内コンテストで小さく試すのがおすすめです。
デジタル×専門:AIと半導体が学びの新しい軸
全学科で必須になる情報リテラシー
機械・電気・建築・化学でも、プログラムミングやシミュレーションは前提になりつつあります。データの扱い方、再現性の考え方、Pythonなどの基礎はどの学科でも武器になります。授業では「なぜこの手法なのか」を口に出して説明する習慣が重要です。情報が苦手でも、小さな自動化や表計算+スクリプトから始めれば大丈夫です。少しずつ触れて、作業を仕組み化する感覚を身につけましょう。
機械・電気・化学どの学科でも、プログラミングの授業を通してプログラミング言語やExcelの扱い方などを学びます。
「AIを作る情報系」「AIを使う他学科」の違い
情報系はアルゴリズムやデータ構造、機械学習の仕組みを作る側の学びが中心です。他学科は設計・計測・管理でAIを使う側として応用します。どちらも価値は等しく、役割が違うだけです。自分は課題を解く現場型か、道具を設計する基盤型かを意識すると、科目選択がきれいにつながります。半導体分野も注目で、装置・プロセス・設計の実習環境が整っている学校もあります。
グローバルと起業家教育が加速する理由
留学・国際交流を味方にする準備とコツ
高専では、英語の授業だけでなく、英語発表や短期留学、学内の留学生交流が身近になっています。海外に出られなくても、国際寮や混成チームで異文化にふれられます。まずはポスター発表や3分スピーチなどから挑戦すると良いでしょう。英語は完璧でなくてもかまいません。伝える姿勢が実力になります。
起業家精神とビジネスコンテストの活用法
起業家精神は、課題を見つけ、小さく形にして試す力です。
企画→試作→発表→改善の型を、学内外のビジネスコンテストで回すと伸びが早いです。起業するかどうかより、考え方の型が就職でも強みになります。失敗は安全な学びです。
活動の入口としてはロボコンも最適です!

学科選びの実践ステップとチェックリスト
カリキュラム・設備・外部連携の見方
学科名で決めず、カリキュラムと設備と外部連携を比べましょう。必修と選択の比率、情報科目の位置づけ、半導体関連設備や加工機の有無は重要です。企業との共同授業や大学との連携科目、卒研テーマの広さも確認しましょう。
ロボコン・部活で横断スキルを体験しよう
ロボコンや創作系の部では、機械・電気・制御・プログラムミングをまとめて体験できます。設計→加工→配線→検証まで流れで学べるため、適性が見えやすいです。締切がある大会は計画力も鍛えられます。
無料勉強相談って??
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まとめ:2026年度版・高専学科選びの答え
くくり募集によって、学科は入学後に決める時代になりつつあります。AI・半導体をはじめとしたデジタル基盤は、すべての学びの共通言語になります。留学と起業家教育は、技術を社会につなぐ架け橋です。受験は学科名より中身で比べ、在学中は横断の実践で軸を磨きましょう。コース紹介には積極的に参加し、後悔しない選択をしましょう!
Q&A(よくある質問)
Q1. くくり募集だと希望のコースに行けないことはありますか。
A1. 配属は成績や希望調査などの総合で決まります。そのため倍率が高い学科の場合、定員に入れないこともあります。早めに評価基準を確認し、必要な科目で評定を積み上げましょう。
Q2. 情報が苦手でもやっていけますか。
A2. 小さな自動化やデータ整理から始めれば大丈夫です。まずは授業を通して本格的に学びましょう。
Q3. 学科名と就職先はどれくらい直結しますか。
A3. 直結する例もありますが、装置産業などは機械系から素材企業へ進むなど横断も多いです。活動や成果物の見せ方が鍵になります。

ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースを卒業。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしていました。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。