全国の高専では、入学時に学科やコースが配属されたり、2年次・3年次からコース配属されたりします。コース・学科配属は希望通りになるのか、何を基準にしているかなどを紹介します。
また、配属されたあとにコース・学科を変更することは可能なのかどうかを詳しく紹介します!
そもそも学科・コースってなに?
高専に入学すると、1〜3年生の間に学科・コース配属というものが行われます。
これは普通高校にはないシステムで、機械システムコースや生物化学学科、建築学科など各専門分野に特化したクラスに分けられることです。普通高校でいう、理系と文系に分かれる文理選択のようなイメージです。
コース配属はいつ・どのように行われるの?
高専入学時に学科・コース希望が多くの高専でとられますが、その学科・コースに配属されるのが決まっているのでしょうか?
結論から言うと、入学時の希望の学科・コースで決まる高専もあれば、2年や3年次に配属される高専もあります。
1年次に配属
久留米高専や福島高専では、入学後すぐに学科・コース配属がされます。
つまり、入学後5年間はずっと同じクラスで、変わらないクラスメイトと過ごすということです。
受験時に選んだ学科・コースがそのまま反映されるので、受験時どの学科を志願するかはよく考える必要があります。入試の時点で配属が決定するため、入学後に定員オーバーの心配をする必要がありません。
2年次・3年次に配属
仙台高専や函館高専のように、1年次の間に志望する学科・コースを見極め、2年次以降に配属される高専もあります。そのため1年次は混合学級で、各専門知識の基礎を学ぶことになります。
1年かけて基礎科目を学び、じっくりやりたいことを見つけられるので、選択の融通が効くのがメリットです。
一方で、希望している学科・コースの人気が高く、定員オーバーになってしまうと、成績によっては、自分の希望通りにならないこともあり得ます。
学科・コース配属の仕組み
どのように配属されるかですが、私が在学している仙台高専の場合では、各定期試験の期間に学科・コース希望のアンケートがとられる形でした。希望は第一希望から第三希望までとられます。そして、成績表が送られてくるタイミングで、希望している学科・コースで自分が何位なのかが書かれた用紙も同封されて送られてきます。
アンケートをとられるのは計3回で、どの学科・コースが人気があるかについても把握できるため倍率に応じて学科・コースを変えることも可能です。そのため、最終的に大体の学科・コースでは人数が均等に振り分けられます。
どうしても自分が入りたい学科・コースでやりたいことがあると考えている人は、定期試験を頑張って成績を上げましょう!
学科・コース配属は、部活動やボランティア活動などの課外活動も評価点の一部となりますが、定期試験での成績が最も重要な要素となります。
学科・コース次第で、就職や進学の道が限られてしまうこともあるので自分の将来や今後の高専生活を見据え、よく考えて学科・コースの選択をしましょう!
誰でも希望通りの学科・コースに配属される?
前項でも説明しましたが、必ずしも第一希望の学科・コースに配属されるとは限りません。
学科・コース配属にはどうしても成績が絡んでしまうので、成績が低い人ほど倍率が高い学科・コースでは、はじかれてしまうこともあります。
もし希望の学科・コ-スの倍率が高かったらどうなる?
例えば、40人定員の学科・コースがあり、そこに50人の希望があったとします。その場合、おそらく6~7人は定員オーバーで入ることができなくなるでしょう。その場合、第二、第三希望の学科・コースに配属されることになります。高専は学年が上がるごとに授業内容も難しくなるため、中には留年する学生もいます。その分クラスの学生の人数が増えるため、定員オーバーしてしまい、希望者全員をとることができないんです。
私の高専にも、第一志望に入れず第二、第三希望のコースに配属された学生がいました。
そうならないためにも日々の勉強をしっかり取り組み、クラスの半分以上の順位をキープするようにしましょう!!
転学科や転コースはできる?いつするの?
転学科および転コースとは、学科・コースに配属された後に学科やコースを変えることです。
高専において転学科や転コースはできます。
しかし、転学科や転コースをするためには様々な厳しい条件があります。
転学科や転コースをするための条件とは?
①成績が良好でなければいけない
高専によりけりですが、転学科や転コースをするためには前提として成績上位でなければなりません。
具体的に何位以内と定めていない高専もありますが、明石高専のように、2年次の前期期末試験の成績が10位以内でないと、転学科や転コースができないという高専もあります。
②転学科・転コースのための試験を受けなければならない
成績だけでなく、学力試験や面接試験を設けている高専も多く存在します。
試験内容などは学校の先生に直接聞くのが一番良いと思います。
このように転学科・転コースをするまでにかなり多くのステップを踏む必要があり、それ相応の動機も必要ということが分かります。なかなか簡単ではないですね。
転学科や転コースをすることがタイミングとは?
タイミングに関しても、高専によりけりです。
一年次から二年次に進級するときが一般的ですが、二年次中までであれば転学科・転コースができる高専もあります。本格的に専門科目の授業が始まる3年次以降に転学科・転コースをするのはなかなか厳しいでしょう。
転学科・転コースを考えている学生は自分の高専がいつまで転学科・転コースができ、どのような手続きが必要なのかをチェックしてみてください!
転学科や転コースのメリット・デメリット
メリット
- 自分がやりたいことを学ぶことができる。
- 勉強のモチベーションアップに繋がる。
- 今の環境が自分に合っていない場合、新しい学科やコースへの転向は学習意欲の向上に繋がる。
デメリット
- 転学科・転コースをするためには、ある程度の成績が必要である。
- 転学科・転コースをするためには、学力試験や面接などの段階を踏む必要がある。
- 転学科・転コースをするための枠が少ないため、簡単ではない。
- 転学科・転コース後は今まで学んできたことと異なることを勉強するため、転学科・転コース後の勉強がより大変になる可能性がある。
まとめ
本記事では、高専の学科配属の仕組みや、高専在学中に転学科・転コースが可能かどうかについて紹介しました。
- 高専の学科・コース配属は大体の高専では成績が良い人から順に希望の学科・コースに振り分けられる。 ※一年次から配属される場合は入試時に希望した学科やコースの通りに配属される。
- 転学科や転コースをすることはできるが、ある程度の成績が必要となり学力試験や面接が必要になる場合もある。
- 学科・コース配属や転学科・転コースにおいて、どちらもそれなりの成績が必要となる。
高専における学科やコース選択は、今後の人生にとって非常に重要になります。
あとから後悔しないためにも、よく考えて学科やコースを選びましょう!!
ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースに在学。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしています。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。