
はじめに
高専を目指して勉強している中3のみなさん。
そして毎日見守っている保護者のみなさん。
「冬からでも高専の学力入試に間に合うのかな…?」
そんな不安を感じている方に向けて、今回は 500点満点中497点 を取った先輩の勉強法をもとに、冬の過ごし方と学力入試の勉強戦略を分かりやすく整理します。
- 12月の時点でどのくらい取れていれば安心なのか
- 過去問をどう使えば効率よく伸びるのか
- 英語・理科・数学を冬にどう仕上げるのか
- 推薦入試と学力入試のバランスをどう考えるか
といったポイントを、実例ベースでまとめました。
高専学力入試で497点を取った先輩の例
まずは、今回のモデルケースになっている先輩について簡単に紹介します。
この先輩(仮に「A先輩」と呼びます)は、高専の学力入試で 500点満点中497点 を取りました。
5教科で3点しか落としていないため、かなり特別なケースです。
ただ「すごい人」の話で終わらせてしまうのはもったいないです。
A先輩は、高専入学後も毎年入試問題を解き続けたり、高専模試の作問に関わったりしており、多くの受験生を見てきた立場 でもあります。
そのため、
- 「どのくらいの得点なら合格ラインと考えて良いか」
- 「冬のタイミングでどこまで仕上がっていると安心か」
といった “感覚値” も含めて、とても参考になる話が多いです。
この記事では、497点そのものを目指すというより、そこに至る考え方や勉強の組み立て方 を受験生目線でかみくだいて解説していきます。
12月時点の得点目安と合格ラインの考え方
旧先生の過去問の得点の流れをたどると、
- 夏〜9月ごろ:初めて過去問を解いて 400点前後
- 冬(12月ごろ):仕上げ直後に解き直して 450〜460点
というイメージだったそうです。
この時点で「どの学科でも合格できそう」と感じるくらいの手ごたえがありました。
一方で、A先輩は 360〜370点 を一つの合格ラインとして見ていました。
もちろん高専や学科によって基準は変わりますが、
12月の段階で過去問を本番通りに解いてみて、そのあたりの点数が安定して取れているなら、かなり合格に近い位置にいると考えて良いでしょう。
逆に、12月の時点で 300点前後 にとどまっている場合は、教科別の得点バランスや単元ごとの取りこぼしを細かくチェックし、残り期間で「どこから優先して伸ばすか」を決める必要があります。
冬の過ごし方と高専過去問の効率的な使い方
本番と同じ流れで「過去問の日」を作る
高専の過去問は、多くても5年分ほどしか入手できません。
A先輩は、この少ない過去問を「本番シミュレーション用の教材」としてとても大事に扱っていました。
具体的には、
- 1日をまるごと「過去問の日」にする
- 本番と同じ時間割・教科順・休憩時間で解く
- お昼休憩後の眠気も含めて、本番のコンディションを想定する
という形で取り組んでいました。
実際の入試でも、お昼をはさんだ後の科目で集中力が落ちることはよくあります。
あらかじめ「眠くなるタイミング」を体験しておくことで、当日も慌てずに試験に向かうことができます。
間違えた問題は「周辺知識」ごと徹底復習する
A先輩は、過去問を何周も何周も解く、という勉強はしていませんでした。
その代わり、1回目に解いたあとの復習を徹底する ことを意識していました。
- 間違えた問題をもう一度解き直す
- 解説を読み、「どこでつまずいたか」を言葉で説明できるようにする
- その問題だけでなく、関連する公式・用語・基本問題もセットで復習する
という流れです。
たとえば数学の関数問題でミスをしたなら、
- 関数の基本公式
- グラフの読み取り方
- 式変形のやり方
そこまで戻って確認するイメージです。
こうして「周辺知識」ごと固めていくことで、同じパターンの問題を落とすことがほとんどなくなります。
結果として、同じ年度の過去問を2回目に解いたときにはほぼ満点が取れるため、再び50分測って解き直す必要がなくなり、他の教材に時間を使えるようになります。
英語・理科・数学:冬からの具体的な勉強法
英語:長文読解で「速さ」と「語彙」を同時に鍛える
A先輩は、中1で英検3級、中2で英検2級を取得しており、かなり早い段階で文法を終わらせていました。そのうえで、冬の時期は 長文読解 を中心に勉強していました。
ポイントは次の通りです。
- 過去に使っていた長文問題集を引っ張り出して活用する
- 長文を解くとき、知らない単語や怪しい熟語には印をつけておく
- 後からまとめて単語の確認をする
長文は「なんとなくの雰囲気」で読めてしまうこともあります。
しかし、それだけでは語彙力が伸びず、初めて見る単語が多い問題で苦しくなってしまいます。
一文一文を丁寧に読み、分からない単語をそのまま放置しないこと。
これを続けることで、読解スピードと語彙力を同時に鍛えることができます。
理科:4分野の抜けを埋める問題集の選び方
理科は、物理・化学・生物・地学の4分野に分かれています。
A先輩は、どれか一つが極端に苦手というわけではなく、「どの分野も少しずつ抜けがある」状態でした。
そこで使っていたのが、難易度高めの問題集(いわゆるトップ校向けの「最高水準」レベル)です。
次のような使い方をしていました。
- 難問集を1冊決めて最初から順に解く
- 分からない問題に当たったら、そこで止まって周辺知識まで復習する
- 「答えだけ覚える」のではなく、「なぜその答えになるのか」を説明できるまで理解する
ただし、このレベルの問題集は、基礎〜標準の問題がほぼ解ける人向け です。
まだ学校のワークで不安な単元が多い段階では、
- 教科書・ワークで基礎固め
- 標準問題で「解けて当たり前」の範囲を広げる
- そのうえで難問集に挑戦
という順番で進める方が、結果的には効率が良くなります。
数学:80点→100点の壁を越えるための考え方
数学は、高専学力入試の中でも特に差がつきやすい科目です。
A先輩は数学が得意でしたが、それでも「80点から100点までの壁はとても高い」と話していました。その壁を越えるために意識していたことは、次のようなポイントです。
- 中1〜中2のうちに、中3の内容まで予習を進めていた
- 冬の時期は、難しめの問題集で「ひねった問題」に慣れることを重視
- 解けない問題で長く粘りすぎず、解説を読んで “考え方” を理解する
- 解法を理解したあと、自分の手で必ずもう一度解いてみる
また、計算ミスへの向き合い方も特徴的でした。
- 途中式をていねいに書き、どこで間違えたか追えるようにする
- 見直しのとき、別ルートの計算方法でもう一度やってみる
- 本当に理解不足なのに「計算ミスだ」と決めつけない
この「ミスを雑に扱わない姿勢」が、497点という結果につながっています。

冬の生活リズムと勉強時間の組み立て方
平日3時間+学校の自習時間をフル活用
冬になると、「毎日10時間ぐらい勉強しないといけないのでは…」と不安になる人もいます。
しかし、A先輩の平日の家での勉強時間は、基本的に 3時間程度 でした。
その代わりに意識していたのが、学校の自習時間の使い方 です。
- 部活を引退したあとは、授業の一部が自習時間になることが多い
- 周りが雑談している時間も、A先輩はしっかり受験勉強にあてていた
「家で長時間がんばる」だけでなく、学校と家を合わせた1日のトータル で勉強時間を考えていたのがポイントです。
休日は「勉強する日」と「休む日」をはっきり分ける
休日については、
- 勉強する日は 6〜8時間 勉強
- 休む日はしっかり休む
という、メリハリのあるスタイルでした。
ずっと気を張り続けると、どうしても途中で息切れしてしまいます。
あえて「今日はオフ」と決めてしまう日を作ることで、気持ちを切り替えやすくなります。
また、息抜きの工夫もとても現実的です。
- 睡眠は毎日8時間をキープ
- 見たいテレビ番組は録画しておき、やる気が落ちたタイミングで見る
- しんどいときは、社会の暗記や簡単な計算問題など「気楽に正解できる問題」に一度切り替える
- こうした小さな工夫が、冬の長い受験勉強を最後まで走り切るカギになります。
推薦入試と学力入試の「コスパ」をどう考えるか
推薦をあえて受けなかった判断
A先輩は、推薦入試をあえて受験しませんでした。
志望していた高専では、
- 募集40人に対して推薦枠が8人と、とても少なかった
- その少ない枠に向けて時間をかけるより、学力入試に集中した方が合格率が高いと判断
という理由から、推薦を受けずに学力入試一本に絞りました。
推薦入試は、合格すれば早く進路が決まり、大きな安心感につながります。
一方で、推薦枠が少ない学校や、評定基準が厳しい学校では、「時間をかけたのに合格率があまり上がらない」 ケースもあります。
自分の志望校の募集要項をよく読み、評定・内申や推薦枠の数を踏まえて、どこに時間を使うのが一番コスパが良いか考えることが大切です。
推薦対策に時間をかけすぎないための考え方
多くの受験生が陥りやすいのが、
「推薦が決まったから、しばらく学力の勉強はストップして推薦対策だけする」
という状態です。
推薦で合格できれば問題ありませんが、もし不合格だった場合、
その期間に学力対策を続けていた受験生に 一気に差をつけられてしまう ことになります。
おすすめの考え方は、
- 推薦対策は 必要な最低限のポイント に絞る
- 面接の基本マナー
- 志望動機の整理
- 小論文の型を数パターン練習する など
- そのうえで、学力入試の勉強は止めないというバランスです。
推薦入試の結果がどうであっても、最終的に合格を決めるのは自分の学力 です。
推薦対策も大事ですが、「やりすぎない」「学力対策を止めない」という意識を持っておきましょう。
冬期勉強の戦略:基礎固めと実践演習の組み合わせ
基礎→標準→高専レベルの3ステップ
497点という得点だけを見ると「別世界」に感じるかもしれません。
しかし、A先輩の話の本質はとてもシンプルです。
- 中学の教科書レベルの内容をできるだけ早く終わらせる
- 標準問題で「解けて当たり前」の状態を作る
- 過去問や難しめの問題で高専レベルの思考に慣れる
- 冬の時期から立て直したい人も、この流れは同じです。
- まだ基礎に穴が多い教科 → 教科書・ワーク・基本問題で土台づくり
- そこそこできている教科 → 過去問・予想問題・やや難しめの問題で実戦力アップ
といったように、教科ごとに今の段階 を確認して勉強内容を決めていくことが大切です。
冬期講習や高専特化教材の上手な使い方
動画の中では、ナレッジスターの冬期講習の話も出てきますが、ここでは一般化して「講習・教材の選び方」として考えてみます。
ポイントは、
- 「その講座・教材は、自分の勉強のどの部分を補ってくれるのか」をはっきりさせる
- 「基礎を高速で復習するためのもの」なのか
- 「高専形式の問題に慣れるためのもの」なのか
を意識して選ぶことです。
過去問だけでは、どうしても解ける年数が限られます。
高専向けに作られた教材を使うと、高専っぽい問題にたくさん触れられる というメリットがあります。
一方で、基礎が不十分な状態でいきなり高専レベルの問題ばかり解いてしまうと、復習する内容が膨大になり、かえって時間が足りなくなります。
「今は基礎を固める段階なのか」「実戦演習の段階なのか」を常に意識しながら、教材や講習を活用していきましょう。
無料勉強相談って??
「高専に行ってみたいけど、勉強についていけるか心配…」、「受験対策は何から始めればいいの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。そんな方のために、高専入試に特化した学習塾・ナレッジスターでは無料の勉強相談を実施しています。高専受験のプロである講師陣が、一人ひとりの状況に合わせてアドバイスしますので、安心してご相談ください。あなたもナレッジスターと一緒に、高専合格への一歩を踏み出してみませんか?きっと夢への道筋が見えてくるはずです!
まとめ:冬からでも高専合格は十分狙える
冬の時期は、「今からでは遅いのでは…」と不安になりやすいタイミングです。
しかし、497点を取った先輩の話から分かるのは、
- 基礎をできるだけ早めに終わらせること
- 過去問を本番シミュレーションとして大切に使うこと
- ミスをそのままにせず、「なぜ間違えたか」を徹底的に確認すること
- 自分に合った生活リズムと息抜きを大切にすること
このあたりの “当たり前のこと” を、冬にどれだけ本気で積み上げられるかが、合否を分けるということです。
全員が497点を目指す必要はありません。
多くの受験生にとっては、まず 360〜370点を安定して取れるレベル を目標にするのが現実的です。
そのために、今日からできることを一つずつ進めていきましょう。
高専学力入試の勉強法に関するQ&A
Q1. 12月の時点で何点くらい取れていれば安心ですか?
A. 高専や学科によって差はありますが、A先輩は「360〜370点くらい」を一つの目安にしていました。12月の段階で過去問を本番通りに解いてそのあたりの点数が出ていれば、合格圏にかなり近いと言えます。まだそこまで届いていない場合は、科目ごと・単元ごとの弱点を整理し、残りの期間で重点的に伸ばしていきましょう。
Q2. 過去問はいつ頃から始めれば良いですか?
A. A先輩は、夏〜9月ごろ に初めて過去問を1年分解きました。
そこで自分の現在地を確認し、冬にもう一度解いて点数の伸びをチェックしています。
初めて過去問に触れるタイミングとしては、
- 中3の夏〜秋ごろに1年分解いてみる
- 実力チェックと出題傾向の把握に使う
- といった使い方がおすすめです。
Q3. 数学が苦手でも冬から間に合いますか?
A. 数学が極端に苦手な場合、満点近くを狙うのは難しいですが、合格点に届くように伸ばすことは十分可能 です。
ポイントは、
- 中1〜中3の教科書レベルの問題で、「確実に解ける範囲」を広げる
- 高専でよく出る中3後半の内容(関数・図形の応用など)を優先して仕上げる
- 過去問で「落としてはいけない問題」と「難問」を見分ける感覚を養う
ことです。
まずは「基礎問題を確実に取り切る」ことを重視し、それができてから応用・難問に進むようにすると、冬からでもしっかり伸びていきます。
Q4. 推薦と学力、どちらを優先すべきでしょうか?
A. これは 志望校の推薦枠の大きさ や、自分の評定・内申 によって変わります。
- 推薦枠が多く、評定も十分に足りている → 推薦対策をしつつ、学力対策も継続
- 推薦枠が少ない、評定に不安がある → A先生のように「学力入試重視」の戦略も選択肢
どの場合でも共通して言えるのは、
「推薦対策に時間をかけすぎて、学力の勉強が止まってしまう状態」は避けるべき
ということです。学校や塾の先生とも相談しながら、自分にとって最もコスパの良いバランスを一緒に考えてみてください。

ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースを卒業。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしていました。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。










