高専 vs 普通高校 どっちを選ぶべき? 後悔しないための比較と私の実体験

はじめに -中学生の進路、大きな決断の時

高専か普通高校か、多くの人が悩むポイント

中学生の皆さん、そして保護者の皆様、こんにちは!

そろそろ本格的に考え始める高専・高校受験。人生の中でも、かなり大きな決断の時ですよね。「将来、どんなことをしたいか?」、「そのためには、どんな進路を選択するのが一番いいんだろう?」と考え始めると、選択肢の多さに迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

特に、「高専」という選択肢を知った時、「普通高校と何が違うの?」、「自分にはどっちが合っているんだろう?」と悩むケースは少なくありません。周りに高専に行った先輩がいなかったり、情報が少なかったりすると、なおさらですよね。もしかしたら、「専門的な勉強って難しそう…」「大学には行けないの?」なんて不安を感じている人もいるかもしれません。

この記事で伝えたいこと(比較+リアルな体験談)

この記事では、そんな皆さんの疑問や不安に答えるために、高専と普通高校の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリットまで、分かりやすく比較していきます。

それだけではありません!実際に私が高専生として生活している経験をもとに、「高専を選んで良かったこと・後悔したこと」といった、ネットだけでは分からないリアルな体験談もたっぷりお伝えします。

この記事を読み終える頃には、「自分はこっちのタイプかも!」、「こんな道もあるんだ!」と、少しでも進路選択のヒントが見つかっているはずです。後悔しないための大切な一歩を、一緒に踏み出しましょう!

まず知っておきたい!高専と普通高校の基本的な違い

5年間で専門技術者へ(高専)vs 3年間で大学進学へ(普通高校)

まず、一番大きな違いは「目的」と「期間」です。高専は、中学卒業後の15歳から5年間(商船学科は5年半)かけて、社会ですぐに活躍できる専門技術者・エンジニアを育てることを主な目的としています。一方、普通高校は、基本的に3年間で、大学進学を主な目標として、そのための基礎学力を幅広く身につける場所です。卒業後の進路を見据えた時に、この違いは大きいです。

早期から専門教育(高専)vs 幅広い基礎教養(普通高校)

高専と普通高校では、学ぶ内容も大きく異なります。高専では、1年生から数学や物理などの一般科目に加えて、機械工学、電気電子工学、情報工学、物質化学、建築学といった専門分野の授業が始まります。学年が上がるにつれて専門科目の割合が増え、実験や実習、卒業研究など、より実践的な学びが多くなります。一方、普通高校では、国語、数学、英語、理科、地歴公民といった主要5教科を中心に、幅広い分野の基礎知識をバランスよく学びます。文系・理系のコース選択はありますが、専門的な内容は主に大学で学ぶことになります。

卒業後の進路:就職・大学編入(高専)vs 大学受験(普通高校)

卒業後の進路も対照的です。高専卒業生の約6割は企業などに就職し、専門職として活躍します。求人倍率が非常に高く、就職に強いのが特徴です。残りの約4割は、さらに学びを深めるために大学の3年次(または2年次)に編入したり、高専の「専攻科」(2年間)に進学したりします。一方、普通高校卒業生の多くは、大学や専門学校への進学を目指し、一般入試(共通テストや個別学力検査)を受験します。もちろん、高卒で就職する人もいます。

高専生の進路状況(出典:独立行政法人国立高等専門学校機構

メリット・デメリット徹底比較!あなたに合うのはどっち?

【高専のメリット】専門性、就職率、実践力⋯ 私が実感したこと

高専の一番の魅力は、なんと言っても「専門科目」を早くから深く学べることです。中学を卒業してすぐ、自分が興味のある分野の専門科目を学べるのは、大きなメリットです。私が特に実感したのは、座学だけでなく「実験」や「実習」がとても多いことです。教科書で学んだ知識を、実際に手を動かして試すことで、「なるほど、こういう仕組みなのか!」と理解が深まりました。これは、普通高校ではなかなか経験できないことだと思います。また、就職率の高さも大きなメリットです。企業からの求人も多く、学校で学んだ専門知識や実践力が、社会で即戦力として期待されているのを感じました。実際に、コンテストなどで企業の方などとお会いする際には大変良い評価をいただくことが多いです。

【高専のデメリット?】課題の量、留年リスク、進路変更⋯ どう乗り越える?

一方で、高専には大変な面もあります。「課題が多い」、「レポート地獄」なんて噂を聞いたことがある人もいるかもしれません。これは、正直なところ…結構本当です(笑)。特に専門科目が増えてくると、実験レポートや課題の提出に追われる日々が続くこともあります。また、進級の基準が厳しいのも特徴です。例えば、多くの高専では赤点が60点(普通高校は30点~40点程度が一般的)と高く設定されており、万が一、単位を落としてしまうと「留年」のリスクが普通高校より高いと言われています。私もテスト前は必死で勉強しています。さらに、「入学してから、やっぱり違う分野に興味が出てきた…」となった場合、普通高校に比べて進路変更がしにくいという側面もあります。(できないわけではありません。)5年間という長い期間、専門分野を学ぶことになるので、入学前の自己分析はとても大切です。とはいえ、安心してください!大変なことばかりではありません。課題が多いからこそ計画性が身についたり、友達と協力して乗り越えたりする経験は、必ず自分の力になります。

留年についても、先生方がしっかりサポートしてくれますし、進路変更においても、編入など方法はゼロではありません。大切なのは、デメリットを知った上で「自分ならどう乗り越えるか」を考えてみることだと思います。

【普通高校のメリット】大学選択の自由度、多様な仲間との出会い

普通高校の大きなメリットは、やはり「大学進学の選択肢の広さ」でしょう。3年間、基礎学力をじっくり身につけながら、文系・理系、さらにその先の学部・学科まで、自分の興味や適性に合わせて進路を考える時間があります。「まだ将来やりたいことが具体的に決まっていない」、「色々な分野を学んでから進路を決めたい」という人にとっては、この自由度の高さは魅力的です。また、様々な興味や目標を持った友達と出会えるのも普通高校ならではです。部活動や学校行事を通して多様な価値観に触れることは、視野を広げる良い機会になります。

【普通高校のデメリット?】受験勉強中心、専門性は大学から

普通高校、特に進学校の場合、どうしても「大学受験」が学校生活の中心になりがちです。高校2年生、3年生になると、授業内容も受験対策がメインになり、人によってはそれがプレッシャーに感じることもあるかもしれません。また、高専と比べると、高校在学中に専門的な知識や技術を深く学ぶ機会は限られます。「早く専門分野を学びたい」、「実践的なスキルを身につけたい」という気持ちが強い人にとっては、少し物足りなさを感じる可能性もあります。専門的な学びは、基本的に大学進学後からスタートすることになります。

ポイント高専普通高校
🔬 専門性◎ 早く深く学べる△ 大学から本格化
👨‍💻 実践力◎ 実験・実習で身につく△ 機会は少なめ
💼 就職◎ 強い(求人多数)△ 進学がメイン
🎓 大学進学〇 編入制度あり◎ 選択肢が超豊富
📚 学習量△ 課題・レポート多め△ 受験勉強が中心
🤔 進路変更△ 少ししにくい◎ しやすい
🎉 学校生活専門仲間 / 自主性重視多様な仲間 / 行事も色々
👍 おすすめ専門好き / 実践派 / 就職希望まだ迷い中 / 幅広く学びたい / 大学進学希望

◎:特に強み / 〇:メリットあり / △:要検討・注意

私が普通高校ではなく「高専を選んだ」理由【体験談】

高専に興味を持ったきっかけ

私が高専という進路に興味を持ったのは、中学に入る少し前でした。もともと、生き物とか自然観察などが好きなタイプでした。そんな時、たまたま沖縄高専を見学する機会があって、大学の研究室みたいなすごい施設や設備にまず驚きました。そこで専門的なことを学んでいる先輩たちが、すごく楽しそうで、キラキラして見えました。「うわ、面白そう!自分もここで勉強したい!」と、強く心を動かされたのを覚えています。早くから専門的なことを深く学べるという環境が、普通の高校とは違う、すごく大きな魅力に感じていました。

普通高校(進学校)と天秤にかけて悩んだ日々

とはいえ、すぐに高専進学を決めたわけではありませんでした。地元の進学校に進んで、友達と一緒に大学を目指す道も魅力的でしたし、親や先生からは「普通高校の方が将来の選択肢が広いのでは?」というアドバイスも受けました。「もし高専に入って、勉強についていけなかったらどうしよう」、「途中で違うことがやりたくなったら?」といった不安も当然ありました。周りの友達が普通高校を志望する中で、自分だけ違う道を選ぶことへの迷いもあり、中学3年生は、パンフレットを読み比べたり、体験談を探したりして、かなり悩んだことを覚えています。

不安よりも勝った「専門性」への憧れ

色々悩んだ末、最終的に高専を選んだ決め手は、やはり「早く専門的なことを深く学びたい」という強い気持ちでした。高専のオープンキャンパスで見た、楽しそうに実験に取り組む先輩たちの姿や、社会で役立つ技術を身につけられるという実感が、漠然とした大学進学へのイメージよりも、私にとっては魅力的に映りました。「難しいかもしれないけど、好きなことなら頑張れるはず」、「5年間かけて一つのことを極めるのも面白そうだ」と、不安よりも期待や憧れの方が大きくなっていきました。

私の高専受験:どんな勉強した?面接対策は?

高専の入試は、多くの場合「学力検査」と「面接」があります(推薦入試など形式は様々です)。学力検査は、中学校で習う範囲が基本ですが、特に数学と理科は応用力が問われる問題が多いです。私は、中学校の教科書や問題集を繰り返し解くことに加えて、高専の過去問にも取り組みました。苦手な分野は重点的に復習し、応用問題に慣れるようにしました。面接対策としては、「なぜ高専を選んだのか」、「高専で何を学びたいのか」、「将来どんな技術者になりたいか」といった質問を想定し、自分の言葉でしっかり答えられるように練習しました。オープンキャンパスで感じたことや、自分の興味関心を具体的に話せるように準備したのが良かったと思います。

リアル公開!想像通り?想像以上?私の高専生活【体験談】

専門科目の面白さと難しさ - 専門の授業・実験が忘れられない!

高専に入って一番衝撃的だったことは、やはり専門科目の面白さです!自分の高専で、1年生から始まる「基礎科学」や「バイオテクノロジー基礎実験」などは、見るもの聞くものすべてが新鮮でした。特に忘れられないのは、3年生の時の「生化学実験」です。市販の製品に含まれるポリフェノール量を測定するという実験は、身近な製品と化学が繋がった本当に貴重な経験でした。もちろん、専門科目は難しい内容も多く、理解するのに苦労したこともあります。微分積分や化学の知識が必須だったり、初めて触る専門用語に戸惑ったり… しかし、難しいからこそ、理解できた時の喜びは大きかったです。

噂は本当?レポート地獄とテスト期間のリアル

「高専といえばレポート地獄」という噂、これは否定できません(笑)。特に実験科目の後は、考察やデータ整理に時間がかかり、提出前は徹夜になることもあります。しかし、このレポート作成を通して、論理的に文章を構成する力や、データを分かりやすくまとめる力が鍛えられたのは間違いないと思います!テスト期間も大変です。科目数が多く、専門科目は範囲も広いので、計画的に勉強しないと追いつきません。友達と図書館にこもって教え合ったり、過去問を分析したりしています。

部活動、友人関係、寮生活 - 高専ならではの思い出

勉強は大変ですが、高専生活はそれだけではありません!私も部活動に所属し、学年を超えた仲間たちと目標に向かって熱中しました。同じ専門分野に興味を持つ友達とは、授業の話はもちろん、趣味の話でもすぐに意気投合でき、深い関係を築きやすかったです。また、高専によっては「寮」があるのも特徴です。親元を離れての寮生活は、最初は不安もありましたが、共同生活を通して自立心や協調性が養われました。夜遅くまで友達と語り合ったり、一緒にご飯を食べたりした日々は、かけがえのない思い出になるでしょう。

自由な校風?高専に求められる「自主性」とは

中学校と比べて、高専は校則が緩く、服装や髪型なども比較的自由な学校が多いです。先生方も、私たちを「学生」として、ある程度大人扱いしてくれます。一見、自由で楽なように思えますが、その裏返しとして求められるのが「自主性」です。授業の予習・復習はもちろん、課題のスケジュール管理、将来の進路選択まで、自分で考えて行動することが重要になります。受け身の姿勢でいると、あっという間に置いていかれてしまう可能性もあります。この「自由と責任」の環境の中で、自己管理能力が自然と身についていっているように感じます。

正直に告白!高専に入って「ちょっと後悔した」こと

良いことばかりお伝えしてきましたが、正直に言うと「ちょっと後悔したな」と感じた瞬間もゼロではありませんでした。例えば、高校生の友達が文化祭や体育祭で盛り上がっているのを見ると、「普通の高校生活も楽しそうだったかな」と思ったり、大学受験を経験しない分、一般常識や幅広い教養に少し自信が持てなかったり…。あとは、やっぱり課題の多さに心が折れそうになったことも一度や二度ではありません(笑)。しかし、それらを含めて、高専でしかできない貴重な経験ができているので、最終的には高専を選んで良かったと思っています。

最終チェック!高専がおすすめな人、普通高校がおすすめな人

こんなタイプには高専がピッタリかも!

これまでの話を総合すると、こんなタイプの人には高専が向いているかもしれません。

  • 特定の専門分野(ものづくり、科学技術、プログラミングなど)に強い興味がある人
  • 早くから専門知識や実践的なスキルを身につけたい人
  • 実験や実習など、手を動かす学びが好きな人
  • 将来、技術者やエンジニアとして活躍したいと考えている人
  • 5年間、一つの分野をじっくり学ぶ意欲がある人
  • 就職に有利な進路を選びたい人
  • 自主的に学習を進められる人

こういう希望があるなら普通高校も検討しよう

一方で、こういう希望を持っている人は、普通高校の方が合っている可能性があります。

  • まだ将来やりたいことが具体的に決まっていない人
  • 幅広い分野の基礎知識を学びたい人
  • 大学に進学して、じっくり専門分野を選びたい人
  • 文系・理系どちらに進むか迷っている、あるいは文系に進みたい人
  • 一般的な高校生活(部活動、学校行事など)を幅広く経験したい人
  • 大学受験を通して学力を高めたい人
  • 様々な興味を持つ多様な友達と出会いたい人

進路選択で一番大切なこと - 情報収集と自己分析

高専と普通高校、どちらが良い・悪いということはありません。それぞれに魅力があり、どちらが自分に合っているかは人それぞれです。一番大切なのは、周りの意見やイメージだけで決めるのではなく、しっかりと情報を集め(オープンキャンパスへの参加、資料請求、在校生や卒業生の話を聞くなど)、そして「自分は何が好きで、何に興味があって、将来どうなりたいのか」をじっくり考えることです!

無料勉強相談って??

「高専に行ってみたいけど、勉強についていけるか心配…」、「受験対策は何から始めればいいの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。そんな方のために、高専入試に特化した学習塾・ナレッジスターでは無料の勉強相談を実施しています。高専受験のプロである講師陣が、一人ひとりの状況に合わせてアドバイスしますので、安心してご相談ください。あなたもナレッジスターと一緒に、高専合格への一歩を踏み出してみませんか?きっと夢への道筋が見えてくるはずです!

【まとめ】あなたの「納得できる進路」を見つけるために

高専と普通高校、それぞれの魅力再確認

ここまで、高専と普通高校の違いや、それぞれのメリット・デメリット、そして私の体験談をお伝えしました。高専は、早期からの専門教育と実践的な学び、そして高い就職率が魅力です。一方、普通高校は、幅広い基礎教養と大学進学への多様な選択肢、そして一般的な高校生活を送れることが魅力と言えるでしょう。どちらの道にも、素晴らしい可能性があります。

自分の「好き」と「適性」を見つめ直そう

最終的に大切なのは、繰り返しになりますが、「あなた自身がどうしたいか」です。自分の「好き」なこと、「得意」なこと、「興味」があることは何でしょうか?そして、将来どんな自分になっていたいでしょうか?焦らず、じっくり自分自身と向き合ってみてください。保護者の方や先生、先輩など、周りの人の意見も参考にしながら、最後は自分の意志で決断することが、後悔しない進路選択につながるはずです。

未来の自分へ – 応援メッセージ

進路選択は、不安でいっぱいかもしれません。しかし、それはあなたが真剣に自分の未来と向き合っている証拠です。どちらの道を選んだとしても、そこで出会う仲間や経験は、必ずあなたの財産になります。たくさんの情報を集め、たくさん悩んで、最後は「これで頑張るぞ!」と前向きな気持ちで決断してください。あなたの選択が、輝かしい未来への第一歩となることを心から応援しています!

ライター情報

沖縄高専 生物資源工学科在学中
ニックネーム:みきと
自己紹介:
生物・化学系の分野を学びつつ、最近はデータ分析やAIにも興味があって、いろいろ勉強中です!高専祭の実行委員や学生会にも関わっていて、みんなでイベントを作り上げるのが楽しいです。これからも、高専生目線で分かりやすく、役に立つ情報を発信していけたらと思っています!

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