高専の進路、就職と大学編入どっち?迷った時の判断基準

はじめに

中学校を卒業してすぐに入学でき、5年間にわたり専門分野をじっくり学ぶユニークな学校、それが高等専門学校(高専)です 。
しかしながら、高専は全国的にも珍しい教育機関であるため、外から見える情報は極端に少なく、ネットには大げさな噂や一部の極端な体験談ばかりが独り歩きしています 。特に、多くの高専受験生が気になっているであろう「卒業後の進路」については、
その特殊さゆえに、実態が正しく伝わっていないことが多々あります。
高専の5年間は、将来社会で自分らしく、かつ自立して生きていくための「最強の武器」を手に入れる期間です 。
そこで今回は、現役高専生である私が、高専の卒業後の進路の実態を徹底解説したいと思います 。

高専卒業後の主な進路は2つ

高専を卒業する際の進路は、主に「就職」「進学(大学編入)」の2つです。

以前は「高専といえば就職」というイメージが強かったかもしれませんが、近年ではITやバイオといった分野への注目とともに、より高度な研究を求めて大学へ進む道も一般的になりました 。
実際のところ、工学の知識を持った高専卒業生は、企業が熱望する驚くほどの「引く手あまた」の状態にあります 。
これは就職に限った話ではなく、大学編入においても、高専で磨かれた専門スキルや「技術」という共通言語を持っていることは、どんな環境へ行っても揺るがない自信に繋がります 。就職と進学は、どちらが優れているというわけではなく、あなたが将来「どんな働き方をしたいか」によって決まるものです。それぞれの特徴を正しく理解し、自分に合ったステージを見極めていきましょう!

就職:即戦力の技術者として社会へ

高専で学ぶ5年間は、単に専門知識を詰め込むだけの時間ではありません。

それは、将来社会で自分らしく、かつ自立して生きていくための「最強の武器」を手に入れる期間でもあります 。多くの企業が、実習を通じて「モノづくり」の現場感覚を身につけた高専生を「即戦力」として熱望しており、その就職率やキャリアの安定性は他の教育機関と比べても圧倒的です。20歳という若さで専門性を武器に社会へ飛び出し、経済的に自立しながらエンジニアとしてのキャリアをスタートできるのは、高専という選択をした人だけが手にできる大きなアドバンテージと言えるでしょう。

大学編入:大学でさらに研究を深める

一方で、「もっとこの分野を突き詰めたい」「将来は研究開発の最前線に立ちたい」と考える学生には、大学の3年生として入学する「大学編入」という道もあります。高専という特別な環境で5年間を過ごし、専門的なスキルを徹底的に磨いた経験は、大学という新しい環境へ行っても揺るがない自信に繋がります。高専は、あなたが手に入れた「技術」という共通言語を通じて、性別や年齢に関係なく対等に渡り合える力を養う場所です!
その力をベースに、大学という広いステージでさらに視野を広げ、より高度な理論や研究に挑戦していく未来も、非常に刺激的で可能性に満ちたものになるはずです 。

第3の道:高専の「専攻科」

就職か大学編入かという大きな2つの選択肢以外にも、高専には「専攻科」への進学という進路もあります。

専攻科とは?高専でさらに2年学ぶ

専攻科とは、5年間の本科を卒業した後に、さらに2年間同じ高専に残ってより高度な専門知識を学ぶコースのことです。
大学の3・4年生に相当する教育を、慣れ親しんだ校舎や先生、そして気心の知れた仲間たちと一緒に受けることができます。
新しい環境に飛び込む緊張感も良いですが、すでに自分の研究テーマや機材が揃っている環境で、腰を据えてじっくりと技術を深められるのは高専生ならではの特権です。

「学士」取得と学費を抑えられるメリット

専攻科を修了し、必要な認定試験に合格すると、大学卒業と同じ「学士」の学位を取得することができます。

また、大学に編入する場合と比較しても、入学金が不要であったり学費が抑えられたりと、経済的な負担が少なくて済むのも大きなメリットです。もちろん、専攻科卒業後に、他の大学院(修士課程)への進学をする学生もいます。

高専から「就職」を選ぶメリット

高専卒業生の就職は、一般の高校生や大学生の就職活動とは少し異なります。

高専生ならではの、5年間という長い時間をかけて磨き上げた「技術」を活かすことができます。

圧倒的な求人倍率!企業が欲しがる理由

高専生の求人倍率は、多くの学校で20倍から30倍以上に達します。
これは一人に対し、数十社もの企業から誘いがある状態です。
先ほども述べた通り、多くの企業が高専生を「若くて専門知識を持った即戦力」として高く評価しており、特に工学の知識を持った技術者は、驚くほど「引く手あまた」の状態にあります。
若いうちから実験や実習を通じて「現場の感覚」を養っている高専生は、企業にとって喉から手が出るほど欲しい、即戦力のエンジニアなのです。

早期の経済的自立と、実力重視の環境

高専を卒業後、そのまま就職すると、大学生よりも2年も早い、20歳という若さでキャリアをスタートできます。
そのため、同年代の大学生よりも早く経済的な自立を果たすことができます。また、エンジニアの世界では「現場で何ができるか」が評価されます。若いうちから実際の現場で実務経験を積むことは、将来的に活躍するための大きなアドバンテージとなります。

高専から「大学編入」するメリット

「もっと深く研究したい」「別の分野も学んでみたい」という願いを叶えるのが、大学への編入という道です。

高専から大学へ編入する仕組み

高専は5年制という全国的にも珍しい教育機関です。
そのため、卒業後は大学の1年生から入学し直すのではなく、大学3年生(場合によっては2年生)として合流する「編入」という制度を利用できます 。中学校卒業後の5年間で培った専門的なスキルは、大学という新しい環境へ行っても揺るがない自信に繋がります。一般的な受験勉強とは異なり、高専で学んだ専門科目を活かして難関大学を目指せる、非常に有利な仕組みです。

広い視野を持ち、研究・開発職を目指す

大学編入は、高専での実践的な学びに加え、大学ならではの多様な人脈や最新の研究設備に触れることで、より高度な「研究・開発職」を目指す大きなステップになります。

卒業後の就職率やキャリアの安定性は圧倒的であり、将来社会で自分らしく、かつ自立して生きていくための「最強の武器」をさらに研ぎ澄ませることが可能です 。

進路決定は「4年生」まで待てる

高専は5年制なので、進路もじっくりと考えることができます。

大学や高校より「考える時間」が長い

普通高校では、入学してわずか1年足らずで「文理選択」を迫られ、3年生になればすぐに大学受験がやってきます。
一方で高専は5年制です。進路を本格的に検討し始めるのは4年生頃からです。
つまり、15歳から19歳という、人間として最も大きく成長する時期に、自分の好きなことや得意なことを見極める時間がたっぷりとあるのです。

入学後に進路を変更できる安心感

実は高専では、入学当初は「早く働きたい」と思っていた学生が、授業や実習を通じて研究の面白さに目覚め、大学編入を目指すようになるケースが多くあります。
逆に「研究者になりたい」と思っていた学生が、インターンシップ等で現場に触れ、就職に切り替えることもあります。
どのような方向転換をしたとしても、高専生には「確かな技術力」というバックボーンがあるため、安心して自分の進みたい道
を選び直すことができます。

迷った時の「3つの判断基準」

①モノづくりか、研究か

自分は「実際に目の前で機械が動いたり、システムが稼働したりすることに喜びを感じる」タイプでしょうか。それとも「なぜその現象が起きるのか、原理を突き詰めたり、新しい法則を見つけたりすることにワクワクする」タイプでしょうか。
前者は就職して現場の第一線へ、後者は進学してアカデミックな世界へ進むことが多いかもしれません。

②早く自立したいか、もっと学びたいか

経済的な面も大切な判断基準です。
「20歳で社会人になり、自分の稼いだお金で趣味を充実させたり、自立した生活を送りたい」という意欲が強いなら、就職が最適です。一方で、「まだ社会に出るよりも、学生という自由な立場で知識を吸収し、自分という人間をアップデートしたい」と感じるなら、進学を選ぶべきでしょう。

③将来、どんな働き方をしたいか

自分が10年後、どのような場所で働いている姿がしっくりくるかを想像してみてください。
「現場の最前線で、仲間を引っ張る姿」でしょうか。
それとも「オフィスや研究所で、数年後の未来を作る新しい技術の設計や企画に携わる姿」でしょうか。
前者は高専からの就職、後者は大学院まで見据えた進学が近道になることが多いです。

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まとめ:高専の進路は自由!

いかがでしたでしょうか。
高専という学校は、一見すると「エンジニアになるためだけの狭い道」に見えるかもしれません。
しかし実際には、「就職」「大学編入」「専攻科」という、非常に質が高く、かつ多様な選択肢を、5年間かけてじっくり選べる贅沢な環境です。今、高専に興味を持っている、あるいは既に高専に入学されているということは、すでに大きな可能性を手にしているということです。

自分の「好き」を信じて、ぜひ一歩踏み出してみてください。

ライター情報

茨城高専
ニックネーム:せきとも
成績はあまり良くありませんが、高専生活を全力で楽しんでいます!

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