子供が高専に行きたいと言い出した!保護者はどうしたらいい? 

お子さんを応援したい気持ちはあるものの、高専と聞いてもあまりピンとこないはず。
高専入試は普通高校の入試と異なる点が多く、漠然とした不安も多いですよね。
本記事では、そんな保護者様に向けて、お子さんの受験をどのように支えていったらいいか、また、保護者様に注意していただきたいことなどを紹介します!

そもそも高専を知らない保護者様に知ってほしいこと

まずはじめに、高専について簡単に紹介します。
高専は、中学校卒業後入学する5年間の高等専門学校です。
高校と普通高校の違いについては、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひご一読ください!

高専とは?高校や専門学校との違い、メリット/デメリットを解説! (know-star.com)

高専入試の仕組みと特徴

高専入試の試験は、推薦入試、一般入試の2つに分けられます。

推薦入試

推薦入試は、各高専が定める基準を満たしている人のみ受験できる入試のことで、1月初旬に推薦入試が行われます。試験日や、試験内容は高専によって異なります。
試験内容は作文(小論文)、面接(口頭試問を設ける高専あり)の場合が多いです。

一般入試

一般入試の場合、国立の高専は、全国で同日に入試が実施されます。入試は例年2月の中旬ごろ(毎年2月の第二日曜)に実施されます。
試験科目は、国語、数学、理科、社会、英語の5科目ですが、高専は理系に特化した学校なので、理数科目の難易度はかなり高めです。数学の得点だけ200点満点にするなどの、『傾斜配点』という制度をとっている高専もあります。また、解答用紙が記述式ではなく、マークシート方式になっています。
また、勘違いしている方も多いのですが、基本的に、高専は普通高校との併願が可能です。
もし普通高校と高専を迷っていても、日程的に、『まずは高専を受験し、ダメだったら普通高校を受験する』というスケジュールを取ることができるんです。
そのため、高専入試が進学リスクになることは、ほとんどの場合ありませんので、安心してお子さんを応援してあげましょう!

より詳しく、高専入試の仕組みを紹介している記事もあるので、参考にしてみてください!

高専入試の仕組みを簡単に解説してみた | 高専入試/高専/大学編入のための高専塾ナレッジスター (know-star.com)

高専入試の二次募集について

高専は、一般的に入試の倍率が1.5〜2.0倍程度ですが、一部の高専では二次募集を行っています。
推薦入試、一般入試(学力入試)があり、さらに二次募集まで含めると、3回も高専に入学できるチャンスがあります。
どうしても高専に行きたいと考えている場合は、二次募集について必ずおさえておいてください。
ただし、二次募集では、第一志望以外の高専を受験することになる可能性が非常に高いため、もし受験する場合は、県外での寮生活なども視野に入れる必要が出てきます。
最悪の場合を想定し、「二次募集を受験するかどうか」「どこの高専であれば、受験 / 進学できそうか」をなるべく早い段階から、親子でしっかりと話し合っておくことが大切です。
また、受験する意思が固まったら、こちらも早い段階で学校の先生に、自分の受験スケジュールを伝えておきましょう。

受験に必要な書類を準備するのにも時間を要します。とにかく余裕をもって計画を立てましょう!

保護者様にしていただきたいこと5選

①募集要項を確認する

 各高専ごとに、『募集要項』という入試情報をまとめた冊子データをHPで公開しています。
募集要項には、入試日や受験科目、当日の持ち物など、入試に関することがすべて記載されているため、非常に重要です。高専入試は普通高校に比べて入試日や願書の提出期限などが早いため、なるべく早く、確認するようにしましょう!具体的な『傾斜配点』がかかる科目などについても記載がありますので、勉強の計画を立てるためにも、募集要項は必ず確認してください!

②お子さんが高専にどれほど入りたいかを確認する

 高専は、2年生のうちから大学数学を学んだり、専門科目や理系科目が多かったり、一コマの授業時間が90分と長かったりなど、普通高校と異なる部分が多くあります。残念ながら、高専の雰囲気や授業に合わないことで、高専を辞めてしまう学生も一定数います。そのため、ミスマッチを防ぐためにも、お子さんが高専で何をしたいか、将来なにをしたいかなどはしっかり確認しておきましょう。

その際は、親子で『高専では何を学べるか』や『どんな学校なのか』などを一緒に調べてみるのもいいですね。

③高専に行ってみる

 先ほど、高専について調べることを紹介しましたが、それだけではなく、学校の雰囲気を知るためにも、一度高専に行ってみることをおススメします!高専に行く機会としては、オープンキャンパスや高専祭が挙げられます。オープンキャンパスや高専祭では、実際に在学生や教員の方のお話を聞くことができたり、模擬授業を受けたりすることができます。実際に雰囲気を肌で感じることにより、自分が高専に合うか合わないかが分かるきっかけになるはずです。
オープンキャンパスや高専祭の他にも、学校訪問やイベントなどで高専に行くことができるので、志望高専のHPでチェックしましょう!
オープンキャンパスは、7月から8月の夏休み期間中に、高専祭は秋ごろに開催されることが多いです。また、学校訪問は時期に関係なく、問い合わせをすればいつでも引き受けてくれるはずです!

④思いやりのあるお声がけ

受験シーズンになると、受験生はどうしても勉強のストレスからピリついてしまいます。
そうなると、普段は問題なくても、変わってくることも多くあります。
そんな中で、勉強を催促する一言や、むやみに口出しをするのは逆効果になりがちです。
『気を付けていただきたいこと6選』でもお伝えしますが、「勉強しなきゃいけない」「頑張らないといけない」ことは、お子さんはきっと頭では十分わかっています。
ある程度はお子さんを信頼して、ぜひ「お父さんお母さんは味方なんだ」「応援してくれている」とお子さんが感じるような声をかけてあげましょう。受験勉強を頑張れる原動力にもなるはずです!

⑤体調面のサポート

 なにはともあれ、体調面の管理が入試において非常に大切になります。入試日は主に2月、風邪が流行る時期なので、いつ体調を崩してしまってもおかしくありません。
いくら入試の準備が整っていたとしても、入試当日に体調が万全でなければ本領を発揮することはできません。体調面を万全にするためにも、日々の食生活や睡眠がとても重要です。

ぜひ保護者様は、お子さんが正しいリズムで健康的な生活を送れるよう、サポートしてあげましょう!

保護者様に気を付けていただきたいこと6選!

①お子様に過干渉すること

 まず過干渉がどのようなことかですが、端的にいうと「親が子離れできていない状態」です。
大事なお子さんなので、幸せな道を歩んでほしいが故、お子さんに対し色々言いたい気持ちは非常に分かります。ただ、中学生は思春期真っ只中でもあり、親から離れて自分で悩み、自分で独り立ちして行く時期です。保護者様が子離れできていないと、どうしても衝突が起こってしまいます。決して関わるなという意味ではありません。
お子様に任せる部分は任せて、信じるところは信じて、なるべく外から見守るようにしてみてください。
高専受験は、自ら計画して実行する自主性を育成する機会でもあります。
保護者様は、『子供を変える』のではなく、『子供を取り巻く環境を変える』ようにしていくことが大切です。
そのため、保護者様は、お子さんに対して「勉強しなさい」などの口出しは極力しない方がよいです。高専受験を考えている受験生が、「勉強をしなくていい」と思っているはずはありません。
なかなか勉強しないお子さんを見て、不安に思う気持ちはもちろんわかりますが、言いすぎるのは必ず逆効果になります。

②受験に対して過度に心配してしまうこと

 大体の保護者様は、高校受験ではじめて、お子さんの受験を経験すると思います。受験は、人生の分岐点でもあり将来に繋がるため、言うまでもなく非常に大切です。しかし、保護者が受験に対し過度に心配してしまうと、むしろお子さんに悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
受験にあたり、一番の不安を抱えているのは保護者様ではなく、受験をするお子さんです。
保護者様の受験に対しての不安を、子供に沢山言ってしまうと、それは次第にお子さんのプレッシャーになり、ストレスになっていきます。なるべくプレッシャーを与えず、集中して勉強できる環境を作ってあげることが大切です。また、保護者様が過度に心配すると、その心配はお子さんにも伝播します。「このままではだめではないか」「自分は入試に失敗する」など、どんどん悪い方へ進んでしまいます。不安や心配の言葉から子供を励ます言葉に変えていきましょう!!

③親の価値観を子供に押し付るのは避ける

 受験期における保護者様の一番の役割は、子供の価値観を尊重し、受験に関する情報提供と、相談相手として支援することです。「高専にいってこの大学・企業にいくべき」「絶対この学科にいきなさい」など強制するようなことをしてはいけません。
考えを押し付けたり、強制したりすると、お子さんの才能をつぶしてしまうことにもなりかねません。
お子さんが自分で考え、悩み、決断する過程を温かく見守り、ときには寄り添ったアドバイスをしてあげることで、よりよい進路選択に繋がります。

④兄弟や友達と比較するのを避ける

 受験期間において、お子さんと誰かを比較するのもよくありません。
「お兄ちゃんはあんなにできたのに…」「~君にはできて、なんであなたはできないの。」などの言葉は禁句です。そのような言葉は、子供を責めるだけで、良い方向に進むことはまずありません。
言われた子供は「自分はなにもできない」と考えてしまい、かえって逆効果となってしまいます。

⑤入試に対して無関心すぎる

 受験に対して、親が子供に言いすぎるのはよくありませんが、受験に対して無関心すぎるのもよくありません。子供が一人で悩んでいるとき、一番の支えになるのは保護者様です。的確なアドバイスをするためにも、一緒に高専のことを知ったり、話しを聞いてあげたりしてください。話を聞いてもらうだけでも、気持ちはだいぶ楽になるものです。

⑥努力やその成果を否定しない

 受験前は、学校の試験や模試を受験することがあると思います。
常に良い成績をとっておくのが理想的ですが、ときには思い通りに結果にならないこともあるでしょう。その際、保護者様は決して子供を責めないようにしてください。
試験結果がよくなかったにしても「自分でよいと思った勉強方法が結果的に良くなかった」、「その日の調子がよくなかった」など様々な要因が考えられます。そうなった際、今後どのように対策するかを、ぜひ保護者様とお子様が一緒になって悩み、解決策を見つけていってほしいです。
結果に対し責めるのではなく、「次はこうしてはどうか?」とアドバイスをし、最終的にはお子様自身で決めさせるような環境作りを意識してみてください!

親と子供の受験の乗り越え方!~実体験エピソード~

 5年前ではありますが、私が高専受験を乗り越えたエピソードをご紹介します。

私の場合、高専に興味を持ち始めたのが中学1年の時で、高専受験を決めたのは中学2年の春頃でした。
もともと理科が好きで、化学や生物の勉強をしたいなと思い高専受験をすることにしました。
高専は普通高校に比べて、勉強のカリキュラムや学校の雰囲気が違うということを、当時の担任から聞いていたので、高専祭のタイミングで高専に行くことにしました。仙台高専の場合、広瀬キャンパスと名取キャンパスの2キャンパスがあるのですが、両方行きました。 
同じ仙台高専であっても、雰囲気は全くの別物でした。やはり学校に足を運ぶのは大切だなと感じたのを覚えています。また、オープンキャンパスにも行き、模擬授業も受けました。実験やカリキュラムに惹かれたのも、高専受験を決めたきっかけの一つです。
高専祭やオープンキャンパスは、父親が行ってみるように計画してくれたのがきっかけでした。
その他にも、高専が主催して行っていたジュニアドクター育成塾の情報を教えてくれたりと、高専と関わる環境づくりをしてくれました。
 他の受験生よりも多く、高専の先生や学生と触れ合うきっかけを作ってくれたので、推薦入試の面接時には話すエピソードが多く、非常にためになったと感じました。
 私の場合、推薦で高専に入学したのですが、推薦入試を受験できる基準のギリギリだったため、勉強面においては何度も両親から「その勉強方法でいいのか?」や「数学に力を入れなさい」など言われました。もちろん、勉強のやりすぎや夜遅くまでの勉強に対する心配の声掛けもありました。
ただ、「勉強やりなさい」などの勉強を強要する言葉が、受験期に気に障ったことは覚えています。
自分が正しいと思った勉強法が、定期試験や模試などで失敗することはよくあります。そこを責めるのではなく、今後どのように対策をとっていくかのアイデアを提供してあげるのがいいかなと思います。
受験日には、お弁当箱に両親からの応援メッセージが入っており、非常に心の支えになったのを覚えています。

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高専受験をする学生はひとつの中学校に数人と少なく、お子さんだけでなく保護者様も受験で不安になることが多いと思います。悩んだ際は一度、ナレッジスターの無料勉強相談を受講してみてください。
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まとめ

本記事では、高専受験をするお子様をもつ保護者様にむけて「やっていただきたいこと」、「気を付けていただきたいこと」を紹介しました。
高専受験は、保護者様だけでなく受験するお子さんが一番不安に感じています。
保護者様には、お子さんの不安を少しでも緩和できるような環境づくりを行っていただきたいと思います。お子さんに対して、真っ向から否定したり、過干渉したりするのではなく、一緒に悩み、アイデアを提供し、良い方向へステップアップしましょう!

ぜひ、親子の団結力で高専合格の切符を掴みとっていただきたいです!!

ライター情報

仙台高専マテリアル環境コースに在学。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしています。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。

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