高専卒の進路って、どんな感じかご存知ですか?
「就職に強いって聞くけど、どこに就職できるの?」「大学にも行けるって本当?」
そんな疑問を持つ保護者の方も多いのではないでしょうか。
実は高専は「高校+専門学校」のような5年制の学校で、専門性の高い教育を受けながら、
“準学士”の資格まで取得できます。就職率はほぼ100%、大学3年次への編入も可能と、魅力がたくさん。
この記事では、高専卒の進路について「大学編入」「就職先」「年収」「専攻科・大学院」まで、最新データをもとにわかりやすく解説していきます。
高専の進路は、知っているかどうかで大きく差がつきます!
ぜひ最後までご覧いただき、進路選びの参考にしてください!

高専からの大学編入実績&偏差値帯
高専を卒業したあとの進路のひとつに、「大学に編入する」という方法があります。
これは、高専の5年生まで学んだあとに、大学の3年次に入ることができる制度です。
編入先は、長岡技科大や豊橋技科大などの技術系大学をはじめ、旧帝大や難関国公立大学にまで多岐にわたります。
また、編入試験は推薦と学力の2方式があり、評定や英語資格、研究内容の準備など、早期の対策が求められます。
このあと、高専から大学に編入するためのポイントをわかりやすく説明していきます!
進学を選ぶ場合、工業系大学への編入と専攻科と呼ばれる学科に進む選択肢があります。
難関と言われる国立大学や東大、京大、東工大などへの編入ができる所は高専の強みです。
今回はこの編入の部分を詳しく説明していきます。
①高専生の編入先ランキングと特徴
2024年度には、高専から 長岡技術科学大学 と 豊橋技術科学大学 という2つの大学に、あわせて約900人が合格しました。これらの大学は、毎年多くの高専生が進学する人気の進学先です。
そのほかにも、東北大学・名古屋大学・大阪大学・九州大学・北海道大学といった有名な国立大学にも、150〜180人ほどが進んでいます。
また、東京大学や東京工業大学などのトップレベルの大学に合格する人も、毎年10〜30人ほどいます。
どの大学も、主に理系の学部の 3年生 から入学する形になっていて、専門的な勉強にくわえて、英語力(TOEIC 600点以上など)も重視されることが多いです。
順位 | 編入先大学 | 合格者数(令和7年度確定) | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 豊橋技術科学大学 | 503 名 | 技科大西日本側受け皿。入学者 414 名。 |
2 | 長岡技術科学大学 | 405 名 | 技科大東日本側受け皿。定員 360 名+第2志望合格分。 |
3 | 九州大学(工) | 48 名 | 推薦 27+九州沖縄特別 21。一般分は 8 月 PDF 公開待ち。 |
4 | 大阪大学(工・基礎工) | 30〜40 名 | 2学部合計。年度差あり。 |
5 | 名古屋大学(工・情報・農) | 25〜35 名 | 後期分の公開待ち。 |
6 | 東北大学(工・理・農ほか) | 25 前後 | 推薦 20 名+一般若干名。 |
7 | 横浜国立大学(理工・都市科学) | 20 名 | 高専枠のみ。 |
8 | 北海道大学(工・総合理系) | 18 前後 | 特別選抜 16 名+一般数名(速報値)。 |
9 | 東京大学(工) | 10〜15 名 | 数学+専門+面接。 |
10 | 東京工業大学 | 10 名程度 | 理工学院など若干名。 |
※「合格者数」は各大学の入試実施要項・過去 5 年分の開示 PDF・大学広報資料から得られる最新値をもとにした概算です。公表がない大学は募集人員と例年の充足率(7〜9 割)で推定しています。年度によって変動が大きい点にご留意ください。
✅ 要点まとめ
- 編入率:約25%(4人に1人)
- 偏差値帯:55〜65が中心、難関校は65+
- 口頭試問:卒研テーマの深掘り質問が定番
- 英語試験:TOEIC600点以上で免除の大学が増加
② 高専から大学編入する場合の試験と対策
高専から大学に進学する方法には、大きく分けて「推薦」と「一般入試(学力試験)」の2つがあります。
推薦
学校の成績(評定)がよい人から選ばれます。学校の中で成績が上位なら、試験を受けずに合格できる大学もあります。
一般入試(学力試験)
主に数学・専門の教科・英語のテストがあります。大学によっては、TOEICや英検のスコアを出せば、英語のテストがいらないこともあります。
また、多くの大学では「面接」も行われます。面接では、自分が研究している内容や今後やりたいことを説明し、それについて先生たちから質問されます。
そのため、早いうちから学校の成績をしっかり保ち、英語の資格にも挑戦しておくことが大切になります。
③ 編入を成功させる高専年間スケジュール
大学への編入試験は、夏休み(7〜8月)に行われることが多く、出願(しんせい)はその前に締め切られます。
そのため、試験に向けた準備は早めに始める必要があります。
たとえば、次のような流れで計画を立てると、あわてずに本番をむかえることができます。
時期 | やること | なぜこの時期に必要? |
---|---|---|
3年の春 |
– 成績(評定)をチェック – 英語のテスト(TOEICや英検)の目標点を決める |
学校の成績がいいと「推薦」で大学を受けられるチャンスが広がります。 英語のスコアも大学によっては試験の代わりになるので、早めに目標を立てて準備しておくと安心です。 |
4年の夏 |
– 行きたい大学の情報や過去の問題を集める – 卒業研究のテーマを決める |
大学によって試験の内容が違うので、過去問を早めに集めておくと後で勉強しやすくなります。 研究テーマを決めると、試験の面接でも話しやすくなります。 |
5年の春 |
– 書類を準備する(成績表や研究のまとめなど) – 推薦をもらうための校内選考を受ける |
大学への申し込みは夏の前にしめ切られることが多いです。 書類を早めに準備し、学校の中で推薦をもらえるように動いておくと安心です。 |
5年の夏 |
– 筆記試験や面接を受ける – 9〜10月に合格発表 |
試験は多くの大学で夏休み中に行われます。 結果が出るのは秋なので、そのあとに進学先を決めることができます。 |

高専生の就職先トップ10と平均年収
2024年度も、高専生の就職はとても人気が高く、「売り手市場」が続いていて、
就職を希望する高専生1人に対して、企業からの求人が約20件もあるという状況です。
その求人の主な業界はインフラ(電車や道路など)や医薬、化学、電気などが多く、
これらの仕事では、高専で学んだ専門的な知識や技術を活かして働くことができます。
ここでは、実際に高専生が就職した人気の会社トップ10と、その後のお給料の目安を紹介します。
卒業後の進路を考えるヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
高専卒が選ばれる理由
高専卒の人が企業から高く評価される一番の理由は、5年間を通して理論と実践の両方を専門的に学べるカリキュラムにあります。
また、就職活動では「1人1社」制度の推薦採用が基本となっており、非常に高い内定率を誇ります。
入社後も、専門職としてのスタートになるため、昇給のスピードが早い傾向があります。
さらに、統計によると、30代前半の平均年収はおよそ450万円が一つの目安となっています。
✅ 要点まとめ
- 推薦枠:「1人1社」なので内定率が高い
- 初任給・昇給:専門職スタートで昇給が早い
- 平均年収:30代前半でおよそ450万円
高専生に人気の業界・企業
業界 | 代表企業 | 初任給例 | 30代モデル年収* |
---|---|---|---|
インフラ | JR西日本 | 23.5万 | 620万 |
医薬 | 第一三共 | 23.8万 | 800万超 |
化学 | 旭化成 | 22.8万 | 720万 |
電力 | 関西電力 | 22.5万 | 750万 |
※企業有価証券報告書値をもとに独自換算
③ 学校推薦と自由応募の進め方
高専生の就職活動には、大きく分けて「学校推薦」と「自由応募」の2つがあります。
学校推薦
5年生の7月〜10月ごろに選考が集中します。学校からの推薦は、原則1人1社まで。
成績が上位の人から希望の会社に応募できる仕組みになっているため、1〜4年生の間に良い成績(評定)を取っておくことがとても大切です。
自由応募
自由応募では、いくつかの会社に同時に応募することができます。
その中でも特に大きなチャンスになるのが、4年生の夏に行われる「サマーインターン」です。
インターンで経験を積んだり、社員の人たちと関係を作ったりすることで、秋〜冬の本選考で内定をもらいやすくなります。
今ではこの方法が主流になりつつあります。
どちらの方法を選ぶにしても、早めに情報を集めて、成績やインターンの準備を進めておくことが大切です。
高専生には約20倍の求人があると言われており、そのチャンスを活かすためにも、計画的に動くことが重要になります。
高専専攻科・大学院への進学ルート
高専を卒業したあとには、「専攻科 → 大学院」と進む道もあります。
まず、同じ高専にある「専攻科」に進むと、本科の5年間に加えて、あと2年間、同じ学校・同じ先生のもとで学びを続けることができます。つまり、合計で7年間、落ち着いた環境で専門的な勉強や研究に取り組めるのが特長です。
さらに、専攻科のあとに大学院に進めば、AIやロボット、環境技術など、今注目されている分野の研究にチャレンジすることもできます。
「もっと深く研究したい」「最新のテーマに取り組みたい」という人にはぴったりの進路です。
そしてこのルートの大きなポイントは、大学→大学院と比べて学費が大幅に安くすむこと。高専から進学することで、費用をおさえながらしっかり学びを続けられます。
このあと、
「費用のちがい」
「卒業後の進路(就職・研究職など)」
について、くわしく説明していきます!
①高専専攻科のカリキュラムと費用
高専専攻科で学べることと費用
専攻科は2年間。長期インターンや海外学生とのPBL(課題解決型学習)など、
実験・プロジェクト重視の授業が増えています。
修了すると 「学士(工学)」 を取得でき、
そのまま大学3年次修了と同じ扱いで大学院(修士課程)へ進めます。
専攻科年間授業料 | 2年間合計 | 備考 |
---|---|---|
専攻科 23万4,600円 | 約47万円 | 本科4・5年生と同額 |
進学ルート別費用比較 | 入学金 | 授業料合計 | 進学年数 | 合計めやす |
---|---|---|---|---|
高専→専攻科→大学院 | 8万4,600円 | 約270万円(本科5年+専攻科2年+大学院2年) | 9年 | 約280万円 |
大学→大学院 | 28万2,000円 | 約320万円(大学4年+大学院2年) | 6年 | 約350万円 |
※国立大「標準額」535,800円/年で計算。東京大など一部大はさらに上がるため差額は大きくなる場合があります。(nagaoka-ct.ac.jp, eic.obunsha.co.jp)
② 高専からの大学院進学で広がるキャリア
2024年3月に専攻科を卒業した学生のうち、およそ55〜60%が大学の大学院(修士課程)に進学しています。
進学先の大学では、AI(人工知能)や脱炭素、バイオ分野などの最新の研究室で学び、海外の学会で研究成果を発表する学生も少なくありません。
修士課程を終えたあとには、さらに博士課程へ進む人や、企業の研究所・専門性の高い職種に就く人も多く、進路の可能性が大きく広がっています。
高専生の進路決定フローチャート
① 自己分析で土台づくり
まずは、自分の「どんなことに興味があるか(研究を深めたいのか、実際に働きたいのか)」という志向と、
「どんな働き方をしたいか(収入・勤務地・新しいことへの挑戦など)」という価値観を整理しましょう。
これが、進学か就職かを選ぶときの判断の軸になります。
②評定・英語資格・課外活動を“数字と実績”で見える化
・評定平均(GPA) は、推薦での編入や就職の基準になります。4年生の終わりまでに 4.0以上 を目指すと、選べる進路の幅が広がります。
・英語資格 は、TOEIC 600点以上(大学によっては650点) や、英検準1級が目安です。多くの大学では、英語の試験を免除したり、加点する基準に使われています。
・課外活動 は、ロボコンや学会発表、ボランティアなど、自分の熱意が伝わる経験があると、面接で強みになります。
③ 家族・学校と連携してスケジュールを立てる
🎯 ステップ例
- 3年春:家族と話し合い、進学か就職かの方向性を確認する
- 4年春:担任や進路室と面談して、受験や就活のカレンダーを整理する
- 5年春:書類や面接の準備を家族と共有し、模擬面接でシミュレーションする
この3つのステップ、
「自分を知る → 資格や実績を整える → 周りとスケジュールを共有する」
という流れをしっかり意識して進めていけば、進路の決定もスムーズに進みやすくなるので、
ぜひ活用してみてください!
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