【高専受験生必見!】入試までに対策すべきことや、当日までのスケジュールを現役高専生が解説!

高専受験を考えている方必見!

今回は、高専の受験方法とその対策や、勉強スケジュールを、実際の高専生の体験を元に解説します!
高専受験を考えている方は、ぜひ最後まで読んでくださいね✨

高専とは

 中学卒業から5年間を通して、エンジニア育成のために専門的な技術と知識を、身につけるための高等教育機関です。こちらの記事で、高専の特徴について詳しく解説しているので、興味のある方は是非、ご覧ください。

入試の選抜方法

 高専にはいくつかの入試方法があり、仕組みだけで言うと私立高校に近いです。

以下のような選抜方法があります。

学力選抜

 どの高専も必ず学力試験を実施します。高専によっては理数科目(数学、理科、技術)+英語などの点数を1.5倍等に科目別の重み付けを行う学校もあります。また、高専の学力試験はマークシート方式です。

試験内容は主に、中学内容の基礎定着の確認、応用問題、発展問題など、幅広く知識を問われます。

推薦入試

 推薦・特別選抜は中学の時の成績を合算して、一定の基準を満たした生徒しか受験資格を貰えません。入試内容は各高専によって異なりますが、多くの高専が実施しているものを抜粋してご紹介します。

調査書

 中学の成績や、クラス役員、先生からの評価等を調査書にまとめて出願時に提出します。この評価と当日の試験である作文・小論文、面接の結果を加味して、結果が決まります。

小論文・作文

 試験時間内に発表される、その年のテーマに沿って、『意見や事実、発明、したいこと等を約600字程度にまとめる』という試験です。

お題は、学校の教育理念や近年話題になってる社会問題、生活を支える技術など、高専やその年によって大きくかわります。私の受けた大阪高専の、小論文の2023年度のテーマは『教育理念である共生の観点で貴方が社会に貢献できることはどんなことか』で、50分間の試験でした。

面接・口頭試問

 面接は、ほぼ全ての高専で実施されており、非常に重要です。性格、考え方、勉強への姿勢等を10分〜15分程度で試験官である高専の先生と面談します。

よく聞かれるのは、以下のような内容です。

・高専を志望した理由

・高専で学びたいこと、取り組みたいこと

・将来、社会に貢献できること

・多様性を認めるために何ができるか

高専によって集団面接、個人面接のパターンがありますが、ほとんどの高専は3〜5人程度の集団面接を行えます。

 口頭試問を行う高専もあり、知識や学力を問うものです。評価基準は、知識や能力だけでなく、どのように答えるのかや、わからないときにどうするのかなどの対応力といった、筆記試験だけでは見極めづらい要素を確認しようとしています。対策としては、中学で学習する範囲を網羅的に理解しておくことが必須です。

帰国子女特別選抜

 ほとんどの高専が帰国子女のための試験も用意しており、学力試験、面接、作文とそれぞれ異なります。募集人数は若干数と少なく、こちらのブログで詳しく解説しておりますので併せてご覧ください。

入試に向けた対策

学力選抜

 中学校の学力テストで425点以上取れる人はおおよそ高確率で合格します。400点ないと少し、しんどいかもしれません。また、合格を確実にするためには、相当の努力が必要です。対策方法としては、問題の傾向を把握するために、過去問をやり込むことや、模試などの結果から苦手な分野を重点的に学習することが良いでしょう。ただ、注意点としては、高専は理系科目に特化した学校で、点数の重みづけ(傾斜配点)を行う高専もあるため、特に数学、理科、英語に力を入れて対策しましょう。

過去問の入手方法

 過去問は直近3年分であれば、高専機構の公式ホームページが5教科すべて公開しており、無料で手に入ります。また、書店で購入すれば、もっと古いものに挑戦できます。

https://www.kosen-k.go.jp/exam/kosen_navi

また、高専の入試は毎年、問題の流れが大体同じです。過去問を繰り返し解くことで、どんな傾向の問題が出題されるかがおおよそ予想できるため、効率よく対策ができるでしょう。具体的な対策方法は、以下のサイトに詳しくまとめておりますので是非ご覧ください。

推薦・特別選抜

 特別選抜の場合、合否は評定でおおよそ決まります。評定以外の点数を当日の入試で競います。学校により内容が違うので、過去問の確認は必須です。また、面接に関しては、緊張する場面に慣れるために練習回数を重ねることが大切です。校長先生や担任の先生に協力してもらい、人前でもしっかりと話せるようにしておきましょう!

評定を上げる方法

評定を上げる一番の方法は、やはり定期テストで高得点をしっかりとることです。しかし、高専を推薦で受験する人は、『定期テストで良い点数をとるのは当たり前!』というレベルの人も多くいます。そのため、定期テストの点数以外の部分で差をつけることが重要になります。

・学習態度で差をつける

評定をつけるのは学校の先生なので、積極的に授業に参加するなど、学習意欲がしっかりと先生に伝わるように頑張りましょう。真剣に取り組む生徒には入試のサポートもしっかりしてくれる可能性が高いです。特に推薦入試では、小論文の添削や、面接練習など、先生に快く協力してもらえる状況を作ることが重要です。

・地域貢献活動をする

教科の評定ではありませんが、学校周りを清掃する環境保護活動など、積極的に慈善活動に取り組むことも内申書に記載され、受験にプラスに働きます。

 受験当日までのスケジュール

 毎年、倍率が2倍近くになる高専では、だいたいの入試日程は、推薦入試が1月半ば、学力選抜は統一して2月の第2日曜に行われるため、私立・公立入試と比べて少し早く予定されています。そのため、普通高校を受ける人より、早く受験の意識を持つことが大切です。そのため、計画を立てて勉強する必要があります。公立高校を受験する人と同じペースで勉強を始めると「入試対策が間に合わなかった…」なんてことになってしまいます。そうならないために、受験日から逆算して早め早めの勉強スケジュールを立てることが重要になります。

 下の図は、ナレッジスターが考える一般入試までの効率の良い学習スケジュールです。

3〜8月は今まで習った範囲を総復習しましょう。

9〜12月は基礎・応用共に反復学習するとよいです。

1〜2月は最終調整に取り掛かりましょう。実践問題に触れて、少しでも入試問題に慣れましょう。

 もちろん、これより早く過去問を解くよう、スケジューリングしても良いでしょう。最低でも、以下の図の通り、受験対策をするよう心がけましょう。

▼年間勉強スケジュールの例

実際の私の中学三年生時の年間スケジュール

 私は、大阪公大高専へ特別選抜で受験しました。ただ、特別選抜受験資格を得るための条件を、中学3年生の一学期では満たせていなかったので、二学期の成績がでる10月までは学力と特別の両方に対応したスケジュールを組んでいました。その後、無事特別選抜を受けられると分かってからは、ウェイトを小論文に置いて、受験当日まで勉強しました。

▼受験当日までの、私の状況と勉強スケジュール
中学3年勉強スケジュール成績メンタル・意識状況評定(1~5)
4月焦り始めて受験勉強を始めたクラス内順位10位前後とても焦った高専を知る数学5その他オール4
5月
6月
7月成績が足りないと気づき、本気で勉強に取り組んだ5位くらいに上がったずっと焦った本格的に高専受験を決める
8月学校説明会へ行く
9月
10月小論文に本腰を入れた特別選抜受験資格を得た受験のチャンスが増えて一安心特別選抜に向けて勉強した9教化中7教科が5
11月毎週、国語の先生に添削してもらった全然書けなくて不安になった
12月内容に満足いく小論文になったもう無理かも、落ちると思った
1月受験前々日まで毎日2〜3本書いた学力は変わり無かった1ヶ月を切り、精神的に追い詰められた毎日、不安で眠れなかった
2月受かったから勉強をしなくなった今までを取り戻すかのよう遊び呆けた家族、先生、友達が喜んでくれた
3月高専入学に向けて軽く勉強を始めた難しくて驚いた危機感を覚えた

合格できた要因

 入試当日、小論文はすごく手ごたえを感じたのですが、面接は想定よりうまくいきませんでした。

 しかし、成績開示を見てみると、小論文は9割以上、面接も30点満点中23点と、悪くない結果となりました。その結果から合格できた要因を分析してみると、

 ・将来は〇〇会社で、高専で学んだ△△を活かしたい

 ・クラス役員になれなかったが、立候補した

という2つのエピソードが良かったのではないかと思います。高専はチャレンジャーな人材を求めているので、自分から進んで行動する学生への評価が高いです。理由としては、最近、起業家の育成(スタートアップ支援)などにも力を入れている高専が増えてきたからです。そのため、小論文では

 ・将来を見越した志望理由を考える

 ・技術基礎知識を習得しておく

 ・小論文の書き方、形式などを事前に身に着けておく

最低でも、このくらいはマスター、考えておきましょう。

また、具体的に将来の進路まで考えておくことも大切です。実践的な技術と知識を持ったエンジニアを社会に輩出することが高専の目標だからです。

もちろん、小論文の点数が良かったことが一番の要因だと思いますが、面接も合格のカギとなったでしょう。

受験のメンタル維持方法

 受験を控えた中学3年生は、年齢的にもナイーブでデリケートな年齢でもある時期です。そのため、周りの大人の協力なしでは、精一杯の力を発揮することができません。

私は、受験勉強のストレスや、模試の結果が中々上がらないなどで、定期的に自信を無くしていました。その度に、母や先生から励ましの言葉を貰って何とか頑張ることができました。周りの支えは必須ですから、しっかり支えてもらえるよう、しんどい時もあると思いますが、周りに辛く当たったりしてはいけません。

また、この勉強が終わったら少しだけ友達と会う、推しのライブに行くなど、ご褒美を用意してあげると、モチベーションアップに繋がり、精神的に余裕が出てきます。

受験生を支える効果的な励ましの言葉は?

しないほうが良い声掛けとは…

 私個人の見解ですが、「頑張れ」等の単純な声がけは逆効果になってしまうと思います。本人は頑張っているつもりなのに、その努力を否定されると、やる気をなくしてしまいます。中には、「もっと勉強してやる」と思う人もいますが、多くの人が意識喪失してしまいます。

 また、他人と比べて評価することは絶対的にタブーです。受験という多感な時期に、「友達と比べてあなたはどうか」等のことを言われると、精神的にダメージを負ってしまいます。私自身も、同じような言葉を、両親からかけられた時にプレッシャーと感じてしまい、勉強に集中できないときがありました。

効果的な声かけは?

 本人の目標を理解した上で、「高専で〇〇できるように、今だけ全力で頑張れ」という風に声がけしてあげると良いでしょう。受験生のゴールである、合格という目標を明確にし、それに向かって努力できるよう、サポートしてくれると受験生は安心します。

 また、発破をかけたい時は、他人と比べずにストレートに伝えることが大切です。

いつから受験勉強を始めればよい?

 やはり、今すぐ動き出すのがベストです。高専受験対策を早く始めるに越したことはありません。ただ、高専を受験しようか迷っている方もいるかと思います。そんな方は、遅くとも、受験日の半年前までには、高専入試対策を始められると良いかと思います。例え、現在の成績に不安があったとしても、半年前なら学力入試で巻き返すことも可能です。

私は、7月から高専受験対策を始めたため、とても苦労しました。そのため、焦らず勉強するなら4月、遅くても8月には始めると良いでしょう。

今回、取り上げた内容が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。応援しています!

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