
はじめに
高専受験が近づくと、「子どもよりも親のほうがソワソワしてしまう…」という声を本当によく耳にします。
この記事では、久留米高専に推薦合格した現役高専1年生のお子さんを持つ保護者の方に、高専受験〜合格〜入学後までのリアルな体験を詳しく伺いました。
中学2年生からの勉強の始め方、校内推薦の乗り越え方、推薦対策講座や模擬面接で見えてきた課題、遠方受験の不安、そして寮生活が始まってからの親の関わり方まで。
これから高専受験を迎える保護者の方が、「わが家の場合はどう動けばいいか」をイメージしやすいように整理しています。
高専受験保護者インタビュー企画のねらい
高専入試まであと1か月を切るころ、多くのご家庭で「親だけが焦っている」状態になりがちです。
ライブ配信や個別相談でも、「子どもは落ち着いているのに、自分だけソワソワしてしまって…」というご相談をよく頂きます。
今回のインタビュー企画は、昨年度に高専受験を経験し、現在は久留米高専1年生のお子さんを持つ保護者の方に、「受験前に何で悩み、どのように動いたのか」を等身大で語っていただいたものです。
子どもが高専を目指したきっかけと親の本音
ものづくり好きが高専志望につながるまで
今回の出演いただいた方のお子さんは、小学生のころから自分でラジオを作るなど、手を動かしてものを作ることが大好きでした。家では高専ロボコンのテレビ放送を一緒に見ており、「自分もいつかあんな場所でロボットを動かしたい」という気持ちが早くから芽生えていたそうです。
中学生になると、高校進学を意識し始めるタイミングで、「普通高校で5年間かけて進むより、早く専門的な勉強をしたい」という本人の希望が強くなっていきました。
そこで、最寄りの高専である久留米高専や、近隣の高専の文化祭・オープンキャンパスに足を運び、実際の雰囲気を親子で確かめることから動き出しました。
オープンキャンパス・体験授業で変わった意識
転機となったのは、中学2年生で参加した久留米高専のオープンキャンパスです。
もともと機械系に興味があったお子さんですが、電気電子の体験授業を受けたことで「自分はこっちの分野で学びたい」と強く感じ、そこから勉強へのモチベーションが一気に高まりました。
保護者の方自身も、それまでは「高専」という名前を聞いたことがある程度で、具体的なイメージはなかったといいます。
しかし、実際にキャンパスを見学し、先生方から丁寧に説明を受ける中で、「ここはほとんど大学のような環境だ」「高校よりも専門に一直線で進める場所だ」と感じるようになり、不安よりも期待のほうが大きくなりました。
「この子の性格なら、普通高校よりも高専のほうがきっと合っている」と確信し、ご夫婦ともに全力で応援する方針が固まっていきました。
中2〜中3夏:高専受験勉強スタートと情報収集
地元塾とナレッジスターを組み合わせた学習
中学2年生からは、地元の個別指導塾で数学の授業を受けるようになりました。
ただ、その塾には高専受験の専門的なノウハウは少なく、「どのレベルまでやれば高専に届くのか」が見えづらかったことが大きな悩みだったといいます。
そんなとき、久留米高専のオープンキャンパスの帰りに、お子さんがナレッジスターのチラシを持ち帰ってきたことがターニングポイントになりました。保護者の方が「みんなの高専チャンネル」を見始め、高専入試の仕組みや評定の重要性、勉強の進め方などの情報を集めることで、「どの順番で何をやるべきか」が徐々に見えてきたそうです。
中3になると、夏期講習でナレッジスターの講座も受講し、「地元塾×オンライン講座×学校」の3本立てで受験準備を進めていきました。
中3夏までに中学内容を終わらせたスケジュール
勉強面で1つの目標になっていたのが、「中3の夏までに中学内容を一通り終わらせる」というラインです。ナレッジスターの動画内でも何度も「中3夏までに中学範囲を終わらせよう」と言われていたため、保護者の方も「ここが山場だ」と意識していました。
夏休みは、塾や講座のカリキュラムをフルに活用し、数学・理科・英語を中心に中3の内容を一気に進める形にしました。
結果的に、予定していた範囲は夏までに終わらせることができ、その後の高専模試や過去問演習にスムーズに移行できたと振り返っています。
中3秋〜冬:推薦準備と学力対策の両立
校内推薦と志望理由書の対策で感じた壁
中学3年生の秋になると、多くの中学校で三者面談や校内推薦の選考が始まります。
今回のご家庭でも、「高専推薦を受けるかどうか」というテーマが本格的に話題になりました。
大きな壁となったのが、校内推薦を勝ち取るための「志望理由書」です。
担任の先生はこれまでに何人か高専受験生を送り出した経験があり、「ここは絶対に校内で揉めるから覚悟してね」と事前に伝えてくれていました。
実際に、志望理由書は2〜3回の書き直しを求められ、そのたびに「なぜ高専なのか」「なぜこの学科なのか」を親子で話し合い、言葉を練り直していきました。
この流れは大変ではありましたが、結果として「自分は高専で何を学び、将来どうしたいのか」を深く考えるきっかけにもなったといいます。
高専模試と過去問で実戦力をつけた方法
学力面では、秋以降もナレッジスターの高専模試の復習を中心に、個別塾と学校の先生のサポートを組み合わせて対策を続けました。
少人数の中学校だったこともあり、数学の先生が高専模試の問題を一緒に解説してくれるなど、学校からも手厚い支援がありました。
過去問については、「あまり早くからやりすぎない」という方針で、推薦対策が始まる冬前後から本格的に取り組み始めました。
「模試→復習→弱点補強→過去問」という流れを繰り返したことで、高専特有の問題形式にも徐々に慣れていったそうです。
推薦対策講座と模擬面接から得た学び
初対面の面接官だからこそ見えた課題
推薦入試対策で、保護者の方が特に重視していたのが「模擬面接」です。
学校の先生との練習だけでは、どうしても顔見知り相手の安心感があり、本番レベルの緊張感が出にくいと感じていました。
そこで利用したのが、ナレッジスターの冬期講習に含まれる推薦対策コースです。
初対面の先生との模擬面接では、それまで比較的よく話せていたお子さんが、緊張のあまり思うように答えられず、「ボロボロだった」と感じたほどでした。
しかし、その経験こそが最大の収穫でした。
「初めて会う面接官の前で、自分の言葉で話す難しさ」を本番前に痛感できたことで、その後の志望理由や自己PRの練り直しにも一層力が入るようになったといいます。
講座で配布された面接質問集や、講師の先生自身の経験談も大きなヒントとなり、実際の面接での受け答えにも活かされました。
推薦と学力を同時に進めるときの注意点
一方で、推薦対策と学力対策を同時に進めることは、子どもにとって大きな負担にもなります。
志望理由書の書き直し、面接練習、定期テストや評定対策に加え、学力入試用の勉強も継続していかなければならないからです。
今回のお子さんも、「もう推薦なんて受けなければよかった」とこぼすほど追い込まれた時期があったといいます。
それでも保護者の方は、「推薦は受かればラッキー。学力入試が本番」というスタンスを崩さず、合否に一喜一憂しすぎないよう意識していました。

遠方受験と合格発表までの1週間の過ごし方
鹿児島から久留米高専へ一人で向かった受験当日
推薦入試当日は、鹿児島から久留米高専まで、お子さんが新幹線で一人で向かうことになりました。
もともと電車が好きで乗り換えにも慣れていたため、大きなトラブルなく会場まで到着できたそうです。
久留米高専では、基礎的な内容を中心とした数学の筆記試験と面接が行われました。
筆記試験は時間内にしっかり解ききれた手応えがあり、面接では志望動機や入学後に頑張りたいことを自分の言葉で伝えられたと感じていたようです。
面接の最後には、「入学してから一生懸命勉強します」というシンプルながら強い意思表示もできました。受験を終えて帰宅したお子さんは、「やるべきことはやりきった」という感想を口にしており、親としてもその姿勢に安心できたと話してくれました。
合格通知が届いた瞬間の親子の気持ち
推薦入試の合否は郵送で届きました。
結果が届くまでの約1週間、保護者の方は郵便配達のバイク音が聞こえるたびに心臓がドキドキするほど緊張していたそうです。
ついに封筒が届き、家族3人で開封した瞬間、「合格」の文字を見て思わず歓声が上がりました。
お子さんには「よく頑張ったな」と声をかけ、ご夫婦含めて「自分たちも一緒に受験を走り切った」という達成感でいっぱいになったといいます。
同時に、万が一に備えて検討していた二次募集や他高専の選択肢を使わずに済んだことへの安堵感も大きかったそうです。
合格後〜入学まで:勉強・お金・手続きの準備
高専入学準備講座で数学を予習した理由
推薦合格が決まった後も、「何もしないまま4月を迎えるのは不安だった」と保護者の方は振り返ります。そこで利用したのが、高専1年生の数学・物理を先取りできる「高専入学準備講座」でした。
お子さんは春休みの期間、この講座を使って高専数学の予習を進め、「入学後の授業についていけるかもしれない」という手応えを少しずつ感じられるようになったと言います。
講座の中では、先生の裏話や高専生活の様子も聞くことができ、「高専での学び」のイメージがより具体的になりました。
県外寮生活に向けた手続きと持ち物のポイント
一方で、県外の高専寮に入る場合、保護者側の事務手続きは想像以上に大変です。
高校授業料の就学支援金や医療費の助成制度など、自治体をまたぐ場合は申請方法が複雑になり、必要書類の準備にも時間がかかりました。
また、寮生活に必要な衣類・寝具・日用品・学習道具などを一つずつそろえる作業も大仕事です。
「どこまで持たせるか」「現地で買うものは何か」を一覧にして整理しながら進めることで、入寮当日のバタバタを減らせたと話してくれました。
入学後の高専寮生活と親の関わり方
寮生活・友人関係・成績のリアル
入学後、お子さんは寮生活をスタートさせました。
ルームメイトともすぐに打ち解け、休日も一緒に過ごすなど、友人関係も順調に築けているようです。
勉強面については、「特別上位というわけではないけれど、今のところ問題なくついていけている」と担任の先生から評価をもらっています。
高専祭のタイミングで実施された保護者面談では、先生から直接お子さんの日常の様子や授業態度を聞くことができ、「このままのペースで取り組めば大丈夫」という言葉に安心したそうです。
高専祭の保護者面談でわかったこと
高専祭を見に行くついでに行った保護者面談では、先生から「特に問題はなく、友人関係も良好」とのコメントがありました。
受験期のように毎日の勉強に細かく口を出す必要はなくなり、今は冬物の衣類や必要な荷物を送るなど、生活面のサポートが中心になっているといいます。
「帰りたい」といった相談もなく、むしろ学校生活を楽しんでいる様子が伝わってくるため、保護者としては「もう親の出番はだいぶ減ってきたな」と感じる場面も増えたそうです。
高専推薦入試と二次募集を親も理解しておこう
二次募集・県外高専も含めた進路の考え方
どうしても高専に行きたい場合、「二次募集」という選択肢も知っておきたいところです。
二次募集を行う高専は年度によって異なりますが、一般入試後にも追加で受験できる場合があり、県外高専・寮生活も含めて進路を検討するご家庭も少なくありません。
今回のご家庭でも、「もし久留米高専の推薦・学力でダメだった場合は、北海道など遠方の高専も視野に入れる」といったシナリオを、学校の先生と早めに共有していました。最悪のケースも想定したうえで、あらかじめ二次募集や他の高専について情報収集しておくと、「もしものとき」に慌てずに済みます。
先輩保護者から高専受験生の親へのメッセージ
親にできるサポートとNG行動の例
インタビューの最後に、「これから高専受験を迎える保護者の方へ、一番伝えたいことは何ですか?」と伺いました。返ってきた答えは、「ここまで来たら、親にできるのは背中を押すことと健康管理くらいです」という言葉でした。
成績が思うように伸びないとき、保護者はつい焦ってしまい、感情的に言葉を投げてしまうことがあります。
しかし、子どもにとっては「責められている」と感じてしまうケースも多く、逆効果になりがちです。叱るのではなく、「ここからまだ挽回できるよ」「一緒に作戦を考えよう」と寄り添う姿勢が大切だと、今回の保護者の方は強調していました。
情報収集を「行動」に変えるためのヒント
もう1つのポイントは、「情報収集だけで満足しないこと」です。
YouTubeやブログで多くの情報を集めることは大切ですが、それを具体的な行動に落とし込まなければ、状況は変わりません。
たとえば、
- いつまでにどの範囲を終わらせるか
- どの模試を受けて、どう復習するか
- 二次募集まで含めてどのルートを検討するか
といった内容を親子で紙に書き出してみるのがおすすめです。
今回のご家庭のように、「最悪のケースも含めて、学校の先生と早めに共有しておく」ことも、心の余裕につながります。
無料勉強相談って??
「高専に行ってみたいけど、勉強についていけるか心配…」、「受験対策は何から始めればいいの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。そんな方のために、高専入試に特化した学習塾・ナレッジスターでは無料の勉強相談を実施しています。高専受験のプロである講師陣が、一人ひとりの状況に合わせてアドバイスしますので、安心してご相談ください。あなたもナレッジスターと一緒に、高専合格への一歩を踏み出してみませんか?きっと夢への道筋が見えてくるはずです!
まとめ:高専受験は親子で走り切る長距離戦
高専受験は、志望校が決まってから合格・入学・寮生活スタートまで、1年以上にわたる長いプロセスです。これから高専受験を迎えるご家庭にとって、本記事が少しでも不安をやわらげ、「じゃあ、うちはまず何をしようか」と一歩踏み出すきっかけになればうれしいです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高専を目指すなら、勉強はいつから始めるべきですか?
A. 早ければ早いほど有利ですが、目安としては「中2の終わり〜中3の春」に本格的な受験勉強を始めるご家庭が多いです。中3夏までに中学範囲を一通り終わらせておくと、その後は高専模試や過去問演習に時間を割けるようになります。
Q2. 推薦入試と学力入試、どちらを重視したほうがいいですか?
A. 本記事のご家庭のように、「推薦は受かればラッキー。学力入試が本番」というスタンスがおすすめです。推薦対策は最低限にとどめつつ、学力入試で確実に戦える実力をつける方針が、長い目で見ると安全です。
Q3. 推薦に落ちたとき、子どもが落ち込んでしまいそうで心配です。
A. 推薦の合否に一喜一憂しすぎないよう、受験前から「推薦はチャンスが1回増えるだけ」というスタンスを共有しておくことが大切です。
不合格だった場合も、「ここから学力入試で巻き返そう」「二次募集という選択肢もあるよ」と、次の一手を一緒に考えてあげると前を向きやすくなります。
Q4. 県外高専・寮生活は不安ですが、大丈夫でしょうか?
A. 不安はあって当然ですが、寮生活は自立心やコミュニケーション力を育てる良い環境でもあります。事前に寮生活の記事や先輩の体験談を読み、持ち物や生活リズムのイメージを共有しておくと、親子ともに安心して新生活を迎えやすくなります。

ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースを卒業。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしていました。
趣味は野球観戦。
楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。










