高専の推薦入試は「評定が高くないと受からない」や「評定平均が4.5以上必要」とよく言われますが、実際は評定が高くないと推薦合格はできないのでしょうか。
今回は、高専の推薦入試を考えている中学生と保護者様に向けて、推薦評定ギリギリだった高専生が推薦入試の乗り越え方を解説します。
高専入試の選抜方法について
全国の高専では大きく分けて3つの受験形態があります。
推薦入試、学力入試、帰国生特別選抜の3つです。まだ、高専の入試概要や高専入試の仕組みを知らない方はこちらのブログを参照してください。
高専の推薦入試は評定が高くないと落ちるのか!
結論から言えば高くないと必ず落ちるというわけではありません。安心してください!
推薦受験時に心配しすぎていた中学3年の自分
ここから、私の中学時代の体験記を書かせて頂きます。
私の中学生時代の数学の評定は、3年間通して平均3.0~4.0、理科は3.0と、高専入試で肝となる理数科目がかなりピンチな状況でした。音楽や技術・家庭科などの副教科で評価を得ていたので理数科目をカバーすることはできましたが、9教科の平均評定は4.0と自分が受ける高専の推薦最低ラインぎりぎりでした。
インターネットで「高専推薦 評定」と検索かけると「4.5以上必要」、「推薦基準ぎりぎりだと受からない」など、不安になる記事が多く、受験する前から自分は落ちるんだと思い込み、心配することが多くなりました。私のように受験前に不安・心配に思う中学生の方も多いのではないでしょうか。
しかし、今思えば心配にかけた時間が非常にもったいなかったと感じています。
評定・内申点が低くて不安な方にアドバイス!
実際のところ、高専の推薦入試で中学校での評定が重要であるのは確かで、合否を決める要素として大きな割合を占めています。しかし、合格した人がみんな高い評定であったというわけではありません。私の同級生でも平均評定が4.1や4.2で合格してる人もいます。
ただ、不合格の場合の可能性もあり得るので、受かったらラッキーというマインドで試験に挑みましょう。不合格でも学力入試があるので、過度に心配する必要はありません。推薦入試に全掛けするのは絶対にやめて、推薦入試対策(作文・面接)をしつつ学力入試の対策も並行して行いましょう。
また、ネット上の情報を鵜呑みにするのは不安に繋がるだけなのでむやみに検索をするのはおススメできません。自分の評定で合格するか不安になる気持ちはすごく分かりますが…
とにかく、推薦入試では合格したらラッキー程度で意識しておくことが大事です!
推薦入試対策
私が受験時に行なっていた推薦入試対策を紹介します。試験科目で作文(小論文)があるところ、口頭試問があるところなど、各高専によって様々なので、はやい段階で入試の募集要項を確認しましょう!
作文(小論文)
作文では、1時間で600字以内の作文を書く課題が与えられます。(仙台高専の場合)
作文の内容は年ごとに変わるので、試験の時に対応できるように時事問題、社会変化などの知識を身につけておくと良いです。
はじめに過去問の内容を一度自分で書いてみて、学校の国語の先生や塾の先生に内容や書き方などを確認してもらいましょう。修正・練習を重ねることで、どのような文構成で作文を書いたらよいか、伝わりやすい文章の作り方など、様々なコツが見えてくるはずです。
また私の場合、一通り過去問の内容で作文を書き終えたら学校の先生や塾の先生に出題されそうな内容を聞いてその内容で作文を書いてました。
作文も練習が大切です!
面接
面接はどの高専の推薦入試でも実施されます。また、集団面接ではなく、個人面接の場合が多いです。受験者1人に対して、面接官が3〜4人、面接時間はおよそ10〜15分程度です。聞かれることは、志望動機、学校生活のこと、自分の長所・短所、将来の夢など、一般的なことを聞かれることが多く、1~2個ほどやや難しいことがあります。私は「SDGsの身近な例を挙げどのように解決したらいいか」と聞かれました。
実際に面接の時は緊張しました。当時の私は頭が真っ白になりましたね。
言いたいことが言えないということも考えられるので、事前に面接の練習も多くしておくと良いです。
中学校などで面接練習を行なってくれると思います。その際は、ひとりの先生に面接をしてもらうのではなく、何人かの先生と練習すると先生によって聞いてくる内容が違うのでとても練習になります。
面接前には深呼吸をして、面接本番では、「自分を知ってもらおう」という気持ちで挑み、落ち着いて受け答えしましょう!
評定に自信がない人は部活・課外活動に力を入れよう!(中1~中2向け)
資格、検定、自由研究の評価は?
評定に自信がない場合は英検、数検などの実用技能検定の資格を取り、課外活動に積極的に参加することがおススメです。私の場合、英検・数検の他に夏休みの自由研究を毎年行なってきました。
中学1年生の時から中学3年生まで継続して自由研究を行い、入賞などすると課外活動の面で大きく評価がされる可能性があります。特に自由研究は推薦入試の面接で大きな強みになります。
実際に面接時に、自由研究の内容を沢山質問されました。夏休みなどで自由研究課題が出された際はしっかり取り組むと良いです。
また、部活の優勝経験や生徒会なども僅かであると思いますが評価の対象になるため、できることは全力で取り組みましょう!
ここまでの内容で、ご不明な点はございましたか?
ナレッジスターは全国の高専生、高専受験生およびその保護者様のことを第一に考え、皆様のための情報を発信しております。
もし、本記事で分からないことがございましたら、どんなに些細なことでもナレッジスターの無料勉強相談へお越しください。
高専へのアピール?
受験する高専にアピールすることが合格に近づくかもしれません。
具体的には、高専が主催している体験活動や、ジュニアドクター育成塾、学校説明会、オープンスクールに参加すると良いでしょう。特に体験活動やジュニアドクター育成塾では、実際に高専の先生に教えてもらったり、高専生と一緒に実験を行なったりすることができます。中学校にはない実験器具・装置を利用して実験ができるのはとても貴重な経験になります。この経験も面接時の大きな強みになります。ぜひ高専にアピールしてみてください!
ジュニアドクター育成塾に興味がある方はこちらを参照してください。中学校の先生との接し方
中学校の先生と高専受験のことで揉めたことはありませんか?
残念なことに、高専受験のことを知らないのにでたらめな指導をする先生、インターネットに上がっている高専の情報を全て鵜呑みにしている先生がいます。実際、私の中学校の先生がそうでした。
中学校の先生に追い詰められた話
前項でも書きましたが、私は高専が定める推薦基準の最低ラインで出願しました。出願した12月に当時の主任と何度も二者面談を行い、「評定が最低ラインだから受からない」や「学力入試の合格も厳しい」、「合格しても勉強についていけない」など様々なことを言われました。当時の私は、精神的に追い込まれ、かなり落ち込んでいました。私の場合は、「絶対合格して見返してやる!」と思えたので立ち直ることができたのでよかったですが、中には立ち直れない人もいるはずです。もし、学校の先生からこのようなことを言われたらショックですよね。ですが、真に受けず気にしないのが一番です。
中学校の先生と高専受験のことで悩んだら
このようなケースは稀ではなく全国の中学校でみられています。
万が一このようなケースと似た状況下におかれた場合は、高専のプロである講師に相談するのが一番です。
正確な情報を提供してくれるので、安心できますよ!
高専の入試対策や受験勉強の方法で悩んだ際にも一度ご相談してみてください!
高専入試の無料勉強相談を希望される方はこちらを参照してください。まとめ
- 推薦評定がぎりぎり・低いからといって不合格になるというわけではない。
- 推薦入試は合格したらラッキー程度で考えておく。推薦入試に全掛けしない!
- 高専入試は併願できる。推薦入試で不合格でも学力試験がある。
- 課外活動、高専が主催するイベントに積極的に参加し、できる限りのことをする。
- 高専にアピールする。
- 中学校の先生に責められても気にしない。