高専生はどんなコンテストに参加できる?

高専生はどんなコンテストに参加できる?

はじめに

「高専の大会」と聞くと、ロボコンやプロコンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、高専生が挑戦できる大会はそれだけではありません。運動部には全国高専体育大会があります。技術系もAI・無線通信・防災・起業・セキュリティから、材料・半導体・宇宙まで分野が広がっています。さらに、高専1〜3年生を中心に、日本情報オリンピックや物理チャレンジ、化学グランプリなど、高校生向けの科学コンテストへ参加できる場合もあります。

この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、高専生が参加できる代表的な大会・コンテストを分野別に紹介します。大会の種類だけでなく、どのような学生に向いているのか、どうやって参加するのかまで整理します。

高専生が参加できる大会・コンテストはこんなにある

高専生向けの大会は、大きく3つに分けて考えると分かりやすいです。

高専ならではの全国大会

まずは、高専生を主な対象として長く続いてきた大会です。全国高専連合会は、全国高専体育大会のほか、ロボットコンテスト・プログラミングコンテスト・デザインコンペティション・英語プレゼンテーションコンテスト・ディープラーニングコンテストを主要事業として紹介しています。

代表例は次のとおりです。

  • 全国高等専門学校体育大会
  • 高専ロボコン
  • 高専プロコン
  • 高専デザコン
  • 全国高専英語プレゼンテーションコンテスト
  • DCON

近年増えている専門分野・社会課題型のコンテスト

近年は、特定の専門分野や社会課題をテーマにした大会も増えています。AIだけでなく、無線通信・防災・インフラ・起業・サイバーセキュリティに関する大会があります。さらに、材料・半導体・宇宙といった専門分野まで選択肢が広がっています。例えばWiCONでは無線・通信技術を使った地域課題の解決、高専防災減災コンテストでは地域の防災課題を対象に、アイデアを出すだけでなく実証まで行います。

高専生も参加できる一般の学生向け大会

高専向けの大会だけを探す必要はありません。特に本科1〜3年生は、高校生相当として参加できる大会が数多くあります。

例えば、パソコン甲子園は高専3年生までが対象です。JSECは高専1〜3年生が科学技術の自由研究を応募でき、優秀な研究は国際大会ISEFへ進む可能性があります。科学の甲子園も高専生を対象に含んでいます。

このように、高専の中だけでも外でも、興味に応じて挑戦先を探せます。

全国高専体育大会(高専大会)

高専の大会というと技術コンテストに注目しがちですが、運動部にとって大きな目標になるのが全国高等専門学校体育大会です。全国高専連合会によると、各地区の高専体育大会を勝ち抜いた学生が全国大会に集まり、14競技で競います。

地区大会から全国大会まで

全国高専体育大会は、いきなり全国大会に出場するのではなく、基本的に地区大会を経て全国へ進みます。

  1. 各高専で部活動に取り組む
  2. 地区高専体育大会に出場する
  3. 地区大会で全国大会の出場権を得る
  4. 全国高専体育大会に出場する

地区を越えて高専生が集まるため、普段対戦する機会の少ない学校の学生と競えることも特徴です。大会は競技力の向上だけでなく、高専相互の親睦も目的としています。

全国大会で行われる14競技

2026年度時点で、全国高専体育大会では次の14競技が行われています。

種類競技
球技バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、卓球、硬式野球、サッカー、ラグビーフットボール、ハンドボール、テニス、バドミントン
武道柔道、剣道
個人競技陸上競技、水泳

競技によって開催校や日程は異なるため、実際に出場するときは所属高専の部活動や各競技の実施要項を確認してください。

5年間挑戦できる高専ならではの部活動

本科が5年制であることも、高専の部活動の特徴です。高校では3年間で区切られることが多い一方、高専では1年生から5年生までが同じ学校で学びます。そのため、上級生と長く活動したり、専門科目や卒業研究と両立しながら競技を続けたりする環境があります。

ただし、大会ごとに出場資格やチーム登録の条件は異なります。高専大会以外にも競技団体が主催する大会へ参加する場合があるため、所属する部の年間予定を確認するのが確実です。

高専を代表する全国規模のコンテスト

ここからは、技術・研究・プレゼンテーションを競う代表的な高専コンテストを紹介します。

高専ロボコン

高専ロボコンは、全国の高専生が毎年異なる競技課題に合わせてロボットを設計・製作し、その成果を競う大会です。1988年に始まり、2026年で39回目を迎えました。2026年の競技課題は「高専杯 雑巾投擲選手権」です。

魅力は、単にロボットを動かせばよいわけではない点です。機械設計・加工・回路・制御・プログラミングを組み合わせ、限られたルールの中で独自のアイデアを形にします。地区大会を経て全国大会へ進むため、長期的なチーム開発を経験したい人に向いています。2026年も全国8地区で地区大会が行われています。

高専プロコン

全国高等専門学校プログラミングコンテスト、通称「高専プロコン」は、ソフトウェア開発やアルゴリズムを競う全国大会です。

2026年の第37回大会では、次の3部門が設けられています。

  • 課題部門:指定テーマに沿ってICTを活用した作品を制作
  • 自由部門:自由なテーマで独創的な作品を制作
  • 競技部門:大会ごとに設定された課題をアルゴリズムで競う

「プログラミングコンテスト」という名前ですが、必要になるのはコードを書く力だけではありません。課題設定、アルゴリズム、UI、発表、チーム内の役割分担まで幅広い力が問われます。

私自身も高専プロコンの競技部門に参加した経験があります。競技では、本番までにアルゴリズムを考えて実装するだけでなく、チーム内で改善案を出し続けることが重要でした。授業とは違い、他高専の学生と同じ問題を真正面から競う経験は、高専ならではの面白さがあります。

高専デザコン

全国高等専門学校デザインコンペティション、通称「デザコン」は、生活環境に関するデザインや設計を競う大会です。全国高専連合会は、人が生活する環境を構成する総合的な技術としてデザインを捉え、創造力と実践力を育てる大会と位置づけています。

建築や土木系の学生と相性がよい大会です。課題によっては構造・空間・材料・環境・ものづくりなど、複数の知識を組み合わせます。「ロボットやプログラミング以外で全国大会を目指したい」という人にも注目してほしい大会です。

全国高専英語プレゼンテーションコンテスト

全国高専英語プレゼンテーションコンテスト、通称「英語プレコン」は、高専生の英語力と英語によるプレゼンテーション能力の向上を目的とした大会です。ものづくりや科学技術に関する発表が多いことも特徴です。

技術系の大会で得た研究成果やアイデアを、英語で説明する力を伸ばしたい人にも向いています。将来、海外留学や国際学会、海外企業での活動を考えている場合は、技術と英語を組み合わせて練習できる場になります。

DCON

DCONは、ものづくりとディープラーニングを組み合わせ、さらに事業性まで競う高専生向けのコンテストです。アイデアだけではなくプロトタイプを制作し、その技術がどのような事業を生み出せるかを「企業評価額」という指標で評価する点が大きな特徴です。

DCON2026には40高専、91チームから119作品が応募し、2段階の審査を経て10チームが本選へ進みました。AIの精度だけではなく、課題設定、ハードウェア、事業としての成長可能性まで見られるため、AIを社会実装につなげたい人に向いています。

近年増えている高専向けコンテスト

高専生向けの大会は、従来のロボコン・プロコンだけではありません。ここでは、特定分野や社会課題に焦点を当てた大会を紹介します。

高専GCON

高専GCONは、女子高専生を中心としたチームが、SDGsの視点から社会課題を捉え、技術開発・活動・アイデアを提案するコンテストです。2022年度に始まり、2026年度で第5回を迎えました。

2026年度の募集要項では、全国の国公私立高専の本科・専攻科に在籍する学生が対象で、2〜5名のチームを組みます。男子学生も参加できますが、リーダーとチームの半数以上を女子学生とする条件があります。

WiCON

WiCONは、高専ワイヤレステックコンテストの略称です。無線・通信技術を使い、地域課題の解決につながるアイデアを実際に技術実証します。

2026年度は約20チームを採択し、各チームに100万円の技術実証費を支援する仕組みです。採択後は約8か月にわたって実証を行い、予選・本選で成果を発表します。短時間のアイデアコンテストというより、小さな研究開発プロジェクトに近い大会です。

高専防災減災コンテスト

高専防災減災コンテストでは、地域にある防災・減災の課題を見つけ、その解決策を考え、検証結果まで発表します。2026年度の第5回大会には21高専から49件の提案が集まり、10チームがアイデア検証へ進みました。

2026年9月から2027年1月まで検証を進め、最終審査会で成果を発表する流れです。防災に情報・機械・電気・建設・ドローンなどを組み合わせられます。専門分野を地域課題に応用したい人に向いています。

高専起業家サミット

高専起業家サミットは、高専生のアイデアや技術をビジネスにつなげる大会です。第3回は2026年2月に開催され、93チームの応募から45チームが参加しました。発表は「アイデア部門」「プロトタイプ部門」「スタートアップ部門」の3部門に分かれています。

「技術を作って終わり」ではなく、誰の課題を解決するのか、誰がお金を払うのか、事業としてどう成長させるのかまで考えたい人に向いています。

インフラテクコン

インフラテクコンは、道路、橋、水道などのインフラを維持・管理するための技術やアイデアを提案するコンテストです。2026年度も開催されており、地域との協働や革新的な技術を使った提案を募集しています。

土木・建築系に限らず、AI・画像処理・IoT・ロボット・センサーなどを組み合わせられます。専門分野を横断して社会課題を解決したいチームに適しています。

KOSENセキュリティコンテスト

KOSENセキュリティコンテストは、高専生を対象としたCTF形式の全国大会です。CTFでは、暗号・Web・ネットワーク・バイナリ解析など、サイバーセキュリティに関する問題を解いて得点を競います。K-SECによると、毎年全国の高専から100名以上が参加し、優勝チームにはSECCON CTF決勝戦への出場権が与えられます。2026年度大会の開催も案内されています。

情報系の授業だけでは触れにくいセキュリティ技術を、実際に手を動かしながら学べる大会です。

廃炉創造ロボコン

廃炉創造ロボコンは、福島第一原子力発電所の廃炉作業を想定し、現場で必要になるロボットを高専生が考えて製作する大会です。

2026年度の第11回大会では、2号機の原子炉格納容器内部を調査し、対象物を回収して戻るという課題が設定されています。実際の社会課題を前提に、特殊環境で使えるロボットを考えるため、一般的な競技ロボコンとは違う設計思想が求められます。

高専マテリアルコンテスト

高専マテリアルコンテストは、材料工学を実践的に学ぶ大会です。2026年3月の第3回大会では「鉄の高強度化・強靱化」がテーマとなり、配布された材料に熱処理や加工を施して衝撃値を競いました。

さらに2026年9月には第4回に向けたキックオフイベントが始まっています。材料の組織、熱処理、加工、試験結果を結び付けて考えるため、材料・機械系の学生にとって研究に近い経験ができます。

SEMI Circuit Design Speed Contest

SEMI Circuit Design Speed Contestは、全国の高専生を対象に、半導体の回路設計や製造工程に関する速さと正確さを競う大会です。

2026年度は全国の高専を巡回するキャラバン形式の予選を行い、各校の代表が12月10日にSEMICON Japan 2026内で開かれる全国大会へ進みます。競技には、仮想空間で半導体工程を体験するタイムアタックと、インバーター回路の設計競技があります。

半導体分野に興味がある人にとって、企業や産業界との接点まで得られる新しい選択肢です。

全国高専宇宙コンテスト

全国高専宇宙コンテストは、人工衛星などを使って実現したい宇宙ミッションを考え、技術的な実現可能性まで検討して発表する大会です。数値計算や実証実験を行うことも推奨されており、JAXAなどで衛星開発に関わる研究者・技術者が審査します。

2026年3月には第5回大会が開催され、沿岸監視、海洋観測、災害観測、超小型衛星へのセンサー活用などのテーマが発表されました。宇宙工学だけでなく、通信、制御、画像処理、データ解析の知識も活用できます。

高専生も参加できる一般のコンテスト

ここまで紹介したのは高専向けの大会が中心でした。しかし、視野を広げると、高専生が参加できる大会はさらに増えます。

特に本科1〜3年生は「高校生相当」として参加資格を満たす大会が多くあります。ただし、国内大会への参加資格と、国際大会の日本代表になれる条件が異なる場合があります。学年や年齢の条件は毎年度変わる可能性があるため、応募前に最新の募集要項を確認してください。例えば日本生物学オリンピック2026は高専3年生以下を明記していますが、日本数学オリンピックは国内大会と国際代表で資格条件が異なります。

各種オリンピックの足がかりとなるコンテスト

理数・情報分野では、国内大会の上位者から国際科学オリンピックの日本代表が選ばれる仕組みがあります。

分野国内大会その先
情報日本情報オリンピック(JOI)国際情報オリンピック(IOI)
数学日本数学オリンピック(JMO)国際数学オリンピック(IMO)
物理物理チャレンジ国際物理オリンピック(IPhO)
化学化学グランプリ国際化学オリンピック(IChO)
生物日本生物学オリンピック(JBO)国際生物学オリンピック(IBO)
地学日本地学オリンピック国際地学オリンピック(IESO)
地理科学地理オリンピック日本選手権国際地理オリンピック(iGeo)
天文日本天文学オリンピック国際天文学・天体物理学オリンピック(IOAA)
言語学日本言語学オリンピック(JOL)国際言語学オリンピック(IOL)
原子力科学国内代表選考国際原子力科学オリンピック(INSO)

情報ではJOIが国際大会の代表選考につながります。物理チャレンジは実験課題レポートと理論問題から始まり、上位者が合宿形式の第2チャレンジや代表選考へ進みます。化学グランプリ2026は高校3年生相当以下が対象で、一次選考はマークシート、二次選考は実験を伴う記述式試験です。

生物では高専3年生以下も日本生物学オリンピックに参加できます。天文学オリンピックは国内大会自体には幅広く参加できますが、国際大会の代表選抜には教育年数などの条件があります。言語学オリンピックも20歳未満で大学未入学など、代表選抜に条件があります。

「国際大会なんて自分には遠い」と感じるかもしれません。しかし、最初から代表選考だけを目標にする必要はありません。過去問を1問解く、オンライン予選に参加する、同世代と順位を比べるだけでも立派な第一歩です。

オリンピックや専門大会への足がかりになるコンテスト

オリンピック以外にも、低学年から参加しやすく、専門分野の実力を伸ばせる大会があります。

AtCoder Junior League:競技プログラミングを継続する
AtCoder Junior Leagueは、中高生を対象とした長期の競技プログラミングリーグです。2026年夏シーズンは高専1〜3年生も対象で、ABC、ARC、AGC、AHCの成績が学校別・学年別に集計されます。JOIに挑戦したい人が日常的にアルゴリズム問題を解く場として使いやすいでしょう。

パソコン甲子園:2人で競技プログラミングに挑戦する
パソコン甲子園は、高校生と高専3年生までを対象としたICT分野の全国大会です。2026年度もプログラミング部門、モバイル部門、ポスタービジュアルコンテストが実施されています。JOIが個人競技であるのに対し、プログラミング部門ではチームで挑戦できる点も魅力です。

SuperCon:アルゴリズムをスーパーコンピュータで試す
Supercomputing Contest、通称SuperConは、高校生や高校相当学年の高専生を対象としたプログラミングコンテストです。2026年の本選ではスーパーコンピュータ「富岳」を使い、2〜3人のチームが数日間かけてプログラムを作り、正確さと速度を競いました。競技プログラミングからHPCへ興味を広げたい人に向いています。

SECCON Beginners CTF:セキュリティ分野への入口にする
SECCON Beginners CTFは、CTF初心者〜中級者向けのオンライン競技です。2026年大会は年齢や国籍を問わず参加でき、Web、暗号、リバースエンジニアリングなどの問題に挑戦します。高専生限定ではありませんが、セキュリティを勉強し始めた人が実戦経験を積む場として適しています。

科学の甲子園:複数分野をチームで競う
科学の甲子園は、高校や高専などの学生が、理科・数学・情報の知識と実技をチームで競う大会です。全国大会では筆記競技と実技競技があり、高専生も対象に含まれます。全国大会の優勝チームは、米国のScience Olympiadへ派遣されます。

JSEC:自分の研究で世界大会を目指す
JSECは、高校生・高専生科学技術チャレンジの略称です。高専1〜3年生が科学技術の自由研究を応募できます。ロボット・ソフトウェア・機械・材料・数学など21カテゴリーが用意されています。少人数部門の優秀な研究からは、世界規模の科学コンテストISEFへ派遣される日本代表が選ばれます。高専3年生でJSECに入賞し、高専4年生になってからISEFへ出場することも可能です。

「1つの大会に人生をかける」というより、まず参加しやすい大会で経験を積み、興味が深まった方向へ進むのがおすすめです。

自分に合う大会・コンテストの選び方

大会が多いと、「結局どれに出ればいいの?」と迷うかもしれません。選ぶときは、分野だけでなく参加条件や活動期間まで比較しましょう。

興味のある分野

まずは、今興味があるものから探すのが簡単です。

興味大会の例
スポーツ全国高専体育大会
ロボット高専ロボコン、廃炉創造ロボコン
プログラミング高専プロコン、JOI、パソコン甲子園、AtCoder Junior League
AIDCON
無線・IoTWiCON
セキュリティKOSENセキュリティコンテスト、SECCON Beginners CTF
建築・土木高専デザコン、インフラテクコン
防災高専防災減災コンテスト
材料高専マテリアルコンテスト
半導体SEMI Circuit Design Speed Contest
宇宙全国高専宇宙コンテスト、日本天文学オリンピック
英語全国高専英語プレゼンテーションコンテスト
起業DCON、高専起業家サミット
社会課題高専GCON、防災減災コンテスト、インフラテクコン
理数系各種科学オリンピック、科学の甲子園、JSEC

専門学科と同じ分野を選ぶ必要はありません。機械系の学生がプログラミング大会へ参加したり、情報系の学生がロボットや防災のチームに加わったりすることもできます。

学年と参加資格

大会を見つけたら、最初に参加資格を確認してください。ここを見落とすと、興味を持って準備を始めても応募できない場合があります。

特に確認したいのは次の点です。

  • 本科何年生まで参加できるか
  • 専攻科生も参加できるか
  • 年齢制限があるか
  • 学校単位の申込みが必要か
  • チームの人数や構成に条件があるか
  • 国際大会の代表資格は国内大会と同じか

例えばパソコン甲子園は高専3年生まで、JSECは高専1〜3年生が対象です。一方、GCONは本科・専攻科の学生を対象にしています。

特に科学オリンピック系は、高専4年生になってから知ると代表選考の対象外になる場合があります。低学年のうちに存在だけでも知っておくと、選択肢を残しやすくなります。

個人参加かチーム参加か

大会によって参加人数も大きく違います。

  • 個人中心:JOI、JMO、物理チャレンジ、化学グランプリなど
  • 少人数チーム:パソコン甲子園、JSEC、DCONなど
  • 大規模チーム:高専ロボコン、運動部の団体競技など

「一人で自分の実力を試したい」のか、「仲間と長期間かけて作品を作りたい」のかでも、向いている大会は変わります。

活動期間と忙しさ

大会の準備期間も重要です。1日で終わるオンライン競技と、半年以上かけて実証するコンテストでは必要な時間が大きく異なります。

目安としては、次のように考えられます。

  • 数時間〜数日:AtCoder、CTF、科学オリンピックの予選など
  • 数週間〜数か月:作品応募型コンテスト、研究発表、ハッカソンなど
  • 半年程度:ロボコン、WiCON、防災減災コンテストなど

高専では定期試験、実験レポート、研究、編入試験、就職活動と時期が重なることがあります。面白そうという理由だけで決めず、年間スケジュールも確認しましょう。

必要なスキルと初心者の参加しやすさ

大会に出る前から全ての技術を身につけている必要はありません。むしろ、参加をきっかけに必要な技術を学ぶケースも多くあります。

初心者の場合は、次のような入り方がおすすめです。

  1. 部活動や先輩のチームに参加する
  2. 過去問や過去作品を見て難易度を確認する
  3. 初心者向けの大会や予選に一度参加する
  4. 興味が続いたら、より大きな大会を目指す

例えば競技プログラミングなら、まずAtCoderの入門教材やABCから始め、その後JOIやパソコン甲子園へ広げる方法があります。SECCON Beginnersも初心者〜中級者を対象としており、CTFを始める入口として利用できます。

コンテストに参加する方法

参加したい大会を見つけても、申込み方法が分からないことがあります。大会によっては個人で応募できますが、高専を通した申込みや指導教員が必要な場合もあります。

部活動や同好会から参加する

高専ロボコンや全国高専体育大会のように、部活動を中心に参加する大会があります。すでに学校内に活動チームがある場合、最も簡単なのは見学に行って先輩や顧問に聞くことです。

大会そのものに興味がある場合は、入学時の部活動紹介だけでなく、普段の活動場所を訪ねてみるとよいでしょう。

研究室や授業のプロジェクトから参加する

DCON・WiCON・防災減災コンテスト・宇宙コンテスト・JSECなどは、授業や研究室で取り組んでいるテーマとつながる場合があります。

研究成果をそのまま出せるとは限りませんが、すでに持っている装置、プログラム、データ、専門知識を発展させられることがあります。興味のある大会を見つけたら、研究室の先生に「このテーマで応募できますか」と相談してみましょう。

校内公募や先生から情報を得る

高専向けのコンテストでは、学校内のメールや掲示、Teams、学生課、学科教員を通して募集が共有される場合があります。

普段から次の場所を確認しておくと、募集を見逃しにくくなります。

  • 学内メールやポータル
  • 学生課・教務関係の掲示
  • 学科や研究室の連絡
  • 部活動・同好会のコミュニティ
  • 高専機構や全国高専連合会のWebサイト

自分で外部大会を探して応募する

高専限定ではない大会は、自分で見つけて直接応募できるものもあります。AtCoderやSECCON Beginners CTFのようなオンライン競技は、その代表例です。

興味のあるキーワードに「高校生」「学生」「コンテスト」「2027」などを組み合わせて検索してみましょう。募集開始から締切までが短い大会もあるため、気になる大会は公式サイトをブックマークしておくと便利です。

高専生がコンテストに参加するメリット

コンテストは、受賞することだけが目的ではありません。準備の過程そのものが、授業だけでは得にくい経験になります。

授業で学んだ技術を実践できる

授業で学んだ内容は、問題を解くだけでは実際にどう使われるのか分かりにくいことがあります。

コンテストでは、機械設計・電子回路・プログラミング・材料・英語・数学といった知識を実際の課題解決に使います。例えばWiCONでは無線技術を地域課題の実証に使い、防災減災コンテストでは専門技術を地域の防災へ応用します。

チーム開発とプレゼンを経験できる

チーム型の大会では、技術力だけでなく共同作業も必要です。

  • 役割を分担する
  • 締切から逆算して予定を立てる
  • 設計やコードをレビューする
  • 失敗した原因を調べて修正する
  • 成果を短時間で説明する
  • 質疑応答に答える

こうした経験は、卒業研究やインターン、就職後の仕事にもつながります。

他高専や企業とつながれる

全国大会へ進むと、普段は会えない他高専の学生と交流できます。近年のコンテストでは、企業、研究者、自治体、投資家などが審査やメンタリングに参加する大会もあります。

特にDCONは事業性を企業評価額で競い、高専起業家サミットはアイデアからスタートアップまで段階別に発表します。技術を外部の人に見てもらい、フィードバックを受ける機会になります。

進学・就職で説明できる経験になる

「大会で受賞すれば進学や就職で有利になる」と単純には言えません。むしろ重要なのは、取り組みを自分の言葉で説明できることです。

例えば面接では、次のように整理できます。

  • 何を目標にしたか
  • 自分は何を担当したか
  • 途中でどんな問題が起きたか
  • どう考えて解決したか
  • チームにどのように貢献したか
  • 経験を次にどう生かしたか

順位や賞だけでなく、そこまでの過程が自分の経験として残ります。

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まとめ

この記事では、高専生が参加できる大会・コンテストを紹介しました。

  • 高専には、全国高専体育大会やロボコン、プロコンなど独自の全国大会があります。
  • 近年はAI・通信・防災・起業・セキュリティに加え、材料・半導体・宇宙など専門分野に特化した大会も増えています。
  • 高専1〜3年生を中心に、科学オリンピックやパソコン甲子園、SuperCon、科学の甲子園、JSECなどにも挑戦できます。
  • 大会を選ぶときは、興味だけでなく学年、参加資格、チーム人数、活動期間も確認することが大切です。

気になる大会が見つかったら、まず公式サイトで今年度の参加資格と募集時期を確認してください。そのうえで、学校内に経験者がいないか先生や先輩に聞いてみると、参加までの道筋が見えやすくなります。

高専の5年間には、授業以外にも専門性を試せる機会がたくさんあります。最初から全国優勝を目指す必要はありません。まず1つ、自分が面白そうだと思える大会に参加してみてください!

ライター情報

熊本高専 人間情報システム工学科
ハルキ
情報系の高専生。趣味は写真。

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