
高専入試数学の特徴と出題形式を整理
大問1〜4の構成と配点イメージ
高専入試の数学は、基本的に大問4つ構成です。
大問1は「小問集合」と呼ばれ、計算や方程式、関数や図形などの小さめの問題が、1問1答形式でたくさん並びます。ここだけで約40点分を占めるケースが多く、「落としたくないゾーン」です。
大問2〜4は、単元別・テーマ別の大問です。
- 大問2:放物線と直線などの関数問題が定番
- 大問3:平面図形・空間図形・文章題・規則性など
- 大問4:プログラミング的な関数問題や数列など、高専らしい発想力問題
というイメージで出題されます。
教科書レベルの内容に、少しひねった状況設定を加えた「実戦問題」が中心です。
普通高校入試との違いと注意点
普通高校の入試では、大問が6〜8個あることも多く、1つの大問はそこまで長くないことが一般的です。
一方で高専入試では、大問が4つと少ない代わりに1つの大問の文章量が多く、深掘りされているのが特徴です。
同じ図や設定のまま、(1),(2),(3)…と進むごとに条件が変化していきます。
このとき、
- 新しく追加された条件
- そのまま引き継がれる条件
をきちんと整理できないと、途中で話が合わなくなり、失点につながります。
「大問が少ないから簡単そう」と油断してしまうのは危険です。
長い文章を読み切る集中力と、条件整理のスキルが必要になることを、早めに意識しておきましょう。
条件が変わる問題を読み解くコツ
「変わる条件」と「変わらない条件」を整理する
高専入試の数学でよくあるのが、「途中で条件が変わる問題」です。
たとえば、最初は「二等辺三角形」と書いてあったのに、(1)だけ「正三角形になりました」と変わり、そのあとまた二等辺三角形にもどる…というような流れです。
ここで、「さっき正三角形って書いてあったから、ずっと正三角形なんだろう」と思い込んでしまうと、気づかないうちに条件を読み違えることになります。
対策としては、
- 問題文を読みながら、条件を図にメモする
- かっこごとに「変わった条件」「変わっていない条件」をチェックする
という2ステップを徹底するのがおすすめです。
面倒に感じるかもしれませんが、このひと手間で後半の失点をかなり減らせるようになります。
実験のイメージで長い大問に慣れる
高専は、実験や実習が多い学校です。
入試問題も、「条件を少しずつ変えながら結果を比べる」という実験のような発想で作られていることがよくあります。
図形の一部だけを動かしたり、関数の一部の値だけを変えたりしながら、「条件を1つ変えると、何がどう変わるのか?」
を考えさせる問題が多いのは、そのためです。長い大問を前にしたときは、「今のかっこでは、どんな実験をしているのか?」 という視点で読み進めてみてください。単なる「長い計算問題」ではなく、「条件を動かしながら考える問題」として見えるようになると、少しずつ怖さが減っていきます。
中3数学をいつまでに終える?予習の重要性
相似・円・三平方が高専入試で重要な理由
高専入試数学では、中学3年の後半で習う
- 相似
- 円
- 三平方の定理
の3単元が、得点のカギになります。
図形問題だけでなく、関数+図形の問題でもこれらの知識を使う場面が多いので、ここができるかどうかで得点の上限が変わると言っても過言ではありません。
公式を暗記するだけでなく、
「どんな図で、どのように使うのか」 まで理解していることが大切です。
この3単元が未習・不十分な状態だと、「本番でそもそも手を出せない問題」が増えてしまいます。
逆に、ここが早めに仕上がっていれば、高専入試の問題の多くが「知っている技で戦える」状態になります。
予習完了から演習期までのスケジュール例
理想的なイメージとしては、次のような流れです。
中3の1学期〜夏休み:中1〜中3の内容を一通り復習+予習して、相似・円・三平方まで終わらせる
中3の2学期:入試レベルの問題集や高専向けテキストで、実戦的な演習を積む
冬休み〜直前期:過去問と高専模試で、本番形式の演習と時間配分の練習をする
もちろん、スタート時期や今の学力によって変わりますが、**「予習を早く終えて演習時間を確保する」**という方針は共通です。
ステップ別!高専入試数学の勉強ロードマップ
ステップ1:大問1で土台の40点を固める
最初の目標は、大問1で40点近くを安定させることです。
大問1は小問集合で、
- ステップ数が少ない
- 毎年似た形式の問題が多い
- 基礎力がしっかりしていれば得点しやすい
という特徴があります。ここを取りこぼしてしまうと、他の大問で取り返すのがかなり大変です。
逆に、大問1でしっかり稼げるようになると、「数学が苦手」という受験生でも合格ラインがぐっと近づきます。
ステップ2:大問2〜4前半で合格ラインを目指す
ステップ1で大問1が安定してきたら、次は大問2〜4の**前半(1・2)**に力を入れます。
これらの問題は、文章こそ長いものの、やるべきこと自体は大問1と同じくらいシンプルな場合が多いです。
- 関数の式の係数を求める
- グラフと直線の交点を求める
- 図形の長さや角度を求める
といった基本問題が、「長い設定」の中に埋め込まれているイメージです。
大問1で40点前後、各大問の前半で半分〜それ以上取れれば、合計70点ラインが見えてきます。
多くの高専で「合格圏」に近づく目安になる点数なので、まずはここを狙っていきましょう。
ステップ3:後半の難問で得意単元を伸ばす
70点前後が安定してきたら、大問2〜4の後半にチャレンジしていきます。
ここは、見たことのない状況設定、一段階抽象度の高い問いが増えるゾーンです。
全部解けなくても大丈夫なので、関数が得意なら関数系の難問、図形が得意なら図形系の応用問題
といった形で、「得意分野から」攻めていきましょう。
このレベルの問題は、合格ラインを超えて上位を目指す人向けの加点ゾーンと考えると、気持ちも少し楽になります。
1日1問!大問1レベルで数学脳を鍛える
スキマ時間でできる小問演習のやり方
数学は、短期間にまとめて勉強するよりも、毎日少しずつ続ける方が伸びやすい科目です。
特に高専レベルになると、「考え方のクセ」を育てることが大切になるので、毎日問題に触れる習慣を作るのがおすすめです。
そこで提案したいのが、
「1日1問、大問1レベルの問題を解く」
というシンプルなトレーニングです。
- 難しすぎないが、少し考える必要がある
- 計算力・図形のイメージ力・関数の感覚をバランスよく鍛えられる
- 1問10分程度で終わる
といった問題を毎日続けるだけで、計算のスピードと正確さ、文章を読む集中力が少しずつ上がっていきます。
YouTubeやSNSの類題を使うときの注意点
YouTubeやInstagramの類題を使うときは、
「解説だけ見て分かった気になる」
状態で終わらせないことが大切です。
おすすめの流れは、
- まずは自分で最後まで解いてみる
- 解説を見て、どこでつまずいたのかを確認する
- 間違えた問題は印をつけておき、数日〜1週間後にもう一度解く
という3ステップです。
「前は解けなかった問題が、今はすぐに解ける」
という経験が増えると、数学への自信も少しずつ戻ってきます。
通学時間やスキマ時間に取り組みやすいので、習慣として取り入れてみてください。
高専模試で本番の1日をシミュレーション
通し受験で体力と集中力をチェック
高専入試本番は、朝から夕方まで5教科を受ける長丁場のテストです。
問題の難易度だけでなく、「1日を走り切る体力と集中力」も合否に大きく影響します。
そこで活用したいのが、高専模試です。
特に直前の回は、本番と同じ時間割で通し受験をすることで、入試本番の1日を丸ごとリハーサルできます。
- 朝いちの数学で、どれくらい頭が動くか
- 昼食後の教科で、どれくらい眠くなるか
- 最後の教科で、どれくらい集中力が残っているか
といった感覚をつかんでおくと、残り期間で何を調整すべきかが見えやすくなります。
起床時間・食事・休憩を本番仕様にする
模試を本番シミュレーションとして使うときは、できるだけ当日の流れを再現するのがおすすめです。
- 入試当日に起きる予定の時間に起きる
- 当日と同じくらいの量・時間帯で朝食と昼食をとる
- 休憩時間も、本番と同じように過ごしてみる
こうすることで、
「昼ご飯を食べ過ぎて午後に眠くなった」
「逆に少なすぎて途中からお腹が空いて集中できなかった」
といった失敗を、模試の段階で経験しておけます。
本番さながらの1日を何度かこなしておけば、自分に合った起床時間・食事量・休憩の取り方が見えてきます。
受験直前期は、勉強内容だけでなく「当日のコンディション作り」まで含めて準備していきましょう!

市販教材だけでは危険?テキスト選びの注意点
私立向けハイレベル問題集の落とし穴
高専入試の数学は、基本的に中学校の教科書の内容で解けるように作られている試験です。
一部、数列やプログラミング的な内容など中学範囲外のテーマも出ますが、その場合も問題文に導入が書かれていて、「その場で読みながら解ける」ようになっています。
一方、私立高校の難関校向け問題集には、教科書のコラムに載っているような発展内容、授業で「飛ばしていい」と言われるレベルの高度な分野などがふくまれていることが多く、高専入試の範囲とズレているケースも少なくありません。
レベルとしては確かに難しいのですが、 「高専入試本番ではほとんど出ない方向の難しさ」
であることも多く、時間のわりに得点につながりにくいのが実情です。
高専専用教材・講座を使うメリット
高専専用の教材や講座を使うと、
- 高専入試で本当に必要な単元にしぼれる
- 出題されやすい形式に合わせて演習できる
- 難しすぎるだけの問題を避けられる
というメリットがあります。
市販教材を工夫して使うことも可能ですが、 「どこまでやれば十分か」「どの単元を優先すべきか」 を受験生本人が判断するのは、かなり大変です。
時間をムダにせず、最短ルートで合格点を目指したい人ほど、 高専専用の情報や教材も積極的に活用してほしいところです。
高専入試数学対策で冬期講習をどう使う?
ベーシックコースで頻出分野を一気に仕上げる
冬期講習の学力入試対策コース(ベーシックコース)では、
高専入試の数学における**「ここだけは外せない」頻出分野**にしぼって対策を行います。
全5コマのうち、
- 2コマ:大問1特化(予想問題を使った小問集合の徹底演習)
- 残り:関数・関数の文章題・空間図形など
という構成で、短期間で効率よく得点源を作ることをねらっています。
「何から始めればいいかわからない」「自分で演習の順番を決める自信がない」という人にとって、
勉強の軸を作る講座として活用しやすい内容です。
プレミアムプランで大問4レベルまで網羅する
さらに上位校を目指したい人や、数学を得点源にしたい人向けには、
大問4レベルの問題までカバーできる発展的な講座や教材も用意されています。
プログラミング的な関数問題、数列、複雑な空間図形など、
独学では手を出しにくい分野も、
- 映像授業
- オリジナルテキスト
を組み合わせて学べるため、発想力を鍛えたい人にとって心強い環境です。
「難しい問題の解き方」を覚えるだけではなく、 どう問題文を読み解き、どこから手をつけるかという思考のプロセスまで身につけることで、高専入学後の数学・専門科目にもつながる力を育てていくことができます。
無料勉強相談って??
「高専に行ってみたいけど、勉強についていけるか心配…」、「受験対策は何から始めればいいの?」と不安に感じている方もいるかもしれません。そんな方のために、高専入試に特化した学習塾・ナレッジスターでは無料の勉強相談を実施しています。高専受験のプロである講師陣が、一人ひとりの状況に合わせてアドバイスしますので、安心してご相談ください。あなたもナレッジスターと一緒に、高専合格への一歩を踏み出してみませんか?きっと夢への道筋が見えてくるはずです!
まとめ:高専入試数学で合格点を超えるために
高専入試の数学で合格点を超えるために、一番大事なのは**「優先順位」と「順番」を間違えないこと**です。
- 中3内容、とくに相似・円周角・三平方をできるだけ早く終わらせる
- 大問1を徹底的に鍛え、40点近くを安定させる
- 大問2〜4の前半で、70点ラインを目指す
- 余力があれば、後半の難問で得意単元を伸ばす
- 高専模試で本番の1日をシミュレーションし、コンディションも整える
- 市販教材だけに頼りすぎず、高専専用の情報や教材も取り入れる
この流れを意識して勉強すれば、「今からでも間に合うかな…」という不安を、少しずつ「これをやればいい」という具体的な行動に変えていけます。
今日から、まずは大問1レベルの小問を1日1問解くところから、一歩ずつ進んでいきましょう。
高専入試数学に関するQ&A
Q1. 数学の対策を本格的に始めるのはいつがいいですか?
A. 理想は、中3の夏までに中学数学の内容を一通り学び終え、秋以降は入試レベル演習と過去問に集中できる形です。
ただし、スタートが遅れている場合でも、「今から入試までに何ができるか」を逆算して計画を立てれば、十分に巻き返すことは可能です。
Q2. 高専入試の過去問は何年分くらいやるべきですか?
A. まずは直近3年分を、本番と同じ条件で時間を計って解き、そのあと解き直しと振り返りを行うのがおすすめです。余裕があれば、それ以前の年度も追加していきましょう。
Q3. 数学が苦手でも、高専合格は狙えますか?
A. 大問1と各大問の前半問題をしっかり取ることができれば、合格ラインに届く可能性は十分あります。 難しい問題を全部解く必要はありません。
「落としてはいけない問題」を確実に取ることを、いちばん大事な目標にしていきましょう。
Q4. 市販教材だけで対策するのはやめたほうがいいですか?
A. 市販教材が完全にダメというわけではありませんが、 高専入試と私立高校入試では「範囲」と「難しさの方向性」がちがうことがあります。
高専の過去問や、高専専用の教材・講座と組み合わせて、**「どの問題を優先して解くか」**を意識しながら使うのがおすすめです。
Q5. 保護者として、数学対策で手伝えることはありますか?
A. 問題の内容を直接教えるのがむずかしくても、
- 勉強時間やスケジュールの相談相手になる
- 模試の結果や過去問の振り返りを一緒に整理する
- 生活リズムや体調管理をサポートする
といった形で、お子さんの受験を支えることができます。

ライター情報
仙台高専マテリアル環境コースを卒業。
ニックネーム:nao
研究室では化学を専攻。コガネムシの研究をしていました。
趣味は野球観戦。楽天イーグルスを応援している仙台っ子です。










