高専の推薦入試の概要
まず、高専の推薦入試の特徴やどんなことを準備したらよいかを簡単に紹介します。
推薦入試の特徴
高専の推薦入試は、学力入試よりも早い時期に実施されます。
各高専によって異なりますが、多くの高専では1月中ごろに実施されます。
推薦入試の内容としては、面接 / 小論文 / 口頭試問 / 適性検査 / グループワーク などが挙げられます。もちろん、試験内容は高専ごとに異なるので、自分が受験する高専の募集要項で試験内容を確認しましょう。
また推薦の場合、一定の推薦基準が設けられています。それが中学校3年間における、平均評定です。推薦入試を受験するためには、9教科の平均評定が4.0〜4.2以上という推薦基準が定められています。
加えて、推薦入試は倍率が高いことが多いです。基本的に評定が高い順に、合格者が決まっていくので念頭に入れておきましょう。
中には、評定がギリギリでも合格した方もいるので、こちらの記事もおススメです!
推薦入試の心構え・準備
高専入試の推薦入試においては、「合格したらラッキー」という心構えでいることが非常に大切です!
なぜ、そのような考えでないといけないかというと、万が一推薦入試に不合格だった場合に一般入試に切り替えることが難しくなってしまうからです。推薦入試が終わってから、学力入試の勉強ができないのは致命的です。切り替えができずに勉強ができない間に、学力入試組は必死に勉強していて大きな差がついてしまうことになります。そのため、「合格したらラッキー」、「推薦入試受けられてラッキー」という軽い気持ちで受験すると良いです。
また、推薦入試の準備に時間をかけすぎるのも良くありません。
推薦入試の評価基準は大体の高専では評定、面接点、小論文、グループワークなどの課題点で決まります。
しかし、前項で説明したように推薦入試では評定による評価の割合が多く占めており、面接や小論文で逆転するのはかなり難しいです。平均評定が4.0の中学生が4.9の中学生を越すのは厳しいです。
推薦入試の対策は限られており、その中でいくら対策しても差を生み出すのは一般入試の対策に比べると微々たるものです。
そのため、推薦入試の対策は最低限におさえ、一般入試の対策に時間を費やすようにしましょう!
推薦入試の重要性
推薦入試は、「ほかの人よりも高専に入学できる機会が1回多い」程度に考えておくと良いでしょう。先ほど説明したように、推薦入試にすべてをかけて受験するのは、不合格だった時の代償が大きすぎます。
学力入試との違い
受験資格
推薦入試:各高専が定める基準を満たしていれば受験可能
一般入試:誰でも受験可能(推薦入試で不合格になった人も再度受験できます)
入試時期
推薦入試:1月中旬ごろ(各高専によって異なる)
一般入試:2月初旬ごろ(全国の国立高専が同日に受験)※令和7年度の場合、2/9が入試日
入試問題
推薦入試:各高専によって異なる
一般入試:全国の国立高専で共通の問題(評価割合だけ高専によって異なる)
学力入試の勉強も並行に!
推薦入試を受験する中学生は、必ず同時並行で一般入試の勉強を行いましょう!
推薦入試前の期間に勉強しないのは、まわりと大きな差が生まれてしまいます。
理系科目の数学や理科、差が付きやすい英語は毎日継続して勉強するようにしてください!
その積み重ねがまわりと差をつけることに繋がります!
推薦入試当日の流れ・気を付けること
この項では、推薦入試当日の流れについて紹介します!
受験前日は、夜遅くまで対策するのではなくなるべく早く寝るようにしましょう!
推薦入試前日に確認すべきこと
前日に確認することとして、大きく分けて7つあります。
①持ち物チェック
②当日の流れのチェック
③当日の天気を確認する
④受験会場までの道のりを確認する
⑤当日の緊急連絡先を確認する
⑥腕時計のアラーム機能を止める
⑦スマートフォンなどの携帯電話のマナーモードを設定する
当日の身だしなみ
中学校が制服の場合
自分の中学校が制服の場合、制服で行きましょう。
ワイシャツや学ランの第一ボタンもしっかり止めましょう。
中学校が私服の場合
自分の中学校が私服の場合、ラフな服装ではなく清潔感のある落ち着いた雰囲気の服装を心がけましょう。
また、当日の靴はなるべく汚れたものではなく、きれいめな清潔感のある靴を選びましょう。
当日の持ち物
必須の持ち物
受験票、学生証及び身分証明消、筆記用具、マスク、ハンカチ・ティッシュ、昼食・飲み物、腕時計、参考書など
あった方が良いも良いもの
風邪薬・下痢止め、その他の常備薬、ホッカイロ、メモ帳、公共交通機関の時刻表や路線図、折り畳み傘、小銭、携帯電話、チョコレート(糖分補給できるもの)
小論文の基本対策
小論文をどのように対策したらよいか分かりやすく簡潔に紹介します!
小論文で高得点を取ろうと考えている方は多いと思います。とても素晴らしい考え方ですが、小論文は減点方式で点数が決まるケースが多く、無理して専門用語を使って難しい表現をするのではなく、分かりやすく通じやすい内容で文章を書くことがミスを減らすのに効果的です。
小論文の出題内容
小論文の出題内容は各高専によって異なります。
多くの場合、工学系、時事問題、環境問題の配慮など様々な内容を組み合わせた内容で出題されます。クセのある出題をされることが多いです。あらかじめ念頭に置いておきましょう。
小論文の書き方のポイント
最低限抑えなければならないポイントは以下です。
- 出題内容のテーマに沿って文章を書けているか
- 原稿用紙の8割以上を書く
- 誤字脱字がないかどうか
- 句読点は1マス使う(文頭に句読点がくる際は例外)
小論文を書く際は、文章構成を意識しましょう。
推薦入試における小論文では、提出用の原稿用紙の他に下書き用の原稿用紙が配られる場合があります。下書き用の原稿用紙が配られた際は、ぜひ構成メモを書いてから本番用紙に書き出すようにしてください。序論、本論、結論の3つに分けて構成メモを作成することで、自分が一番何を伝えたいかを整理することができます。
本論で自分の主張を書く際に、それの根拠となる内容をいくつか用意しておくことで更に説得力が増します。
練習方法
小論文を書く際のポイントをいくつか紹介しましたが、いきなりそのポイントを抑えて文章を書くのはなかなか難しいと思います。多少の慣れが必要です。入試前の段階で過去に出題された内容で書き出してみましょう。一度文章を書くだけで小論文がどのようなものかが分かるはずです。
その後、書いた内容を学校の国語の先生、塾の先生などに添削してもらうと文章を書く能力がアップします。ぜひ、添削までしてもらいましょう!
また、国語の先生や理科の先生に問題を考えてもらって、その内容で文章を書くのもとてもよい経験になります!おススメです。
面接対策の基本
高専の推薦入試では、面接試験を実施する高専がほとんどです。
面接試験は、質疑応答によって受験者の能力や人格を深掘りするために実施されます。
面接試験は、「自分を知ってもらおう」という感覚で挑むと緊張が少しは緩和すると思います。
アドミッションポリシーの理解
推薦入試を受ける中学生は必ず、受験する高専のアドミッションポリシーをチェックしましょう!
アドミッションポリシーとは、その高専が求める学生像のことです。
自分がそのアドミッションポリシーに合っているのかを理解したうえで、話す内容を考えるとよいでしょう。
高専が求める学生像と真逆なことを言われても面接官側は、「え??」となってしまいます…
自己分析の重要性
自分の好きなことや得意なことを理解し、それをもとに将来の目標を明確にすることが面接の基本です。自己分析を通じて、面接での回答をポジティブに変換する能力が面接試験において重要です。
推薦入試前にその能力を養っておきましょう。
面接の受け答え方
基本的に、質問には短く端的に答え、その後に具体的な経験を交えて補足するようにしましょう。
はじめから、長い内容で答えてしまうと面接官も戸惑ってしまいます。
どんなこと聞かれるの?
大体の面接試験では、基本的な内容が8割~9割、残りの割合で特殊な質問がされるでしょう。
おおよそ面接試験の時間は10~15分です。
基本的な内容
- 志望理由
- 志望する学科・コースで何を学びたいか
- 受験会場まで何できたか
- 中学校では何を頑張ったか
- 最近気になったニュース
- 卒業後の進路について など
特殊な質問
- シラバスを確認したか ※シラバスとは授業のカリキュラム
- ものづくりの経験はありますか
- 自分が学びたいと思っている内容をどのように社会で役立てるか
- 最近の化学技術についてなにか興味があることはありますか など
面接のテクニック
面接試験のテクニックとしては、面接官にポジティブな印象を与えるということです。
当たり前ですが、自分が高専にどうしても入学したいという気持ちを伝えることが大切です。
面接官によい印象を与えるためにも、明るい表情で前向きな言葉遣いで受け答えするのが効果的です。
例えば、苦手科目について聞かれたとして、「理科の~の分野が苦手です。」と答えたとします。
その際に、「苦手だけど~の部分が好き」や「苦手を克服するために~の部分の勉強を頑張っている」などの肉付けの内容があるだけで大きく印象が違います。また、質問の内容を将来の目標に結び付けられるとさらに良いです。
面接官の興味を惹く内容で受け答えできるのがベストです!
推薦入試後の学習について
推薦入試が終わって結果がでるまで、1週間から10日ほど時間があります。
その期間、結果が出るまで落ち着かないと思います。
終わったことを気にしても仕方ないので、いち早く切り替えて一般入試の対策をしましょう!
結果が出るまでの期間に何もしないのは勿体なさすぎます。
その期間に勉強するかしないかで一般入試の合否を左右するくらいの貴重な時間です!
まとめ
本記事では、高専推薦入試の概要及び対策法について紹介しました。
高専の推薦入試は「合格したらラッキー」という心構えで臨みましょう!
推薦入試の対策と同時に一般入試の対策をすることが非常に重要です!
入試は誰もが緊張するものです。過度に緊張せずいつもの自分で推薦入試に挑んでください!応援しています!
ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースに在学。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしています。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。