高専生の英語のレベルは?英語プレコンって何?

高専生は英語ができないって本当?

「高専生は英語ができない」と言われているのを耳にしたことはありませんか?

実際に高専生の英語力は低いのか、現役高専生の目線で紹介します。

また、高専生が参加出来る英語コンテストの1つである「プレコン」について出場経験のある私が詳しく紹介します!

高専生は英語ができないと言われる理由

結論として、高専生全員が英語ができない訳ではありません。英語が得意な高専生も、もちろんいます。では、高専生が英語ができないと言われてしまう理由はどこにあるのでしょうか。

高専生は理系だから

高専にある学科の大半は理系の学科です。※1

高専に興味がある、高専を受験しようと思っているあなたも、数学や理科といった理系科目が好きなのではないでしょうか?高専入学後の定期テストでは、専門科目の勉強やレポート提出に追われて、英語の勉強は疎かになりがちです。

POINT ※1:一部の高専では、5. 5年制の商船学科という学科や、国際ビジネス学科などの文系の学科も存在します。

高専で行われる授業や教科書が易しいから

実際に高専で行われている英語の授業は大学受験を前提としていません。また、授業のカリキュラムが理系科目を重視したものになります。そのため高専の先生が難しい英語の授業をすることは少ない傾向にあります。

授業内で使われる教科書は高校生、大学生と同じものを使うことが多いです。

高専生に英語力は必要?

卒業研究で必要なことも

理系だからといって、英語から逃れられる訳ではありません。卒業研究をする際に、他の研究機関や大学がどのような研究を行っているのか、最新の情報を得るために英語の論文を読まないといけないことがあります。また、自分の研究を国際学会で発表する際には英語で発表する必要があります。

進学や就活でTOEICのスコアが重要?

英語力は、高専卒業後の進路を決める際にとても重要となってきます。英語の試験の代わりにTOEICのスコアを提出する場合があり、最近その傾向が増えています。また、就職活動においても応募先の企業にTOEICのスコアの提出を求められる場合があります。英語の勉強をするとしないとでは将来の進路決定に影響を及ぼしそうですね。

高専英語プレコンとは

「高専生は英語ができない」と言われることもある中、全国の英語が得意な高専生が集まるアツいコンテストがあります。それが「全国高等専門学校英語プレゼンテーションコンテスト」通称「プレコン」です。全国大会となると会場規模も大きくなり、会場は東京の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されます。

どんなコンテストなの?

プレコンは、ロボコン(ロボットコンテスト)、プロコン(プログラミングコンテスト) 、デザコン(デザインコンペティション)と並ぶ、高専の「4大コンテスト」の一つです。高専生の英語表現力の向上、高専間の親睦、交流、グローバルな技術者の育成を目的に、2007年度から行われています。発表内容のオリジナリティ、構成、英語の発音、プレゼン力、チームワーク等の幅広い審査基準で評価されます。審査員は、日本人1人、外国人2人の3人です。私は2022年度の第16回大会に2年生の時に参加しました。

プレゼンするテーマについて

プレコンで発表するテーマは自由で、高専生らしいテーマのものが毎年多く発表されています。しかし、専門的すぎて難しい内容はNGとされています。私は「防災」をテーマに発表しました。

シングル部門

プレコンの競技には2種類あります。1つはシングル部門です。1人で1つのテーマを、パワーポイント等を用いて英語で発表します。制限時間は5分で、発表終了後には審査員の方と英語で質疑応答を行います。優勝者には、「全国高等専門学校連合会会長賞」が授与され、1位から3位までの入賞者には、賞状及びメダルが授与されます。

チーム部門

もう1つがチーム部門です。1チーム3人で1つのテーマを、パワーポイント等を用いて英語で発表します。制限時間は10分で、3人の話す量に偏りが無いようにする必要があります。シングル部門と同様、発表終了後には英語で質疑応答を行います。優勝チームには、「文部科学大臣賞」が与えられ、1位から3位までの入賞チーム9名全員に賞状及びメダルが与えられます。これらの他に、特別賞として「COCET賞」、「日本国際連合協会会長賞」。「日本能率協会会長賞」があります。プチ自慢を挟んで恐縮ですが、私はこのチーム部門で優勝をしました。

交流会

プレコンはシングル部門とチーム部門で合計2日間行われます。そして1日目の終わりにプレコン出場者だけが参加できる交流会があります。主幹校の高専が企画、運営をしてくださり、全国の高専生と交流することが出来ます。

地区大会、予選

全国大会に進む前に、地区や同じ高専内で出場志望者が多い場合は、学内予選が行われる場合があります。シングル部門では、オンラインまたはオフラインで各地区から2名選抜し、全国大会出場者16人を決定します。

チーム部門では、近畿地区のみ地区別のチーム選抜を行い、上位2チームが全国大会に出場することが出来ます。全国大会に出場出来るのは10チームのみなので、出場志願者多数の場合には他の地区でも予選が行われる場合があります。

出場してみた感想

実際に会場で高専生のプレゼンテーションを聞いて、高専生の英語のレベルの高さにとても驚きました。また、審査員の方々や、他高専の学生、先生とも交流することが出来てとても楽しかったです。海外留学をしたことがある学生や、英語学習に積極的に取り組む学生の話を聞いて、良い刺激をもらい、英語の勉強を頑張ろうというモチベーションになりました。

プレコンの経験を通して、自分の表現力を高めることが出来たと思います。英語に興味がある方、他高専の高専生と交流したい高専生にはぜひ参加してみてほしいです!

高専入試でも英語は重要!

本記事では、高専生の英語レベルや、英語プレゼンテーションコンテスト「プレコン」について紹介しましたが、高専生活や高専入試においても、英語は非常に重要です。受験する高専によっては、英語に傾斜配点がかかる場合もあるため、いち早く英語力を身につけることが周りの受験生と差をつけるチャンスです!

ライター情報

ニックネーム:びっきー

奈良高専電気工学科に所属する女子高専生。第二種電気工事士の資格取得。茶道部部長。趣味はバレエを踊ること。