これを見れば高専入学後も困らない!入学前の準備と勉強についていくコツを徹底解説!

1 高専の勉強が難しい理由

 皆さんは、高専を受験する前に「高専の勉強は難しいよ」という話を耳にしたことはありませんか?実際に、高専入学後の勉強に躓いてしまう人も少なくありません。そこで、なぜ高専の勉強が難しいと言われているのかを解説していきます。

高専独自のカリキュラム

 高専では、同年代の高校生とは違ったカリキュラムで授業が進むことになります。数学を例にとると、高校生は数学ⅠAやⅡB、Ⅲという科目名で各分野の内容を学んでいきますが、高専は各高専によって勉強する順番や、内容が変わっています。また、一般科目の授業だけでなく、専門科目の授業もあるため、その点でも普通高校とは異なったカリキュラムになっています。授業内容はWebシラバスで閲覧することができます。

表1 高専と普通高校のカリキュラム比較表(一般例)

学年高専(工学系)普通高校
1年基礎工学、工業数学、基礎物理普通科目(国数英理社)
2年材料力学、プログラミング基礎普通科目と選択科目
3年電気回路、情報通信技術文理選択が主流

専門性の高い授業

 各学科の分野について専門的に取り扱う授業が1年生から始まります。例えば、情報工学科ではプログラミングやネットワーク構築、機械工学科ではCADを使った設計や機械加工技術など、実践的な内容が多く含まれます。全国の高専には、主に以下のような学科があります。

それぞれの学科で、座学で理論を学び、実習で体験をすることでより実践的な学習をすることができます。

実験や実習・レポートの大変さ

実験や実習が多く取り入れられている高専では、それに伴ってレポートや課題が多く課されます。高専の実験や実習では、理論を実際に検証するプロセスを学びます。例えば、実際に回路を組み立てて測定し、その結果をもとにレポートを作成します。レポート提出期限は、試験期間と被ることもあるため計画的に進める必要があります。

実験実習の流れ(例)

  1. 実験準備(必要な理論の復習、予備知識の確認)
  2. 実験実施(データ収集、記録)
  3. レポート作成(考察や改善点の記載)

高専の勉強についていく方法

ここまで、高専の勉強が難しい理由を説明しましたが、どのようにしたら高専の勉強についていけるのでしょうか。入学後躓かないためにできることを解説します。

中学校の内容を復習する

高専で学ぶ多くの内容は、中学生で習う知識や公式などを使える前提であることがほとんどです。例えば、数学の方程式や式の展開・因数分解、理科のオームの法則、英語の英単語・熟語など多くの知識を必要とします。そのため、春休みの時間を使って中学で学習した知識の総復習をしておくとよいでしょう。

定期的な予習・復習をする

高専では授業の進度が早いため、予習と復習をセットで行うことが大切です。また、中学校と違い、授業の科目数も増え定期試験の負担が増すため、日頃の予習・復習が大切になっています。予習では、新しい概念に触れ、授業中にスムーズに理解できるようにします。復習では授業で学んだ内容を再確認し、問題集などを使用して演習を行い、知識を定着させます。

友人や先輩・先生に質問をする

高専の授業では、自分一人で解決できない難しい問題に直面することもあります。その際には、積極的に友人や先輩、先生に相談しましょう。特に高専では、寮生活で友人や先輩との距離が近いことや、先生と学生同士が仲が良い関係であることが多いため、相談しやすい環境が整っています。

効果的な質問のポイント

  1. どこまで理解できたか、具体的に「何がわからないか」を明確にする
  2. 教科書やノート、自分の解いた答案を用いて質問する
  3. 質問後はしっかりとメモを取る

ナレッジスターの入学準備講座

高専入試/高専生のための学習塾「ナレッジスター」では、数学や物理を事前に学ぶことができます。オンラインで受講可能なため、空いた時間を活用して効率的に準備をすることができます。

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高専でこんな人は危ない?ついていけなくなるNG習慣

高専で成功するためには、適切な学習習慣が重要です。ここでは、避けるべきNG習慣とその改善策を紹介します。

授業中に寝る・スマホを触る

授業中の集中力を欠く行動は、学習効果を大きく損ないます。高専では、ほとんどの学校でスマホの持ち込みが許可されているため、ついつい触りたくなります。しかし、授業内容が密度濃く進むため、一度の遅れが後々の学習に響きます。

改善策

  • 授業中はスマホをオフにする
  • 夜更かしを避け、規則正しい生活を心がける

1・2年生の基礎科目をおろそかにする

基礎科目をしっかり学んでおくことで、3年生以降の専門科目がスムーズに理解できます。例えば、数学の「微分積分」で習う内容はほとんどの専門科目に直結します。

基礎科目を学ぶ際のポイント

  • 例題を繰り返し解く
  • 苦手科目を見つけたら、早めに克服する

予習・復習をしない

高専では、授業の理解を深めるために、予習と復習が必須です。これを怠ると、積み重ねができないだけでなく、学習習慣が身につかずに苦労する可能性があります。

復習の習慣づけ

  • 帰宅後その日の授業内容を復習する
  • 定期的にノートを見直す

高専の授業に関するよくある質問

普通高校と高専の授業の違いは?

普通高校では文系・理系の選択を含む教養教育が中心ですが、高専では早い段階から専門分野を深く学ぶカリキュラムになっています。各学科ごとに特色ある専門科目が展開されています。

高専卒業後の進路は授業内容に関係する?

高専卒業後の進路は、授業内容と密接に関連することがあります。特に就職する場合、実験や実習で身につけた専門知識、実践経験がそのまま活用されることがあります。

高専の基礎科目って大事なの?

基礎科目は専門科目の理解を支える重要な部分です。数学や物理など、基礎がしっかりしていると専門科目をスムーズに理解する一助となります。

まとめー高専入学後スタートダッシュを切るためにー

高専での学びは挑戦的で充実していますが、その分それを身に着けるための努力も求められます。中学校の基礎をしっかりと復習し、予習・復習の習慣をつけることで、スムーズなスタートを切ることができます。ナレッジスターでは、高専入学前の「入学準備講座」や高専入学後の「高専定期試験対策コース」、大学編入の受験生には「大学編入対策コース」など多くのコースを展開しています。ぜひ、自分に合った入学前の準備をして、高専ライフを最大限楽しみましょう!

ライター情報

[出身高専 学科] 豊田工業高専 機械工学科 在学(25年3月卒業予定)
[氏名・ニックネーム] 伊藤弘樹
[自己紹介]
ナレッジスター塾講師。出身の豊田工業高専での専門分野は機械工学。現役高専生で現在5年生。趣味特技は弓道で、高専在学中に全国高専大会2度の団体優勝と1度の個人団体3位を経験。

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